2007年09月27日

西域一九九九年 2 敦煌−陽関

 これからはどこの町もみな熱砂に囲まれたオアシスである。意外に大きく、例えばウルムチは人口十八万の都市である。
 敦煌で最初に目に入ったのは、飛行場の周りの四角く囲まれた墓である。どこでも好きなところを墓にしてよいというが、小さく盛り上げただけなので、時間がたてばなくなってしまいそうだ。
 市内に入るとあちこちに各種のポプラの木が連なっている。枝を広げた木は訊くまでポプラとは思わなかった。

 部屋に入ると、間もなく荷物が届く。二人分で十元を渡して荷物を受け取ったが、なんとしっかりと締めてあるSさんのトランクのバンドが他人のと替わっていた。しかも鍵をいじった跡がある。開けられたようだ。わたしのトランクもそうだった。訊いた限りでは皆やられている。
 その後、添乗員がどんな処置をとったか不明である。わたしは帰国後、顛末を手紙にしたため、日本の旅行社に送った。

 昼食後陽関に向かう。
 左手に砂の山脈鳴沙山を望みながら、バスで一時間ほど走る。その間たえず蜃気楼が見えた(正しくは蜃気楼とは異なるかも知れない)。遠くに湖が広がっているようだ。時には二三百メートル先に見えることもある。逃げ水とも言われる。残念ながらその写真がない。
 砂漠の所どころに生えているラクダ草が、まるで水上に浮かぶ舟のようである。

 小高いところに陽関の跡があるが、その下も小さいながらオアシスであり、農場となっている。
 葡萄を干すための、煉瓦を重ねた隙間だらけの家が砂漠の中に連なっている。
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 バスの窓から撮ったので右が欠けてしまった。
 この中に数カ月おいて干すと旨くなるらしい。直接陽に当てて干すと数日で干し葡萄になるが、旨くない。
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 陽関の資料館、日陰にはいると涼しく感じる。

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 このテントが飲食店、羊の肉とか、冷たい飲み物、それに陽関葡萄酒も。入らなかった。

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     陽関の狼煙台
 唐の王維の詩で有名な陽関である。なお、狼の糞を燃やすと煙は真っ直ぐに立ちやすい。軽いのであろうか、横に流れにくいという。それで「狼煙」である。
 このとき、温度計を持ってる人がいて、見たら気温は摂氏四十二度、日本でならば物理的な圧力を感じる高温であるが、ここではさほどには感じない。日陰に入ると涼しいほどである。汗は瞬間に蒸発してしまうらしく、衣類はからっとしている。

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 これはなんだろう。日陰を提供するが。

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展望台まで歩く。

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 陽関から見た鳴沙山、山脈である。手前にはあちこちに駱駝草がある。オアシスが近いためか密集している。

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 水の流れに沿って、樹木が育つ。建物は葡萄の干し場。
 更に砂漠の奥に行く道か、舗装道路が延びている。
posted by たくせん(謫仙) at 07:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 西域一九九九年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学校で習った王維の詩
詩客舎青青柳色新・・・
想像の陽関とはまったく違いました(笑)

しかし、
西出陽関無故人
なるほどです。

詩の雰囲気がわかりました。
もう一度かみ締めて読んで見ます。

往時の旅人を思って・・・

Posted by オコジョ at 2007年09月29日 11:54
本文にも書きましたが、この写真は陽関の跡で、陽関ではありませんね。
詩の    客舎青青柳色新
は渭城の朝ですから、西安の近くですね。そこから陽関の外に使いに出る人を送る歌、昔の「蛍の光」でしよう。
詩は陽関の様子ではありません(^_^)。

それにしてもこれだけの水が流れているのにはびっくりしました。
なお一週間前に雨が降ったのと言うので、いつもより多いかも知れません。
Posted by 謫仙 at 2007年09月30日 07:55
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