2008年02月07日

鹿鼎記の世界

 まず史実から。
☆1644 北京落城、崇禎帝死去。ここに明朝は終わる。
☆1646 崇禎帝の娘、長平公主死去。
      崇禎帝に斬りつけられたため、左腕が利かなかったという。清朝では丁重に扱っていた。
☆1661 順治帝死去もしくは隠棲。
      三男の愛新覚羅玄Y(げんよう 1654〜1722年)が康煕帝として八歳で即位する。
      ソニン(素昵)、スクサハ(蘇克薩哈)、カピルイ、オーバイの4人が補佐する。
☆1662 康煕初年、康煕帝八歳。
☆1667 ソニン死去、その後オーバイがスクサハを殺す。
      康煕帝十三歳。
☆1669 康煕八年、康煕帝はオーバイを殺害させた。
      康煕帝の親政が始まる。康煕帝十五歳。
☆1673 康煕十二年、三藩の乱起こる。
☆1678 康煕十七年、呉三桂が病死。康煕帝二十四歳。
☆1681 康煕二十年、三藩の乱が終わる。康煕帝二十七歳。
☆1683 康煕二十二年、台湾の投降。康煕帝二十九歳。
☆1695 紫禁城太和殿が完成。当時はまだ紫禁城そのものが建て替え中であったのか。
     …………………………
   rokuteikichizu.jpg
(この地図はゆがんで見えるが、少し回転させると違和感が少なくなるようです)

 第一巻は康煕初年としながら、実際は康煕帝十四歳から十五歳のころ。康煕七年から八年であろう。半年ほどの間に、韋小宝が揚州から北京に来て、ソニン死去、スクサハ刑死をえて、オーバイ暗殺にいたる。
 カバーの絵はどう見ても九歳のころであろう。康煕初年である。
 物語の中に太和殿が登場するが、現在の太和殿の前身のような太和殿と名の付いた建物があったのだろう。

 清朝初期に中国で集めた宝物のありかが、四十二章経に隠されている。一般には清朝の龍脈があると言われている。
 二十年もかけて、四十二章経を盗もうとする神龍教(北京入城後二十五年だが、四十二章経が作られてから二十年経っているのかな)。秘密を知らない皇帝と清朝。反清復明の組織天地会。同じく反清復明の沐王府の遺臣。清朝の臣でありながら反乱して皇帝になろうとする雲南の呉三桂。明の裏切者呉三桂を仇と狙う者。
 その間を巧みに泳ぎ回る韋小宝の物語。

     …………………………
       登場人物
☆韋小宝 :主人公。揚州の遊女の子、父親が判らない。
  口が悪く、要領がいいが怠け者。茅十八について北京に行く。海大富に紫禁城に連れていかれ、海大富に仕える小桂子を殺し小桂子になりすます。
  康煕帝に見込まれ、オーバイを殺したことにより、清朝の高官となり、また反清復明の天地会では香主となる。また神龍教で白龍使となり、教主に次ぐ。そして大金持ちともなる。
☆韋春花 :揚州の遊女、韋小宝の母親。
☆茅十八 :江湖の侠客。天地会の総帥陳近南に憧れている。
☆双児  :韋小宝の小間使いとなる。
  美少女ながら武芸の達人。前の主人である荘家の夫人は、オーバイと呉之栄を一族の仇と狙う。
  韋小宝がオーバイを殺したため、双児を貰い受ける。
☆曾柔  :王屋派の女弟子。韋小宝を慕っている。

