その前年にホンタイジ(清の二代目)が没した。このドラマでは弟のドルゴンが殺したことになっているが、史実は違うであろう。
崇禎帝が袁崇煥を殺したのは皇位に登ってから二年目、おそらく19歳(ドラマでは18歳と言っている)の時である。疑い深い性質だが、これは讒言を信じた。国の財政は破綻しており、もちろん皇族の財政も破綻していた。すでに明王朝は死に体である。その中で必死の努力をしているようだが、それに応えられる優れた官吏は少ない。
いよいよ後半である。
第十六話
ここで西洋人が出てくる。小説ではポルトガル人だが、ドラマでは英国人。英語を話し、ユニオンジャックが後ろにある。だがドラマの説明書はポルトガル人と説明している。
しかもこの英国人三人の話がおかしい。英語中国語が入り交じるのだ。テレビ放送(日本語音声)はどうなっているのだろう。わたしはDVDを中国語音声日本語字幕で見ている。二人の英国人が剣で戦うことになるが、その剣裁きがフェッシングスタイルの刀術といった感じ。しかも足技を使ったりで、とても西洋人の剣術とは思えない。
物語はホンタイジが殺されたところまで来た。
ホンタイジはまだ満州にいながら、明占領後に民を救うことを計画している名君である。それが殺されたように清も問題がある。史実は摂政となったドルゴンは名臣中の名臣といえよう。
第十九話
五毒教の何鉄手教主が登場した。若い女教主だ。得意技は毒使い。雲南イ族の服装をしているはずだが。片手がなく、鉄具を着けている。いつも媚びを含んだ物言いをする。たとえ重傷でもその言い方は変わらない。これも武器のひとつ。
何紅薬は「老婆」というが、顔つきは若い。設定は四十歳前後であろうか。金蛇郎君とは訳ありである。
何鉄手役の台湾女優が07年12月にコカイン疑惑で逮捕された。それも二度目。五毒教教主の麻薬事件だ。わたし自身は俳優の私生活には興味がないので、ここまで。
第二十話
北京でガジュマルの林が出てきた。前に南京で出てきたときは、いくらなんでも無理だなあと思いながら見ていたが、北京でガジュマル林はもうしらけてしまう。
後半は全体的には、無理なく話が進んでいる。
清の力をあてにして、クーデターを狙う皇帝の叔父恵王。恵王を利用して明を終焉させ、清でも後宮の権力を握ろうとする曹化淳。
皇帝を守ろうとする阿九や安剣清。
清の策謀から明を守ろうとすることと仇を討つことの間で、心の揺れる袁承志。
矛盾なく流れている。袁承志たちが住む家に「袁府」と堂々と掲げているのが気になる程度。
第二十五話
西の方の城が次々に落ちる。皇帝は対策の意見を求める。はじめは、南京に逃げようという案が出るが、ついには返事する者さえいなくなる。宰相さえ、皇帝と二人になっても黙って立っているばかり。一切いわない。こうなる前の閣議の様子が偲ばれる。
李自成はついに北京城を囲む。それが仕方ないとはいえ、あの象山映視城。後ろに山があり、紫禁城より小さい。とても北京城にはみえない。俯瞰したため、かえって卑小に感じてしまう。
特に北京城の回りに、このような広大な空き地があったとはとても思えない。これは襄陽城の時も感じたことだ。
数回紫禁城の景色が出てくるが、それのほうが広そうだ。ただし、そちらはCGか書き割りのようで現実感の薄い建物群。新しすぎて不自然なのは横店撮影所ができたばかりのため。
念のため。
北京の都全体を城壁で囲んだのが北京城。その中の皇帝の住まい(政治の中心でもある)が紫禁城。現在の北京故宮は紫禁城のこと、南北の長さ961m、東西の幅753m。これは清朝の城。明代とは異なるかも知れない。
第二十八話
崇禎帝と皇后の出棺のあとで、捕らわれていた太子を助け出し、阿九と会わせるシーンがある。南に行って再興を謀るという太子に阿九はまず生き延びることが大切と教える。「あなたは十六歳…」
弟の太子が十六歳なら阿九は十六歳より上と言うことになる。もっとも母親が違えばそうでないこともあるか。
この時阿九(のモデル)は十五歳のはず。少し上に設定したのかな。