2012年05月05日

西遊記3

第十八回
 夕方なのに、三蔵は袈裟が戻ったので出発しようとする。このあたりの三蔵はまるで子供。もちろん次の日の朝出発する。
 烏斯藏(うしぞう)国の高老荘に至る。高太公家に化けものが婿入りしていた。化けものだと判って、退治しようとするが、相手が強い。
 それを知った悟空たちは助けようとする。豚に似た化けものは大食らい以外はけっこう真面目。
 悟空と化けものとの戦いになり、化けものは逃げだすことに。

第十九回
 化けものは本拠地の雲桟洞に入り門を閉ざしてしまう。悟空は一度帰ることになる。
 高太公に「……あの化けものの言うことには、たしかに胃袋がでかくて、食うには食った。いいことだって、たくさんしてやった。ここ何年のもうけだって、みんなあいつのおかげだ、………」家を守って、娘には危害を加えず…で、人聞きが良くないが、悪い奴ではない。
 また戦うことになるが、悟空が三蔵のお供をしていることを知ると、化けものは三蔵に会いたいと言いだす。これが猪悟能だった。三蔵のお供をすることになり八戒の名をもらう。
 ひと月ほどして、烏斯藏国を出ると浮屠山があり、そこには烏巣禅師が修行していた。
 そこでは摩訶般若波羅蜜多心経を授かる。って、この経は後に玄奘が取経して訳したつまり玄奘訳の経。(^_^)。

第二十回
 旅を続けて蓮の花の咲く季節になった。民家に世話になったとき言われた。
 三十里先に、八百里黄風嶺という山があって化けものがごっそりいる。
 大風の中に虎の化けものが登場。悟空と八戒が追いかけたが取り逃がし、逆に三蔵が掠われてしまう。
 山中を探して黄風嶺黄風洞を見つける。主の黄風怪の食べ物に献上されていた。出てきた虎の化けものは簡単に退治してしまう。

第二十一回
 悟空は黄風洞に行き黄風怪と対決するが、黄色い風に負けてしまう。しかも目を痛めてしまう。
 当分三蔵の命は無事とみた悟空たちは、近くの民家に宿を頼む。そこで目薬をさして貰う。朝になると民家は消え失せてしまう。
 悟空は偵察に出かけると、風を平定できるのは霊吉菩薩だけだと判る。(霊吉菩薩という菩薩はいないはず)太白金星に教わり、霊吉菩薩を訪ね、黄風怪を退治してもらう。
 黄風怪は貂の化けものだった。

第二十二回
 夏が過ぎ秋になったころ、広い川の畔に出た。川幅は八百里(450キロ)当然ここにも妖怪が住んでいる。これもまた強敵。観音菩薩にわけを話すと、これが沙悟浄であると判明。従者にさせ、沙悟浄の持っていた9個のされこうべを舟にして、川を渡ることができた。

第二十三回
 秋が深くなったころ富農の家を見つけ一夜の宿を頼む。そこには女主人と三人の娘がいた。西牛貨洲(さいごけしゅう)の土地だという。いつの間に海を越えて別の大陸に行けたのか。
 一行を婿にしたいと言うのだが、八戒以外は相手にしない。
 翌日目が覚めると松柏の林の中。黎山老姆・南海菩薩・普賢・文殊が化けていたのだった。八戒には戒めの文が。このパターンが多い。林の中から八戒の悲鳴がする。