 ☆清朝つまり満州
☆康煕帝 :愛新覚羅玄Y(げんよう)。この時代の皇帝。八歳で即位した。名君といわれている。
 順治帝(行痴):康煕帝の父親、六歳で即位し、二十四歳で隠棲して、五台山清涼寺で出家して行痴となる。
  物語に登場するのは三十二歳くらい。
☆海大富 :宦官。ぜんそくが酷い。韋小宝を紫禁城に掠ったころ、薬害で目が見えなくなる。
☆小桂子 :海大富の世話をする少年宦官。韋小宝に殺される。
☆オーバイ:満州第一の勇士といわれる。
  康煕帝を補佐する四人のひとり。実力は筆頭。
☆ソニン・スクサハ:オーバイとともに康煕帝を補佐する重臣。
☆ソエト :ソニンの息子。オーバイ失脚後の事後処理に当たる。
  韋小宝とは義兄弟になる。御前侍衛の副総監。
 トルン :御前侍衛の総監。義兄弟の契りを結んだ韋小宝に背後から匕首で刺される。命はとりとめる。刺したのが韋小宝だとは気づいていない。
☆康親王 :重臣。
☆皇太后 :順治帝の皇后。偽皇太后に幽閉されている。後に助けられ復権。
☆柳燕  :偽皇太后の腹心の侍女。
☆陶紅英 :宮女。明朝の宮女だった。韋小宝の義理の叔母となる。
☆蕊初  :偽皇太后に仕える宮女。少女。
☆瑞棟  :御前侍衛の副総監。武芸の達人。偽皇太后に従う。
☆建寧公主:康煕帝の妹(正しくは偽皇太后の娘で妹ではない)。呉応熊(呉三桂の息子)に嫁す。
☆施琅  :福建水軍の提督。もとは鄭成功の臣。
  鄭成功に一家を殺され、清に仕える。韋小宝に取り立てられる。
☆呉之栄 :オーバイに取り入り揚州知府となる。
  呉之栄の讒言によって陥れられた荘家は、男は皆殺しになり、女は仇討ちを誓った。双児もそのひとり。

 ☆天地会
☆陳近南 :天地会総舵主。武林中から尊敬を受けている。
  鄭成功の命を受け天地会を作る。
☆玄貞道人・徐天川・樊綱・風際中・銭老本・高彦超・呉大鵬・王潭:天地会の一員。
☆李力世・関安基・賈老六:天地会青木堂の幹部。
☆呉六奇 :洪順堂の香主。
☆馬超興 :家后堂の香主。

 ☆雲南沐王府(世界遺産の町麗江の一画に、近年、木府が再建されている)
☆沐剣声 :雲南沐王府の末裔、若者。
☆沐剣屏 :沐剣声の妹、群主(姫)とよばれる。純粋無垢な少女。
☆方怡  :柳大洪の弟子、雲南方氏の末裔。少女。
  韋小宝が最初に目をつけた女。
☆柳大洪・白寒風・蘇岡:沐王府の遺臣。
☆劉一舟 :柳大洪の弟子。方怡の恋人だったが。
☆呉立身 :柳大洪の弟弟子。劉一舟と一緒に囚われの身になる。

 ☆雲南平西王府
☆呉三桂 :平西王。明朝の将軍だった。清軍に国を開け渡した売国奴。
  後に三藩の乱を起こす。(注:清軍と対峙しているとき、李自成によって明は滅び、背中に李自成の攻撃を受けて、清に下ったのであり、売国奴は濡れ衣であろう。三藩の乱も、追いつめられて仕方なく起こした)
☆呉応熊 :(ごおうゆう)呉三桂の息子。父に代わり参勤交代で北京に赴く。
      建寧公主を押しつけられるが不仲。
☆楊溢之 :呉応熊の筆頭護衛。忠臣であるが故に悲惨な最期。
☆廬一峯 :呉応熊のお供。
☆陳円円 :呉三桂の妻。本人はなにもしていないのに、売国奴といわれる。
  呉三桂は李自成に陳円円を奪われたので清に国を売り、陳円円を取り戻した。(注:これは有名だが俗説)

 ☆五台山清涼寺
☆澄光  :清涼寺の方丈。少林寺の十八羅漢のひとり。
☆玉林  :清涼寺老僧、行痴の師。
☆行痴  :もと順治帝。
☆行顛  :行痴の弟弟子で護衛。

