嫦娥(Chang e)は「じょうが」と読むことが多く、わたしもそう読むが、「こうが」とも読む。書くときは娥と書くこともある。これならコウガと読みたい。
中国人の名前は、とうぜん中国読みだが、当時(いつだ)と今では読み方も違う。日本語読みでコウガと読んだ方が、現代中国語読みより原音に近いのかも知れない。
日本語で読むときは、コウガと読むが、文字からジョウガとも読むようになった。間違いとはいえますまい。漢和辞典でも両方の読み方が載っている。念のためいうとATOKでは「嫦」はコウ・ゴウの読み方しか載っていない。
余談ながら、中国の月探査計画を嫦娥計画と言う。マスコミではジョウガと読んでいるようだ。
嫦娥について民間伝承には諸説ある。
弓の名人后(コウゲイ)の妻、不老長寿の薬を飲んで月の世界に逃げたと言われている。
后は「王」に近い言葉、部族長であろうか。
が西王母から不老長寿の薬をもらったのを、嫦娥が盗んで月に逃げた。なお月ではヒキガエルになったという。「嫦娥奔月」といい、切手の図案にもなっている。これが普通の説。
ヒキガエルは「蟾蜍(せんじょ)」とも呼ばれ、月が欠けるのはこのヒキガエルが月を食べるためと言う。
あるいは、が老道士から不老長寿の薬をもらうが、訳あってそれを嫦娥が飲んでしまい、体が軽くなり月に行った。
あるいは、嫦娥は西王母から不老長寿の薬を盗んで、月の世界に逃げた。
さて、当時(堯舜の時代)は国家といえるほどのものはなく、都市国家と言うより部族社会と言うべきであろう。その部落の長がだ。
当時は部族間で戦争があれば、負けた方は勝った部族の奴隷となった。逃げないように目を針で突いた奴隷、それが民という字だ(藤堂明保、「漢字の起源」)。
誰か(陳舜臣か宮城谷昌光)の説にあったが、嫦娥はそうしての妻となったのだろうという。あるいは略奪婚。だからいつか逃げようと思っていた。その機会が、が不老長寿の薬を手に入れた時だった。
と、嫦娥が逃げた理由を推測している。
それにしても、逃げたはいいが、ヒキガエルになってしまっては、成功とはいえないだろうな。人の姿をしているとしても、月の世界ではどうして生活しているのだろうか。月宮に住むというが、家臣はいるのだろうか。それとも孤独?
不老長寿というのは、たとえ人の世界にあっても、絶対の孤独ではなかろうか。有限の命で生活する者にはうかがい知れない心境である。
そうだそうですね。
日本は中国から伝わったとか・・・
かぐや姫はいっていますね。
「月が出た夜は、ごらんになってください」と・・・
かぐや姫が見えるのでしょうか。
中国には嫦娥が見えるという話しは無いのでしょうか。
それとも、ヒキガエル・・・
やはり美女がいいですね。
月から見た地球は嫦娥にはどんな風に見えるのでしょうか。
それが「嫦娥奔月」と重なり、ジョウガ伝説ができあがったのでしょう。
各地に別々に違う話が伝わっているようです。
宮に住むには、そこに仕える人もいるはずですが、その話は読んだことがない。当然なので触れていないのでしょう。
わたしは謫仙楼対局で名前を使わしてもらっています(^_^)。
ご訪問ありがとうございます。
ゲイは伝説の人物ですが、似たような人物は実際に居たのでしょう。
しかも中国では各地でいろいろな伝説ができて、統合されていく。それで諸説が入り交じる伝説になった。民間伝説はロマンチックです。