第二十四回
 八戒は悟空にからかわれながら反省し助けて貰い、三蔵のお供をして西天まで行くことを誓う。
 行く手に素晴らしい山が見えた。三蔵は雷音寺が近いのではないかと思う。だが、まだ十分の一しか歩いていない。
 この山は万寿山で、五荘観という道観(道教の寺院)があった。ここには不思議な植物があった。三千年に1回花が咲き、三千年に1回実がなり、三千年たって熟す。つまり、九千年に1回30個だけ実がなる。実の形は嬰児によく似ていて、人参果という。
 そのにおいを嗅いだだけで、三百六十歳まで生きられ、一個を食べると四万七千年も生きられる。
 主は鎮元大仙で48人の弟子がいた。鎮元大仙は大天尊に招待されて、弟子たちには、三蔵たちに人参果を2個与えて接待するように言いつけて、出かけていた。
 一行が中に入ると、もてなしてくれて、特に三蔵には人参果を2個出した。三蔵は形を見て拒否。傷んでしまうのでふたりの童子が食べてしまう。
 これを知った悟空は人参果を採りに行く。実をたたき落とすと、土地の中に消えてしまう。土地神を呼び出し事情を訊き、この実を3個採ってきて3人でたべる。
 鎮元大仙の弟子たちは三蔵に訴える。

 いま中国に人参果という果物がある。形は柿のようなピーマンのような。「岡崎由美先生と行く雲南旅行」のおりに食べたことがあるが、美味しいものではない。栄養価は高いらしい。

第二十五回
 遅ればせながら名前について、わたしはなじみの名を使用している。
玄奘三蔵は三蔵
孫悟空(行者)は悟空
猪悟能(八戒)は八戒
沙悟浄(和尚)は沙悟浄
 統一していない。

 鎮元大仙の弟子たちの言い草に怒った悟空は、人参果の樹を倒してしまう。
 鎮元大仙の弟子たちは三蔵たちを言いくるめ、閉じこめてしまう。
 いつものことだが、悟空を閉じこめても、出入り口の錠など建物ごと如意棒の一振りで壊せるはず。なぜかできない(^_^)。
 今回は簡単に鍵を作り錠を開けてしまう。そして一行は逃げだす。しかし、鎮元大仙が戻るといとも簡単に、「袖のなかの乾坤」で一行を袖の中に閉じこめてしまう。
 罰として悟空に鞭打ち三十回。
 三蔵にも三十回と言い出したので代わりに悟空が受ける。
 夜になると縄をすり抜け、逃げだす。そのとき柳の樹を四本代わりに置いてくる。
 次の日、大仙は三蔵を鞭打つが、それが柳の樹であることが判り、悟空の術を褒める。そして追いかけて、またもや一行を袖に閉じこめてしまう。
 今度は煮え立った油の中に入れようとする。悟空は石を身代わりにして、鍋を壊してしまう。 
 大仙は新しい鍋に悟空を後回しにして三蔵を入れようとする。またも悟空が身代わりを申し出る。

第二十六回
 悟空は「人参果の樹を生き返らせる。大仙は三蔵を放す」という約束をして、樹を生き返らせる薬を求めてあちこちに行く。蓬莱山・方丈の仙山・瀛洲(えいしゅう)の海島・東洋大海の落伽山(らくがせん)の普陀岩、そこで観音に会う。いつもの南海観音なら南海にいるはず。
 観音と共に万寿山まで戻り、観音の浄瓶(じょうびょう)の甘露水で人参果の樹は元通りになる。ここで観音は「三蔵はわたしの弟子」と言うので、南海観音ということになる。
 大仙は人参果10個で一同をもてなす。

第二十七回
 一行は万寿山を出るとすぐに高い山になる。
 山の中で三蔵はお斎(とき)を食べたいと言い出す。悟空は探しに遠くまで行く。その間に、この地の化けものが若い女に化けて「お坊さんにお斎供えたい」近づく。
 八戒も和尚(沙悟浄)も化けものだと判らない。悟空が戻ると、一目で化けものと判るので打ち殺そうとする。化けものは偽の死体を置いて逃げだす。判らない三蔵は悟空を叱る。
 化けものは八十歳ほどの老婆に化けて近づくが、悟空に見破られ、娘に化けたときと同じようになる。さらに老人に化けて近づく。同じようになる。
 三度とも見破れない三蔵は、悟空を破門にする。

第二十八回
 悟空は五百年ぶりに花果山に戻ることになる。荒れ果てた所でサルたちは小さくなって過ごしていた。四万七千ものサルが千ほどに減っていた。猟師や鷹などの敵が多かったのである。それでもサルたちは一目で自分たちの王であることが判ったのは、五百年も生きていたか(生死簿から削られたので不思議ではない)。
 悟空はサルたちに砕石を集めさせた。そして突風で砕石を吹き飛ばし千余の猟師を全滅させた。

