2021年06月05日

明蘭

明蘭〜才媛の春〜
  mei.jpg

 内容は、
 盛家の娘・明蘭は母親の身分が低かったことから、父親から愛情を得られず、盛家の正妻や姉妹たちにも虐げられて育った。
 亡き母の教えを守り、自分の才気を隠して耐え忍び成長した明蘭は、やがて子供の頃に知り合った寧遠候府の御曹司・顧廷Yに見初められて顧家の女主人になり、夫を支え優れた才知を発揮していく。

 宋の仁宗(じんそう)から英宗の時代の物語。
 原題は 知否?知否?應是緑肥紅痩 というのだが、そういう小説があるという。上の説明はその小説の説明らしく、ドラマでは「亡き母の教え」ははっきりしない。

 さて、わたしが原題を一目みて驚いたのは、應是緑肥紅痩は李清照の詞「如夢令」であることだ。だが、内容は李清照の話ではなかった。
参考 李清照

    如夢令   李清照
  昨夜雨疎風驟  昨夜、雨は疎にして風驟く
  濃睡不消残酒  濃い睡りにも残酒は消えず
  試問捲簾人   簾を捲く人に問うてみれば
  却道海棠依舊  却って海棠は舊(きゅう)に依ると道(い)う
  知否      知るや否や
  知否      知るや否や
  應是緑肥紅痩  應に是れ緑肥え紅痩せるべし

 エンデングの歌では、次のように訳している。

  深く睡れど残り酒は消えず
  海棠は咲いたままと言うけれど
  知るや知らずや
  花は散り、残るは茂る葉だけ


 昨晩の雨風で、詞人は庭の海棠の花を心配しているのに、下女は昨日と同じですよと答える。そんなはずはないのに。
 ここは、「花は散り、残るは茂る葉だけ」ではなく、「花は少なくなり、葉がめだつ」と言う意味だろう。

 このドラマは好評のようだ。最近は大勢の美人女優による後宮ものばかり見ていて、いささか飽きてきたが、これもその流れかな。
 周迅が主役の如懿伝でも、李清照の「酔花陰」が出てきた。こう見ると、李清照は現在でも知られた詞人らしい。この主人公は如夢令を思わせるような人生を歩むのだろうか。
 中国では一般に女性を教育することは少ない。その中で李清照は子供のときから文藝に親しんだ。両親もそのように教育した。

 この物語の盛家では娘たちにも教育を施している。他家の男子たちと一緒だ。その結果、明蘭は少女ながら盛一家の管理を任されることになる。
 明蘭は様々な技能を習得しているが、それを知っているのは祖母だけ。なぜ明蘭が盛一家の管理を任されることになったのか、祖母だけが知っている。一時、娘たちの教育係になった女性も明蘭の資質を見抜いていた。

後半は顧家に嫁いだ後の話。本題に入って(?)、おもしろくなってきた。
わたしは別なところに興味を持って見ている。
 宋代は官の給料がもっとも高かった時代。それが元で、国家の財政基盤が危うくなっている。
 夫の顧廷Yは、武官として現皇帝(英宗)を担いだ人物なので、重臣となった。それで広大な庭園付きの邸宅を賜る。周りの官もそれなりに富んでいる。
 夫の本家からは、様々な形で横槍が入る。夫の若いときの財産はほとんど本家や親戚に奪われてしまっていた。しかし、地方には夫の資産が取られず残っていた。
 これらの家産の管理にも盛明蘭は異彩を放つ。
 最後が納得出来るのも良い。

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 概略だが、次のような時代である。
1022 仁宗(在位1022−1063)即位。
1044 西夏への歳費 絹13万匹・銀5万両・茶2万斤となる。平和も購ったことになるが、遼と西夏への歳費は財政を圧迫した。役人の多いことに加え、租税負担層が薄くなり、税収が減ったことも原因で、亡国の道を歩み始める。
1060 王安石「万言書」を奉る
1063 英宗(在位1063−1067)即位。
1067 神宗(在位1067−1085)即位。
1069 王安石、参知政事となる。

 最後まで見たが、王安石は出てこない(名前が出たかな)。員外も出てこない。
 この頃を扱った小説では員外という言葉が多く出てくる。金持ちの意味である。
 金持ちは官位を買った。しかし仕事はなく無給である。定員外の官なので員外という。
 なぜ官位を買うのかと言えば、官になると税を免除されるからである。これにより国家の収入は少なくなっている。これも国力を弱める原因であった。


posted by たくせん(謫仙) at 09:51| Comment(0) | 武侠世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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