2008年02月22日

ドラマ碧血剣(改編)−2

第一回目の追記。

第三話
 袁承志が温家に行き、そこに安小慧が黄金を取り戻しにくる。「十年ぶりに再会した」と温青に紹介するが、中国語では十数年ぶり。十二年が正しい、ただし小説では十年。
 この時、承志二十一歳、青青十八歳。承志は二十歳で華山を下りて、それほど日がたっていないはず。それはともかく華山に行ったのは八歳。青青より年下の小慧は大きくとも四歳以下となる。それで十二年後に耳のあたりの傷跡で承志が判るものなのか(小説では二年遅く袁承志十歳、小慧は記憶なし)。
 そのあと、袁承志と安小慧が仮のすまいとしたのは、象山映視城で見た農家。家の配置や屏の崩れ具合を思い出す。また温儀と温青が話をするところも、象山映視城の帰雲荘の裏庭。
onkeniwa1-2.jpg onkeniwa1.jpg
 写真をみると、樹は同じ位置に立っている(^_^)あたりまえだが。

第四話の回顧談の中。
 温方禄が金蛇郎君の姉を殺し、更に一家五人を殺したので、金蛇郎君が温一族に復讐するのだが、温方禄が殺されたことにたいし温儀が「殺される原因は自らにあったのよ」と言うのに対して、温正の弁解がすごい。
「裏稼業の俺たちにとって、強盗強姦殺人放火などはよくあること。奴の姉は愚かにも方禄おじい様に抵抗して殺されたのだ。その後の一家の皆殺しは、面が割れたための口封じであろう」
 強姦されそうになり抵抗した金蛇郎君の姉が悪いみたいな言い方だ。
 温儀と温青の二人は、こんな家族の冷たい視線の中で、生活しているのだ。温儀のおかけで金蛇郎君が復讐をやめ、家族全員が命拾いをしたのにだ。家族の目的は、金蛇郎君の持っている宝の地図。
 この金蛇郎君の複雑さも重要な点。決して善人ではない。

 さて黄金をかけて、温家の五行陣と対決するが、小説では部屋の中だが、ドラマでは場所はなんと海岸。大洋の荒波が打ち寄せるのが見える。衢州は海辺ではない(海岸から200キロ以上ある)。話の上では千島湖の浜ということになっている。の石梁鎮(温家がある)から40キロほど北になる。ちょっと遠すぎないか。まあ温家が千島湖に近いところにあったとしても、その湖は千島湖の名の如く、島が多く、海のように波の立つ所ではない。
 わずかの時間に晴れたり雨が降ったり潮が満ちて引いたり(砂浜の様子では)。まあ、撮影が長引いたんですね。
 時期は桃の花の咲くころの設定だが吐く息は白い。

 大事なことをもうひとつ。千島湖は1969年に発電のために作られた人造湖。当たり前だが清の時代にはない。
posted by たくせん(謫仙) at 07:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 碧血剣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大哥も温五老人との戦いのシーン、小説とはだいぶ違うと感じましたか?
私もです。小説では、五行剣の外側を取り巻く配下の者が居た筈。
ドラマは、色々と突っ込みどころが有ります。

あの口の利けない大男も出てこないし、当然ですがヒヒ達も出てこないです。
Posted by xihuan at 2008年02月27日 08:06
>五行剣の外側を取り巻く配下の者が
そうそういましたね。それが動きに付いていけずスキができる。そこで五行陣を破るのでした。
ドラマは乾いた砂浜に寝たら、次のシーンは砂浜が濡れていて、雨が降っていた(^_^)。
狒々は仕方ないにしても、聾唖の巨漢は出して欲しいですね。
そのために袁承志が華山にいく年齢が10歳から8歳に変更されましたね。それなら、安大娘や小慧とはいつ知り合ったのでしょう。
説明がありませんが、まだ袁崇煥が存命の時に知り合ったように設定変更されたかと考えました。
ただそうなると三歳か四歳で、よく一緒に遊んだというのは無理があるかな。
わたしはどうもそんなことを考えてしまいます。
Posted by 謫仙 at 2008年02月27日 18:16
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