 一方、三蔵たちはいつもの如く山にかかる。人家もないところで三蔵はお斎を要求。悟空がいないので八戒が探しに行くことになるが、どこまで行っても人家はない。途中で寝てしまう。いつまでたっても八戒は帰らないので、沙悟浄が探しに行く。その間に三蔵が少し歩いて、宝塔を見つけそこに行く。
 八戒と沙悟浄が戻ってくると三蔵がいない。探すと、金色に光っている宝塔を見つける。
 門前まで行くと碗子山波月洞とある。妖怪の巣窟に違いない。三蔵が捕らえられていることが判り、主の黄袍怪と戦いになる。

第二十九回
 この黄袍怪は強い。八戒と沙悟浄では歯が立たない。
 三蔵は捕らえられているが、そこに黄袍怪の妻が現れた。西へ三百里の宝象国の三番目の姫で、百花羞という。十三年前に掠われたのだった。百花羞は三蔵に文を託し、黄袍怪を騙して逃がす。
 宝象国ではその文を見て百花羞の消息を知り、三蔵たちに百花羞の救出を願う。八戒と沙悟浄が行くことになるが、敵うはずがなく、八戒はさっさと逃げだす。沙悟浄は捕まってしまう。

第三十回
 黄袍怪は百花羞が手紙を書いたと察し、百花羞を殺そうとする。それを察した沙悟浄が手紙なぞないと言いくるめてしまう。
 黄袍怪は納得し、宝象国に婿として挨拶に行くことになる。
 そこで三蔵を虎にしてしまう。驚いて退治使用とするが、三蔵は大勢の諸神が守っているので、傷を負うことはなくが、生け捕りにはされてしまう。
 黄袍怪は酔ったあげく正体を現してしまい、女官を一人食ってしまう。
 白馬は、龍の姿にもどり、黄袍怪と戦うことになる。しかし負傷して白馬に戻る。そこへ八戒が戻ってくる。八戒を説得し、悟空を迎えに行かせる。八戒としてはさんざん悟空の足を引っ張ったので、行きにくいが仕方ない。
 八戒が悟空の説得に失敗し、一人で花果山を降りていく。歩きながら悟空を罵っているのを小ザルが聞いて、悟空に伝える。
 悟空は怒って八戒を引っ捕らえる。

 八戒は何で歩いて山を下りたのだろうか、来たときのようにさっさと空を飛んで帰ればよさそうなもの。
 白馬も、いつもは手綱を引かれ、手綱を縛られたり、草のあるところに連れて行かれ、草を食んだりしている。龍になって戦うような能力が残っていたなら、手綱を引かれなくてもまともに歩けるし、草だって自分で探せそうなもの。
 こうしていつも能力とやっていることが一致しない。三蔵からして、強い意志どころか、子供の使い程度になってしまう。
 まあ西に行ったら、あっちこっち妖怪だらけというのも不思議なんだが、妖怪だらけなのに一般の人は交流ができるのがまた不思議(^。^)。

第三十一回
 八戒は事情を話し、悟空連れ戻しに成功する。
 悟空たちが波月洞に行くと黄袍怪は留守だった。黄袍怪の二人の息子を掠い、公主(百花羞)に沙悟浄を釈放させる。
 八戒と沙悟浄は息子を連れて、黄袍怪をおびき出しに行く。宝象国では息子を投げて肉団子にしてしまい、黄袍怪をおびき出す。
 悟空は公主に化けて黄袍怪を待ち、戦うことになる。黄袍怪が消えてしまう。悟空は天界に行って事情を話すと、調べて奎木狼であることが判った。星官が黄袍怪(奎木狼)を捕らえてしまう。
 悟空たちは公主(百花羞)を宝象国に戻し、三蔵を虎の姿から人の姿に戻した。また西への旅をはじめる。
posted by たくせん(謫仙) at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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