袁承志を盟主に推戴する。いつもの如く武芸比べをすることになるが、それが広い屋内に多くの抜き身を植え、その上に粗い網を張る特設リング。おい、そんな場所を事前に用意するか。話し合いで結論が出なくて、仕方なく武芸比べになったんだろうに。江湖の話し合いとはそうするものか(^_^)。
第十三話
袁承志たちが清軍と一戦を交えて、そのあと泰山に隠れるが、軍として訓練しているところはなんと波のうちよせる浜辺。泰山の山中にそんなところがあろうとは。
このあたりでは安剣清が錦衣衛の長官として活躍する。改編前ではなかった場面が多い。安大娘の夫であるが、安大娘は娘の小慧には、父はすでに亡くなったといってある。小説では記憶がない。錦衣衛は皇帝護衛隊で秘密警察。
ここまで、阿九の出番が多く、役割も重要。袁承志の心は夏青青と阿九の間で揺れ動く。心は阿九に向きながら、理性が夏青青を愛しているようだ。
第十四話
南京の焦公礼の話で、華山派の孫仲君は羅立如の腕を切り落としたため、第九話で華山派の総帥穆人清に指を二本切り落とされ、「二度と剣は使うな」といわれたはずなのに、孟伯飛の屋敷で剣を使う。穆人清の言葉は無視されたか。なお落とされたのは右手小指と薬指のはず。しかし、薬指は元に戻っている。
追記、最後の華山の戦いシーンで二本の指がなくなっているので、この時だけのミスのようだ。
全体的に袁承志は主人公であるが語り部の性格が強い。自ら物語を作ることは少なく、周囲が作った物語にうまく乗っている感じだ。うまく袁承志が表現されている。
八歳で華山に行ったのは本人の意志はない。山を降りたのも師父に言われて。途中で金蛇郎君の遺体を見つけるのは偶然。その遺言で懼州に行き温家の問題に巻き込まれ、夏青青のため南京に宝探しに行き、焦公礼の話になり、財宝を見つけ北に運ぶ。そして賊に襲われ、推戴されて武林の頭となる。
ここまでの話、自らやろうとしたものはひとつもない。すべてなりゆきに近い。もちろん解決する力があるので、中心になって解決する。だから巻き込まれた感じは薄い。
社会性はますます重くなってきます。高虎の崇禎帝はいいですよ。
小説では、父が死んでから二年ほど山宗の仲間と山村で生活をし、安大娘親子と知り合い、小慧が掠われそうになったとき命がけで助けて、その時傷を負います。それが十歳のとき。それから華山に行き、十年後の再会の時その傷跡で袁承志だと判るンです。
十歳以前に大人並みの判断力を持っています。子供のときに人格が完成されているンですね。他の小説はそこにいたるまでの成長物語ですから。それでつまらないといえばいえます。もちろん、わたしはそうは思いませんよ。
胡桂南の俳優さんひょっとして公孫止の奥さん裘千尺をやってた人でしょうか?確かに梅剣和は剣を使ってました・・帰夫婦は崋山派から破門される筈ですよね?・・
いつ安母娘と知り合ったのか、いつ一緒に遊んだのか、傷はいつできたのか、どうして知っているのか。
疑問が山積み。
梅剣和は剣を使っていたので、本来破門のはずですが、その師匠がアレですから。
>胡桂南の俳優さんひょっとして公孫止の奥さん裘千尺
そうなんですよ、びっくりします。
安大娘も天龍八部の王夫人ですし、李岩・玉真子・崔希敏は全真教のメンバーですし、孟伯飛は出たがり屋のあの人(^。^))。
このあたり、ちょっと夏青青が可愛そう。小説はこんなにあからさまではありません。
岡崎さんは金庸さんに会ったとき、「袁承志は本当は阿九を愛していたのではないか」と確認したそうです。それほど微妙な様子でした。
ドラマでははっきりし過ぎ。これでは確認するまでもない。