2008年01月21日

ドラマ鹿鼎記

 製作されたのは1984年、すでに二十年以上たつ。全四十話をわずか二ヶ月で製作したという。
 劉徳華、当時二十三歳(ほど)の康煕帝は十四歳か十五歳。
 梁朝偉、当時二十一歳の韋小宝は十三歳ほど。
共に少年時代から演じている。
 小説では始まりは康煕初年というから康煕帝八歳。奸臣オーバイを倒すのが十五歳。それを劉徳華が演じるのはちと無理があるなあ。それでドラマの始まりを奸臣オーバイを倒すころにしている。それでも十四歳か十五歳。
 いつものことで仕方ないとはいえ、役者と配役の年齢差を感じさせてしまう。
 このドラマもそうだが香港製の殺陣の特徴として、声を出す。「オッ」「ハッ」「ホッ」「ハッ」というような声だが、聞きようによっては、一二三四、一二三四と体操をしているようだ。その声に合わせて動き、その度に全員の動きが止まってしまうのが滑稽。
 武術指導つまり殺陣師は程小東だが、この殺陣は程小東の特徴というわけではないだろう。
 主題歌を歌っているのは張國榮。03年に享年46で自殺した。
 言葉は広東語であろうか。日本語字幕がつく。
 皇帝と王との扱い方が曖昧であるのも特徴かな。翻訳が悪いのか、もとがそうなっているのか。
 「ここは王宮だ」というので、親王の住んでいる宮かと思っていたら皇宮。それに気が付くまで錯覚してしまった。
 また順治帝が「一国の王であるわたしが決めることだ」という。王ではなく皇帝であろう。「一国の」もおかしい。世界には清帝国しかないのが建前。一国とは別に国がある時の言い方だ。呉三桂のような王が言うなら問題ない。原作ではこの扱いはきちんと分けている。
 科白とBGMが重ならないのがいい。最近の映画はBGMがうるさくて、科白が聞き取れないのが多い。どうせ判らないから字幕を見ていると言っても、それでは本末転倒。科白が聞こえたほうがいい。

 第四巻まで見たが、全体的には原作に沿っていて、大幅に作り替えたところは見当たらない。

 場合によっては追記します。

一回目の追記
 第五巻では五台山で、韋小宝が九難に掠われて、峰の上に行くはずが、なんと海辺に降りている。ガクンとしてしまった。湖ということにしても磯に寄せる波と湖の波は性質が違う。五台山に巨大な湖があるのか。
 思い出したが、紫禁城で沐剣屏が入っていた豚は、学芸会並みのできだった。あれは吹き出したな。
第六巻でもある。紫禁城の後側に景山(煤山とも)といわれる山がある。明朝の最後の皇帝崇禎帝が首つり自殺したといわれている所。
 その場所がなんと海の断崖の上にある。

二回目の追記
 通喫島から逃れて北に行き、アムール川のそばにあるロシアの城まで行くが、それが南国的。本来は雪の荒野の逃避行。さすがに香港では雪の荒野は無理だったようだ。その間の行動はすっ飛ばしてしまった。そのため距離感がない。
 ロシヤの皇女が中国語で話したり、ロシヤ人の顔が東洋的なのも仕方ないか。
 このあたり急造の手抜きだな。「隠密剣士」に電柱が写っていたような感じだ。

三回目の追記
 最後まで見終わった。最終回はかなり変更されている。韋小宝が牢に入り、皇太后は「すでに韋小宝には充分に報いている。遠慮はいらない」という態度で、処刑を迫った。
 康煕帝はみずからしのび姿になり、韋小宝を牢から逃がす。
 皇帝「父上は満州族だったが、母上は漢族の子孫だった。わたしは決して天下の民を分け隔てはしていない。漢族も同じだ。なのになぜ彼らは私を殺そうとするのだろう」
 韋小宝「自分が幸せなことに気づいてないんだ」
 これで二人は別れる。
 韋小宝は揚州に行き、一波乱あって終わりになるが、終わり方は漫画レベルのドタバタ喜劇。これでは物語が滅茶苦茶だ。揚州が海辺にあるのは仕方ない(?)にしても。
 大理には行かず、揚州で暮らすことになる。
 韋小宝と皇帝が別れるあたりで終わりにすれば、まだまともだったのに。もっとも、そうなると最後を見たくなるかな。
posted by たくせん(謫仙) at 08:28| Comment(6) | TrackBack(0) | 鹿鼎記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たくせんさん

