2011年08月08日

台湾は独立国ですか?

2011.8.8記
2011.9.2追記
2011.11.11追記

…………………………
2011.8.8記

 このような話は、いつもは雲外の峰に書いているが、問題が限定されるのでこちらに書く。
「三地門1」に付いたコメント。2007年のことだが、

中国ではなく、台湾です。台湾と中国は違います。
ですので、直していただければ、有難く存じます。
                  張

というコメントがあった。
 日本人のお手本にしたいようなきちんとした丁寧な日本語であるが、惜しむらく、言葉が足りない。それで台湾人らしく思えるが、なんともいえない。この種のコメントは政治的背景のある可能性が大きい。しかもこの記事の中には「台湾は中国」とも「中国は台湾」ともいっていないのだ。ブログ名で中国世界といっているだけ。最初はプログラム投稿と思った。
 ポイントは三つ
>台湾と中国は違います。
 当然である。台湾省は中国の一部であって、中国が台湾省の一部ではない。しかし、コメントの意味はそんなことではなさそう。ではどこが違う。
>中国ではなく、台湾です。
 何が? その文中には中国という言葉は使っていない。だから「台湾です」といわれてもそのような語彙はない。ブログ名が「たくせんの中国世界」ではあるがこれは名前。
>ですので、直していただければ、有難く存じます。
 どこをどう直すのか、その指摘はない。もちろんその文中には直す場所がない。

 目次を見ればわかるように、わたしは大陸中国と台湾を区別している。
 「台湾は中国だ。中国の外のような扱いをするな」というコメントは覚悟していたが、「台湾と中国は違います」というコメントは意外だった。当たり前過ぎるからだ。だからその当たり前をわざわざ書く意図を推測して返事を書いた。
 台湾ばかりでなく、大陸中国も書いてあり、香港・マカオ・各国のチャイナタウンも入れる予定。それで、「中国(世界)を台湾(世界)に変えるわけにはいかない」と答えた。台湾世界と書いて西域が入っていたらおかしい。そう伝わったかどうか。本気なら更なる質問があると思い、そのときに質問にそって詳しく説明するつもりだった。だが質問はない。おそらくわたしのコメントを読んでいないだろう。書きっぱなしと思われる。

 台湾と中国の問題は、
2006年 李登輝 −中国最初の民主政治家−
2006年 朱鎔基 −普通に退任した首相−
2006年 仮の都台北
などに書いているので、張さんもそちらにコメントしてくれたなら、問題がはっきりするので、違った答え方をしたであろう。それを中国とは一切書いてない「三地門」にコメントしてきたので、読んでいない、理解していないなと思った。

 以後この名前のコメントはないが、今年になって別な名前で、「台湾は中国だというと悲しむ人がいる」というコメントが入った。
 しかし、悲しむ人がいるかどうかと事実はどうかは別な問題なのだ。悲しむ人がいても事実は枉(ま)げられない。枉げたら悲しむ人がさらに多いはず。

 以下時系列ではないが、
 例えば台湾は中国ではないという。これも、こんなことをここで言及する意図がわからず、「では、国号は、首都は、元首は」と反問することになる。
 わたしは上の「李登輝」と「仮の都台北」をすでに書いており、台湾と中国に言及している。
 台湾の立場は微妙で、いろいろな意見がある。それを訊いても答えない。わたしは次のようにまとめてみた。
 もし投書者が台湾の人であったなら、日本語がこなせない可能性があるので、代筆してこのうちのどれですか、と訊いてみたのだ。

1、国父孫文が辛亥革命で清朝を倒して、中華民国を創立しました。これは全国を制覇できず、大きいながらも地方政権でした。首都は南京です。共産党の反乱により大陸は共産党の支配地となり、中華民国政府の支配地は中華民国台湾省だけになりました。
 このころは中国と言えば中華民国(台湾)をさし、大陸は中共といいました。現在では大陸も中国といいます。
 もちろん南京も共産党の支配地ですから、首都機能はなくなりました。
 いまは台北を仮の首都として、大陸の領土を回復したら、首都南京に首都機能を移す予定でいます。

2、共産党は革命をおこし、中華民国を倒して、中華人民共和国を設立し、首都を北京にしました。しかし、中華人民共和国台湾省だけは、まだ実質的に支配できていません。

3、台湾はもともと、高砂族(高山族と平埔族)の住むところでした。多くの集落の集まりで国体を持っていませんでした。そこをオランダ人が占領し、鄭成功がオランダ人を追い出しました。その後大陸から多くの民が移住しました。清朝は支配しながら、半ば国外扱いでした。明治時代に日本に割譲され、第二次大戦後、大陸からきた中華民国政府(外省人)に占領され、今でも続いています。

4、清朝時代に移住した人々は、高砂族より圧倒的に多く、台湾の中心的民族(内省人)になりました。清朝に支配され、日本に支配され、外省人に支配され、ようやく李登輝さんの改革によって、中華民国の中心民族になりました。しかし、中華民国(略称は中国)の名はそのままです。今では内省人外省人の区別は少ないでしょう。


