2007年11月10日

杭州 6 白堤

 十三日にはようやく歩けるようになった。
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(地図はクリックして下さい。大きくなります)

 朝食が済んで、外に出る。白堤まで約一キロあまりをタクシーでいく。百五十円なので…。
 西湖は元は海であった。それが鹹水湖となり、現在の淡水湖となった。わずか五千年ほど前である。埋め立て地と同じで、このあたりは良質な水の確保に苦労した。
 白堤は杭州太守であった白居易(白楽天)(772〜846)が造った西湖北側にある最も古い堤防で、白居易に由来して白堤と名付けられた。この堤防ばかりでなく、水位を高くして、治水につとめた。

 さて、タクシーは短い堤防を通って孤山まで行った。わたしはその前で降りるつもりであったが、白堤と言ったので、孤山まで行くのが当然。孤山で止まってもらった。

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 そこで目に入ったのが「巾掴英雄像」。巾掴とは女性のこと、つまり女英雄だ。
 巾掴英雄といえば、南宋の梁紅玉が思い浮かぶが、この像は秋瑾(1875−1907)である。わたしは名を聞いたことがある程度の知識しかない。日本に留学したこともある。魯迅と同じ紹興の人である。革命運動に身を投じ、三十一歳の若さで処刑された。刀剣愛好家で日本刀を好んだという。持っているのは剣である。

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 孤山といえば、必ず出てくるのが、この楼外楼と西冷(正しくはさんずい)印社。

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楼外楼の専用船らしい。

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 隣には手こぎの舟も。

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湖に目を投じれば、三つの島と、霞んで雷峰塔が見える。

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 この島は一つの山でできている。故に孤山という。昔は離宮などあったところ。ほぼ全体が孤山公園といわれる。南の西湖に面したところは街中のようだが、山の上や北側は自然公園。この山に登ってみた。三十八メートル。山というほどのものではない。
 笑傲江湖で令狐冲と向問天が「孤山梅荘」に行く場面がある。そこには聖姑の父が幽閉されていた。「西湖とは白堤で隔てられており」とあるので、この山の北側であろうか。

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 山の上では鳥籠が十籠ほど。みな同じ鳥である。

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 孤山の北側は自然公園。孤山を一周した。
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 西冷(正しくはさんずい)印社の北側の入り口、山の稜線である。
 西冷印社は金石篆刻の研究施設、といっても土産物屋と研究者の談話室など。金石篆刻に興味のある人にはレベルの高い施設のハズ。

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 西冷印社の庭園。
 孤山梅荘はこれあたりがモデルかも知れない。
 孤山には浙江省博物館がある。入場無料。「浙江省7000年展」が開かれていたが、一階のメインの部屋は「河姆渡遺跡」浙江省の始まりである。その写真は「寧波1河姆渡遺跡」に載せた。

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 これは南宋の時代、ここが都だったころの杭州の様子である。
 さてこれから白堤を歩く。といっても一キロほど。十五分も歩けばよい。

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 白堤は自動車も通れる。バイクは多い。これはバイク同士の事故現場。上は舗装され両側は公園となっていて、結構広い。

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 白堤の東の橋、断橋。
 白堤にはふたつの橋があり、東端にあるのが白蛇伝で有名な断橋、冬は「断橋残雪」として、西湖十景の一つ。もっとも杭州ではめったに雪は降らない。
 赤い旗が見える。これはこの日行われた百組の集団結婚式を祝う旗。

 西湖には西湖十景という情景がある。三潭印月・断橋残雪・蘇堤春暁・雷峰夕照・曲院風荷・花港観魚・南屏晩鐘・柳浪聞鶯・平湖秋月・双峰挿雲。
 これらはすべて、歌枕と同じで頭で楽しむものである。曰く因縁があり、知らないとなんのこともない。昔の誰それが詩に読んだとか、褒めたとか。
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 たとえば断橋は写真で見るとおりただの橋である。だが白蛇伝を知ると印象が変わる。
 曲院風荷は、荷(はす)の花が美しい。だが、蓮池はきちんと整備しないとすぐに荒れてしまう。誰かが褒めた時と今とでは全く違うであろう。柳浪聞鶯といっても今は鶯はいない。

 日本でも和歌の浦は美しいところだが、万葉集の
   和歌の浦に 汐満ちくれば 片男波
       あしべをさして たづなきわたる   山辺赤人

 を知っていれば一段と興味がわこう。

 さて昼食時、あたりを見渡してもスーパーやコンビニはない。また西湖の東岸を歩き出したら、目の前にとうもろこしを売っている売店がある。一本四元。これがこの日の昼食。余談だが中国語では「玉米」という。普通の米は「大米」だ。
posted by たくせん(謫仙) at 08:13| Comment(4) | TrackBack(0) | 江南 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楼外楼というのはホテルですか?専用船の豪華な事!
それに比べて手漕ぎ船は何とも哀愁漂って私はコチラの方に乗ってみたいです。
たくせんさんのレポを読んで中国の表の絢爛豪華さと裏の貧みたいなチグハグを垣間見る事ができ楽しく拝見してます。ひとりでの行動ができるということは言葉も理解でき一人旅の楽しさも思う存分楽しめて強みですね〜中国語は難しいでしょうに立派ですね(^_^)/
Posted by 千春 at 2007年11月10日 10:43
白蛇伝は懐かしいですね。
筋はよく覚えていないのですが、白蛇の娘と人間の若者の恋。
そして、邪魔をする僧で悲劇に終わったような・・・
そういった筋より、うつくしいアニメの映像がいまだに
脳裏に残っています。
もう一度見てみて見たいような・・・
みると夢が消えるような・・・

旅先での病は嫌ですね
でも、直ってよかったですね。
Posted by オコジョ at 2007年11月10日 14:06
千春さん。
楼外楼は…、書き漏らしていますね。ここはレストランです。日本の料亭のようなイメージでしょうか。わたしなどは高級すぎて、入る気になりませんが。
わたしの中国語の先生が
「中国はあちこちに問題がある。しかし、その中で庶民は生きていかなければならない」
その象徴が巨大格差でしょう。
Posted by 謫仙 at 2007年11月11日 08:34
オコジョさん。
白蛇伝は意味も判らず見たので、全く覚えていないのですが、輪郭を聞くことがあります。
この橋があの話の橋かと思うところですが、通ったときは忘れていました。
病の方は、一日休めばという感じでしたね。この次の日に中華料理を食べると入院になりますが。
次の日、日本料理店をそこへ行くことになりました。
Posted by 謫仙 at 2007年11月11日 09:12
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