 こんにちは、はじめまして、中国人のサイと申します。よろしくお願
いいたします。
1990年内モンゴルに生まれ、漢民族の人です。今日本で留学中です。
わたくしは金庸のドラマを見ながら育ってきた人です。たくせんさん
の記事を殆どすべて見ました。日本にも金庸のファンがそんなに多くい
るとは思いませんでした。すごく感動です。
 でも、日本のみんなさんが見たのは、ほとんどCCTVの張紀中氏の作っ
た大陸版のドラマです。それは少し残念ではありませんか。90年代香
港のTVB(香港無線電視)も金庸のドラマをたくさん作りました。しかし、
日本でまだ未公開で、DVDは売っていないと思います。
 私のような80年代、90年代生まれの中国人若者たちにとって、そ
れこそが一番クラシックで印象深いです。小さな頃、子供の私にとって
一番うれしいのは、テレビでTVBの金庸ドラマを見ることです。
 特に古天楽(ルイス、クー)氏が主演した楊過が大好きです。彼よりイケ
メンの楊過はこの世にもういないと思っています。その代わりに、私は
張氏のドラマを一度見たこともないんです。しかも、見たくないです。
もしたくせんさんが興味があれば、ぜひ一度見てください。

  長文で大変失礼しました。ご返事を待っています。


Posted by サイ at 2013年12月27日 05:40
たくせんさん

 youtubeにはTVBが作った陳小春氏の主演した鹿鼎記があります。
日本語の字幕がないんですけど、中国語の字幕(正体字)が付け
ています。しかも、中国語の吹替です。たくせんさんのような中
国語の達人には、大丈夫だと思います。
 個人的には、TVBが作った金庸ドラマが非常に原著を尊敬して、
人物の対話もすごく面白いと思っています。ただ制作地は香港だ
から、景色は張氏ほど綺麗ではありません。ちょっとシンプルな
感じがします。下は第一話のURLです:

 http://www.youtube.com/watch?v=QTX5jzi39yM
 第一話から最後の話まで、youtubeには全部あります。
上の言った古天楽氏の神雕剣侠には、youtubeにただ部分あります。
 下は第二話のURLです:

http://www.youtube.com/watch?v=6RtLU6BGHwE

 この話で、楊過ははじめて郭靖夫婦と出会って、自分の身分を全然知らないです。残念ながら、第一話はありません。
Posted by サイ at 2013年12月27日 06:25
サイさん
「崔」とでも書くのでしょうか。コメントありがとうございます。
わたしは金庸ドラマは、たしかに張紀中氏のドラマが中心ですね。
しかし、ドラマの前に小説を読んでいます。そのためか、ドラマが小説を外れると途端にからく評価しがちです。小説を外れた場合、ほとんどのシーンが整合性を失います。それが耐えられません。
そして、ご存知のように張紀中版以外はあまり日本語が附いていません。それ以前に入手が難しいンです。張紀中版以外は、わたしが見たのは中国で買ったものとか、大幇会で手にしたものです。普通には日本では手に入りにくいものです。関西では比較的手に入りやすいようです。まあ東京でもその気になれば手に入るのでしょうが、わたしには入手方法を知りません。m(__)m。

ショウブラ( 邵兄弟)ものもいくつか見ていますが、香港のスケールでは見ていて辛いものがあります。それらはほとんどが普通語音中文字幕です。
わたしの場合、日本語がなくても、中文の字幕があればなんとか見ることができます。それでも全く新しいものは難しいンですよ。
張紀中ものは原作に近いので、安心して見ることができます。しかも日本語の字幕が着いています。

金庸小説が何度もドラマ化されていることは知っていますので、張紀中もの以外も見られるのなら見てみたいと思っています。しかしどうすればいいのか。
なにしろ、テレビは地上波以外は見られませんm(__)m。お台場の上海新世界は商品がなかったンです。
張紀中版は一番原作に近いと思っています。全く別な話ならば題名を(登場人物の名前も)変えて欲しいと思います。だから逆に、あなたがなぜ張紀中版を見る気にならないのか、理解に苦しみますよ。
こう考えていると、わたしは金庸迷であっても武侠迷ではない、と思うことがあります。

古天楽(ルイス、クー)氏がイケメンかどうかは別にして、その前に楊過はイケメンなんだろうか。わたしはそうは思えない。そうなるとイケメンの古天楽の起用は間違いではないか。なんて考えてしまいます。おそらくドラマを見ればその疑問は吹き飛ぶでしょう。

サイさんは何処にお住まいですか。東京で入手する方法があったら教えてください。(^。^))。

陳小春氏の主演の鹿鼎記、まだ見ていないのですが、とりあえずここまで。
Posted by 謫仙 at 2013年12月27日 21:05
たくせんさん

 ご返事ありがとうございます。
 わたしの苗字はたしかに崔です。今は鳥取市の鳥取大学で留
学しています。東京まで遠過ぎました。
 まず詳しく自己紹介してから張氏の作品を見たくない理由を
説明します。
 私の故郷は中国の北にあるすごく偏僻な小さい町です。(日
本の稚内よりも北です。)その町はモンゴル語の名前で、今漢
民族とモンゴル族が一緒に混居しています。昔の契丹人の遼国
の上京を知っていますか。その辺りです。モンゴル族の人たち
はすごく付き合いやすくて、漢民族ほど計算高くないですので、
モンゴル族の友達が多くいます。
 80、90年代の中国には、まだ今ほど改革開放していませ
んでした。上海や北京や広州のような大都市はまたいいだけど、
うちの故郷のような遠い町にとって、外来文化を受けられる機
会があんまり多くなかったんです。しかもその頃、ネートも無
かったんです。だから、その頃の中国人の若者たちにとって、
楽しめられるものは二つだけ:

1、VCDの店に行って、香港の映画またはドラマのVCDを借りる
こと
2、本屋に行って、武侠小説を借りること

 その頃はDVDではなく、VCDと呼ばれていました。私の記憶で、
普通映画を一枚借りったら10円でした。(H映画は格別に高くて
、200円ぐらい)。武侠小説にはもちろん金庸だけでなく、古龍
、黄易、梁羽生、司馬りん(令+羽)などたくさんありました。
名前さえ聞いたことがない人の作品もたくさんありました。小さ
なごろの私は読書が大嫌いので、ただ神雕剣侠と碧血剣を読みま
した。
 しかし、ドラマは全然別の話です。一番印象深いのは、やはり
TVBのドラマです。いままでもう何度も見ました。今、古天楽の
楊過を見るたびに、小さなごろの思いが湧き出します。
 今の中国最大手の動画サイトyoukuで、古天楽氏が出演した神
雕剣侠の再生回数は2億超え、その代わりに、黄小明氏の再生回
数は百万しかないんです。ここまで見ると、中国で私と同じ思い
を持っている若者は何千万人がいることが分かりました。

 以上は張氏の作品を見ない理由です。
 
Posted by サイ at 2013年12月27日 23:37
たくせんさん

 楊過は絶対にイケメンですよ。私は少し調べました。
証拠があります。

 1、公孫止の話(楊過は絶情谷で小龍女と出会った時)

  公孫谷主不由得醋意大興,心想:“君雖允我婚事,卻從未對我説過半句如此深情的言語。”側目看了楊過一眼,但見他眉目清秀,英氣勃勃,與小龍女確是一對少年璧人。

  楊過は公孫止に”眉目清秀,英氣勃勃”と言われましたから、イケメンであるべきだと思っています。

 2、欧陽鋒の話(欧陽は義父として楊に武功を教えている時)

  歐陽鋒教了半天,聽他瞎纏歪che;説得牛頭不對馬嘴,惱將起來,伸手要打他耳光,月光下見他面貌俊美,甚是可愛,尤勝當年歐陽克少年之時,這掌便打不下去了……
 
  ここで、狂った欧陽鋒は楊過を見て、死んだイケメンの息子の欧陽克を思い出しました。
  本の中で楊過の顔を褒める言葉がたくさんあります。だから、絶対にイケメンだと思っています。

  ここで、面白い話があります。私は大学一年生の頃、軍事訓練を参加した時に、名前が楊康という同級生がいました。
   そして、教官(軍人)は彼に冗談をして:
  「お前はなぜ楊康というのか?お前は漢奸だぞ!」

   楊康は:                 
  「上尉様(教官)、うちの父親は若い頃に金庸の小説にすごく耽っていました。楊康のことを非常に同情して、しかも家族の苗字はちょうど「楊」だから、私に「楊康」という名前を付けました」

  上は実話です。おもしろいでしょうね。
Posted by サイ at 2013年12月28日 00:34
サイさん
「上京」は行ったことはありませんが、知っています。陳舜臣さんの中国の歴史とか、「四庫全書」の話とか、「中国嫁日記」でも登場します。
八十年代の田舎、判る気がします。わたしが子供時代を過ごした日本の田舎を思います。豊かな人は豊かでしたけど。
武侠小説は、金庸以外は古龍・梁羽生を少し読みました。古い御三家ですね。もちろん翻訳です。
黄易は私的な翻訳を読んでいます。
司馬りん(令+羽)は名前はどこかで見たことがあるような。岡崎先生の「武侠小説指南」かな。もう少し読みたいと思っていますが、なかなか翻訳が出ませんねえ。

古天楽の神G侠侶は郷愁を呼び起こすのでしょうか。大人気なんですね。それならわたしも見てみたいと思います。時間はかかりますので、その話ができるのはずっと後になります。一年後かな。

楊過について、
なるほどイケメンですね(^。^))。
今度読むときは、(もう三回読んでいる)そのことを注意して読んでみましょう。
ヤンコォ(楊康)はわたしは好きですよ。人間らしくて。生まれたときから金人として育ったのですから、金人としてふるまうのが当然です。父が漢族だから漢族として金を恨めと言うのは無理ですよ。何何人とは、そこで育ち文化を身につけた人のことで、遺伝子はほとんど無関係と思っています。
漢奸、それは違うと思います。(^。^))
郭靖は漢人として育てられたので、漢人としての自覚を持ってもおかしくない。またモンゴルはそれを許しています。異民族を気にしないようですね。
Posted by 謫仙 at 2013年12月28日 08:10
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