 これ以外にも、乱暴だが、
5、多くの台湾の人は、中華民国から独立して、台湾国を建国しようとしている。(だから、そのような人にとっては、すでに中華民国は存在しない。謫仙も同調せよ)

6、清は占領地扱いしていたので、台湾が中国領になったことは一度もない。という意見もある。

 まだほかにも意見はあろう。
 ここまで書いてやって、これらに当てはまらないなら自分の意見を…と書いたが、意見を言う人も、国号を言える人もいない。もしかしたら、今まで知らなかったので驚いたのかな。まさか。

 台湾自身が国会で決め憲法に記入すべき問題を、まだ決まらないうちに、外国人であるわたしが勝手に変えるわけにはいかない。台湾政府が決めたら、わたしはそれに従うことになるだろう。まだ決まらないうちにわたしが決めつけてしまっては、今後入国を拒否されかねないのだ。(まあ、わたしなど相手にしないとはいえ)

 さて、わたしの個人的な見解のまとめは、
1 台湾の人が言っているというが、その発言の内容が事実でなければ従う必要はない。だから事実である理由を書いて貰いたい。わたしはきちんとその理由を書いていて、さらに投稿者の代筆までしている。
2 台湾は省名であって国号ではない。パスポートのスタンプやお金にも書いてあるように中華民国という。
3 台湾独立運動があるのは知っている。独立できたら、そのときの国号は「台湾共和国」や「美麗国」などが候補にあがっている。しかし国会議員の半数を制するまでには至っていない。ゆえに現在は中華民国のままである。
4 台北の中華民国政府は、自分の政府が中国の代表で、北京政府は反乱軍だと言っている(台湾人ガイドの説明など)。もちろん本心は違うと思う。
5 わたしが台湾に旅行する前までは、中華民国の略称「中国」と中華人民共和国の略称「中共」とに分けていた。今では中華人民共和国の略称も「中国」となった。
 台湾旅行のときの台湾人ガイドが中国と言ったときは台湾を指していた。

 実際に独立国であることと、政治的に国際社会から認められていないこととは、区別して考えている。
 地理上の中国と台湾、国内政治勢力区分での中国と台湾、国際政治社会での中国と台湾、これが時々混じってしまって、わたしも混乱することがある。
 例えば李登輝さんを「中国最初の民主政治家」と書いたが、そのときはそこまで考えていなかった。張さんから「中国の政治家ではありません」と叱責を受けそうだ。
 先日李登輝さんが起訴された。わたしの聞いた第一報は、「台湾独立を図った」であったが、今調べてみると「公金横領」となっている。聞き間違えだったか。

   …………………………
2011.9.2追記
monaluka-2.jpg
モーナルダオ(1882−1930?)
20台湾ドル硬貨 2001年発行
これには中華民国とある。

以下はウィキのコピーで、内容に関しては確認を取っていません。

中華民國という国名やChinese Taipeiという名称について、20世紀末以降は台湾地域を中心として反発が生じるようになり、李登輝元総統(任期:1988年 - 2000年)を始めとする泛緑連盟の構成員・支持者達が、中華民國という現在の国号を「台灣」という名称に変更しようという台湾正名運動を興している。しかし、「中国の政党」であると自認する中国国民党を始めとした泛藍連盟の構成員・支持者達は国号変更に反対しており、この件に関する国論は二分されている。それと同時に、中華民国の一般住民の国に対する意識も1990年代から変化し始めていると喧伝される。

この様な背景もあり、中華民国政府は2003年9月以後、中華民国旅券に、「中華民国」の正式名称とともに「TAIWAN」を付記して発行するようになった。なお、2004年9月7日に中華民国外交部のスポークスマンは「国交を持たない国に対しては「台湾」を強調することを最優先課題にし、将来的には国交を持つ国との間でも条約文書などで「Taiwan」を使用し、中華人民共和国との混同を避けるようにしたい」と話し、また、「9月7日の時点で中華民国行政院(日本の内閣に相当)は、自国の略称として第一にR.O.C.、第二にTaiwan、第三にTaiwan,R.O.C.、第四にR.O.C.(Taiwan)、第五にTPKM(Taiwan《台湾》、Penghu《澎湖》、Kinmen《金門》、Matsu《馬祖》の頭文字)を使用しているが、陳水扁総統の指示があれば使用順位を入れ替えてTaiwanを第一とする。」とも話した。その為、中華民国の対外的な略称がR.O.C.からTaiwanへと変更される可能性はあるが、仮に変更したとしても政権交代等が発生すれば元に戻される可能性もある。

   …………………………
2011.11.11追記

 台湾では、言葉で言えば台北中心が北京語、その他は台湾語が日常語であった。いまでもそうなのかな。

 先日、日本で活躍しているある台湾出身者にこの名称の問題を話した。その方は台南出身なので、台北の人とは背景が違うが、参考にはなる。
 現在では「中華民国」より「台湾」を使いたがる。独立運動もあるが、一般的には独立までは望んでいない。
 個人的見解は訊かなかった。一般的な台湾の様子である。