 ☆少林寺
☆晦聡禅師:少林寺の方丈。
☆澄光禅師:清涼寺の方丈でもある。
☆澄心禅師:達磨院の首座。
☆澄観禅師:般若堂の首座。武林の生き字引。考え方に柔軟性がない。

 ☆チベット密教
☆バヤン :ラマ僧、行痴を掠おうとする。
☆皇甫閣 :バヤンの助っ人。
☆サンチュ:ラマ僧、四十二章経を狙っている。
  呉三桂と組んで清朝転覆をたくらむ。

 ☆鉄剣門
☆九難  :片腕の尼僧。明朝の長平公主。「碧血剣」の阿九。
  韋小宝も弟子にする。呉三桂を明朝の仇として狙っている。
☆陳阿珂 :九難の弟子。絶世の美少女。陳円円の娘。
  二歳の時に九難に掠われる。九難は陳阿珂(ちんあか)と呼ぶ。父は李自成だが、九難は呉三桂だと思っていて、呉三桂殺しの刺客にしようとする。韋小宝に目をつけられている。
☆王阿h :九難の弟子。

 ☆台湾延平郡王府
☆鄭克ソウ(土+爽):台湾延平郡王の次男(鄭成功の孫)。
  反清を掲げているが、一族のはぐれ者。
  当時は台湾は国外であり、一族は唐王の子孫を皇帝とすべく、亡命政権を形作っていた。天地会もこの亡命政権を支えている。内乱があり、次男の克ソウがあとを継ぐ。後に陳近南を殺す。清に投降する。
☆馮錫範 :(ふうしゃくはん)鄭克ソウの師父。延平郡王の将軍。

 ☆神龍教
☆洪安通 :神龍教の教主。呉三桂などと結託し、清朝転覆を目論んでいる。
☆蘇セン :(センは、くさかんむり+全)洪教主の妻。
☆陸高軒 :教徒、韋小宝の白龍門に属する学者。
☆デブ行者:背が高く、痩せている。白龍門に属する凄腕。
☆痩せ行者:デブ行者の兄弟子。背が低く、太っている。凄腕。
☆毛東珠 :皇太后になりすまし、四十二章経を狙っている。
  康煕帝の母親などを殺した過去がある。凄腕に属す。

 ☆その他
☆李自成 :明朝を滅ぼしたが、すぐに清に滅ぼされる。阿珂の父親。
☆李西華 :陳円円の世話をしている。碧血剣の李岩の息子。
☆胡逸之 :昔ならした武芸の達人。 
☆カンチモ:モンゴルが呉三桂に派遣した使者。
☆ガルダン:モンゴルの王子。呉三桂と組んで清朝転覆をたくらむ。
☆帰辛樹 :華山派の使い手。
☆帰二娘 :帰辛樹の妻。二人は碧血剣でも登場。
☆何タ守 :(かてきしゅ)双児たち荘一族の婦人たちの武芸の師。毒使いの名人。「碧血剣」では、五毒教の教主だったが袁承志の弟子となる。
  海外から帰ってきて、たまたま荘一族を助けて武芸を伝授。 
posted by たくせん(謫仙) at 08:18| Comment(2) | TrackBack(1) | 鹿鼎記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ごく最近金庸小説に嵌った初心者でございます。
重箱の隅をつついて申し訳ございません…
荘家の女衆の師父は「何タ手」ではないかと…m(_ _)m
Posted by m(_ _)m at 2009年06月06日 19:39
m(_ _)mさん。
間違いのご教示ありがとうございます。

第7巻P238に説明がありますね。「何タ守(かてきしゅ)」が師でした。
さっそく訂正致しました。
これからも間違いが見つかりましたら教えて下さい。
Posted by 謫仙 at 2009年06月08日 10:28
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