2008年04月20日

西域一九九九年 11 トルファン(吐魯蕃)

 天山山脈の雪どけ水が流れる地下水道カレーズの井戸が、砂漠の中に点々と見える。カレーズが露出している所で見学したが、きれいな水が流れている。総延長六千キロにおよび、長江黄河につぐ第三の長河と言っている。
 このあたりは敦煌より降雨量が少ない。年間20ミリほど。地上に水を流しては全て蒸発してしまう。
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 空を飛ぶものは飛行機以外、四つ足のものは机以外、何でも食べる、といわれる中国料理だが、砂漠の中ではさすがに食材が少ない。
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夕食のシシカバブー 羊の丸焼き
 四つ足のものは炬燵以外は何でも食べる日本の食いしん坊でも、あたらないように気をつけなければならない。特に特産の葡萄はよく洗わなければ、確実にアウトである。
 砂漠の真ん中なので害虫は存在しない。なぜ葡萄を食べられないのか不思議だ。病気を防ぐ農薬を使っているのだろうか。干葡萄はそのまま食べているのでそうでもなさそうだ。考えられるのは管理方法であろうか。
 寒暖差が激しく、夏は四十度を越えても、冬は零下十五度まで下がる。そのままでは葡萄の木が枯れてしまうため、土の中に埋めて冬を越させる。そのため葡萄の木は溝に植えてある。もちろん水遣りにも好都合である。

 この夜はホテルの庭でウィグルの民族舞踏を見る。他のホテルからも観客が集まる。はじめに司会者が挨拶する。
「朋友men……」続けて「レディス&ジェントルメン……」と言ったとき、軽いどよめきが起こった。だが「みなさま……」と言ったときは、感動のどよめきで一瞬挨拶が聞こえないほどであった。
 その後も司会の度に三言語を話し、「ふるさと」を日本語で歌ったときは、会場の興奮は頂点に達した。
 観客の半数は日本人らしい。そして欧米人らしき人が多い。ここでは漢人は少数民族のようだ(^_^)。

六日目
 出発前の僅かな時間にホテルの前の道をひとりで歩く。
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 葡萄棚の下の道である。露天の商店街があり、荷物の上で眠っている人が多い。雨の降る心配はない。

 街路に葡萄祭りの看板がある。
「葡萄祭りの時は中央の幹部がお酒を飲みに来て、ホテルを占領するので、予約していたお客様は大変でした。葡萄祭りといっても葡萄の店が並ぶ以外何もありません。『どこが良かったですか』『イヤー、踊り子が良かった』地元の人にとって、持たせてやる土産物の代金も大変な負担になります」
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 大通りは朝早く水を撒く車が通った。
posted by たくせん(謫仙) at 07:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 西域一九九九年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>このガイドは漢族であった。若いがかなり屈託した人生を送っているようだ。

男性と思いますが、屈託した人生経験の方のようですね。
中央のガイドになろうとしたけれど、なれなくて地方に派遣されたとか。その理由が納得いかなくで悶々としているように思えます。
問題が起こるたびに、漢族として攻撃されたりするのでしょうか。このあたりは多民族と思いますが、少数民族の苦しみを味わっているような気がします。
それだけに、中国の表の顔ばかりでなく、裏の顔も少し覗けたようで、よかったのではないかと思えます。
Posted by mino at 2008年04月20日 16:20
ちょっと書き方が曖昧でした。
このガイドは、「1 西安 」で書いた添乗員です。だからおっしゃるとおり若い男性。
西域に移ってからはガイドを兼ねた添乗員ですね。
その部分は「ガイド(添乗員)」と訂正しました。

全体的に、自分の能力以上に背伸びしている感じでした。でも本人としては冷遇されている気がしたことでしょう。これはガイドのことではなく、生活全般においての話です。
派遣されたのではなく、現地採用のようでした。同じ仕事をしても、現地採用は安い。それだけに複雑な気持ちがあるのではないかと思います。
どこかに書きましたが、学生のアルバイトが敦煌で時給1元(月200元くらいか)、西安で月給500元という時代です。これは表向きにしても、実際それに比例して安かったことでしょう。
漢族ばかりでなく、回族でも不満がたまりそう。近頃の反発もそんな背景が感じられます。
Posted by 謫仙 at 2008年04月21日 07:17
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