 先の第7回武侠迷大幇会で隣に座った台湾の方は、分け方は「台湾」と「大陸」で、「中国」という言葉は使わないようにしているという。
 今の名称でうまくいっているのに、ことさら独立を主張するのは賛成できないという考え方。いま独立を言い立て大陸の介入を招いたら困る。そのうち大陸が経済的に台湾並みになるころになれば、区別する必要もなくなるかも知れない。

 こうなると 「中華民国の代わりに台湾を使っても失礼には当たらない」 ことになる。もっとも国名が変わったわけではないので、あくまでも通称であることを、心の片隅に置いておかなければならない。
posted by たくせん(謫仙) at 07:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 台湾 八十年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この話は、バランスの問題だと思いますね。
本当のことを言うと悲しむ人がいる。だから、隠しておこう。言わないでおこう。
これでは悲しみの拡大再生産です。
本当のことは言わなければいけませんが、ことさら言い立てているわけではありませんしね。
私の持っている地図では、「台湾」と書いてあって、国の名前も「省」の字もありません。
私のまわりの人に聞いてみましたが、台湾の国号を知っている人はいませんでした。数人ですから、これを基準にするわけにはいきませんが、知らない人がいます。
コメントをした人たちも実は知らなかったのではないでしょうか。そんな感じがします。それから、中国というと、中華人民共和国を指すと思っている人が多くいます。それで台湾は違いますよ、と言っているのではありませんか。

李登輝さんのことが報道されたとき、その背景に独立問題が言及されていましたので、それが記憶に残っていたのでしょう。
Posted by mino at 2011年08月15日 20:26
minoさん
いつもながらの的確なコメントですね。
そうですか地図には載っていませんか。いま試しに国名をグー地図で検索したところ、台湾が出ましたが国名はありませんね。ヤフー地図では台湾もでません。
「中華人民共和国ではない」それならコメントは納得できますね。だだそれならそれでコメントする場所が違う。あそこのあの文では「中国」に関する見解を言わざるをえない。わたしのコメントを読んでいれば、そういうことを再コメントできたものを。
李登輝さん、背景説明で独立運動の話がありましたか。しっかり聞いておかなければいけませんねm(__)m。
Posted by たくせん(謫仙) at 2011年08月16日 11:39
この話、私には難しくて個人的な意見はお話できないのですが、経験した事をお伝えしますね。

まず南京町の中華料理店での話ですが、ここは台湾出身のご店主です。
「中国は中華人民共和国で台湾は中華民国だから、違うんだよ」って言っていました。

そして、私の中国語の先生は「台湾も中国なんだから台湾人という言い方は納得できない」というような事を聞きました。

最後に、6月の台湾旅行の時にホテルのロビーで、他の団体旅行の添乗員さんがご自分の団体に話していた話「最近中国人の観光客が増えたのは、トップに立つ人が、中国に媚を売っていて弱い立場だからだ、もっとしっかりして欲しい」なんて言っていました。

観光地の忠烈公司で、以前よりガード固くなっているのはガイドさんによると「中国人観光客が兵士の銃に触ったり引っ張ったりするからです」と言っていました。

Posted by xihuan at 2011年08月20日 10:19
xihuan妹
それぞれ個別に考えてみます。

>「中国は中華人民共和国で台湾は中華民国だから、違うんだよ」
話の流れが正確に判らないと判断できませんが、「中国とは中華人民共和国」という考え方ですね。中華民国は中国ではないと。
わたしも現在の中華民国憲法などを読んでいるわけではありませんが、首都をどう扱っているのでしょう。首都が南京であることをどう説明するのか。それともその建前は引っこめたのかなあ。
わたしは両方とも中国だと思っています。南北朝鮮のような分裂国家説です。

>私の中国語の先生は「台湾も中国なんだから台湾人という言い方は納得できない」
中国語ですと、南方人・北京人・河北人・台湾人なんて言っていますよね。だから、これは日本語でしょうか。
しかし、日本語でも、国籍を意味することと民族を意味することとばかりでなく、地域を意味することもありますから、間違いとはいえないと思います。その先生はそこまで深く日本語を習熟していなかったか。もう一言、それでは台湾人をなんと言って欲しいのか。
日本語の世界もそれなりに難しい。言葉の教師は、国家の建前と現実を区別できなくてはいけないのですが。

>「最近中国人の観光客が増えたのは、…
増えて困ることがあるのかな。その前に外国人扱いですね。

>「中国人観光客が兵士の銃に触ったり引っ張ったりするからです」
 間接的に、「そうしないで下さい」という意味ですね。わたしが行ったときは、そばに立ったり触ったりする人がいましたが、ドンと銃を床に打ち付けて、警告していました。その人は人形と思ってしまったようです。
Posted by たくせん(謫仙) at 2011年08月21日 07:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/219014208
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック