登場人物に田伯光というのがいる。強姦魔で儀琳も襲われるところを令狐冲に助けられる。
田伯光の甲高い声にどこか聞き覚えがあると思ったら、洪七公ではないか。(俳優 孫海英)
向問天がジェベ師匠&鳩摩智だったり(俳優 巴音)
陸柏が魯有脚で (俳優 張衡平)
成不憂が黄河四鬼の何とかだった人で、( 俳優 王文升)
と後に他の物語に登場する人物がけっこういる。まだ気がつかない人もいることだろう。
令狐冲はいろいろあって田伯光と一応協定を結ぶことになった。その後令狐冲は師匠から罰として面壁一年を申しつけられ、華山の奥の洞窟にひとりでいることになった。そこへ田伯光が酒を二瓶担いで会いに来る。
その酒はどこから持ってきたかというと、「長安の謫仙酒楼の地下室に忍び込んで130年物の美酒を2かめ盗って運んできた」というではないか。「二人で楽しく飲もうではないか」。
「長安の数ある美酒の中でもこの謫仙酒は、かの李白も好んだ最高品だ」
ウワー謫仙酒だって。
李白のことを詩謫仙といい、わたしのハンドルネームはそれからとったのだ。意味は仙界で悪事を働き島流しにあった仙人のこと。流謫(るたく)なんて言葉があるが、その謫だ。流刑地がこの人間世界。仙界では島流しになるほどだが、人間界では当然天才である。だから李白を詩の謫仙という。
華山は長安の近くである。この物語はあまり時代性を感じないが、明の初めのころの設定である。都は南京か。長安は重要な地方都市であろう。
謫仙酒楼の地下室にはそれが200瓶あった。残りの瓶は全部たたき壊したので、今ではこの2瓶だけ。これには令狐冲も怒ってしまうが、こんな度はずれた設定が必然性をもってはめ込まれている。
洛陽郊外に聖姑が緑竹翁と二人で住んでいる。ここがなんと、日本の茶室を大きくしたような所。まわりは竹林である。そして簡単な壕に囲まれていて、その壕は境を示す程度のもの。簡素な家は玄関を入ると靴を脱いで上がるが、そこは畳を敷いてある! 壁にあたる所は障子で薄紙を通して外の光が明るい。全く無防備な家だが、住んでる人が人なので問題ない。
なんとも粋な住まいである。このシーンだけで日本の多くの人が聖姑のファンになりそう。
なお、「笑傲江湖2001年版」で紹介した三人娘の衣類はもちろん中国服である。日本の着物の原型であろうか。現在中国服といえば満州の清の服チーパオ(旗袍)を指す。深いスリットは騎馬のため。
漢字辞書を引くとたくは、せ・める、せめとがめ、あやまちをとがめる。
ながす、左遷する、官職を下して遠方に移すとあり、
たく仙人は天から人間界に流された仙人とあります。
大詩人の美称、唐の李白、宋の蘇ショクとあります。
これは自称する言葉ではなくて、他人から言われることばですね。
それを自称するとは図々しい(^。^))。
漫才に天才・秀才なんてのもいましたが…。