2006年07月09日

蘭嶼9 イモル(紅頭)

 島民が半裸でいるのは暑いからである。深く掘った家に住むのは、暑さしのぎと、台風による被害を最小限にするためである。車が普及していないのは、狭い島なので必要ないからである。
 こう考えてみると、本来は決して貧しくはない。それを電気を知り、きれいな洋服を知ると、貧しいことになるのだ。
 その罪の一部は、わたしのような観光客にもあるといえる。おそらくイモルの住民が、それを最初に味わったのではないか。
 この矛盾は、西洋式文明社会に触れれば、必ず発生する。
 江戸の町は、隅田川でさえそのまま上水として使えるほどきれいな水が流れていた。それをドブ川にして、ミネラルウォーターを買う。
 同じ生活をするのに、それだけ多くの現金収入が必要となってくる。それを豊かになったと錯覚する。だが一度そこに踏み込んでしまえば、気付いても戻ることは難しい。
 都会の色に染まりたい若者に、染まらないで帰って、と歌う「木綿のハンカチーフ」と同じ矛盾が生ずる。
 能書きはここまでにしよう。
   …………………………
 イモルはホテルのある村である。この島の名も昔は紅頭嶼(こうとうしょ)といわれた。
 ホテルのまわりは、水芋田もあれば、タタラもあり、昔風の家もあり、豚や鶏などの家畜もいて、この島の代表は一通り揃っている。それだけに他の村と比べて感動が薄い。しかし、初めて見たときはワクワクしていた。結局、慣れることによって、日常の風景になったのだ。
 いまこうして書いていても、ほとんど二番煎じである。
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 ホテル近くの伝統的な家
 イモルの家はこうしてまわりを塞いでしまって屋根と出入り口しか判らない。これは本来の姿なのか、それとも観光客の傍若無人な視線を避けるためか。
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ホテルの前の海岸、ここでは海水浴ができる。岬の岩のあたりはかなり危険。

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       こうして家畜は放し飼いにしている。

 最後に服装について触れる。
 半裸の褌姿は正装のときも変わらない。女性の服装も大変地味だ。
 三地門(サンテモン)というところに、高山族の文化村がある。ここでは各地の高山族の代表的服装でダンスをすることがあるが、ヤミ族だけは参加していなかった。
各高山族のきらびやかな服装に比べて、余りにも地味すぎ。
 他の部族とはそれほど異質なのだ。アミ族が少し海へ出るほかは、みな山の民である。顔つきも漢族に近い。だが、ヤミ族は舟の模様ばかりでなく、服装も容貌も南方的である。

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 小蘭嶼、おそらく無人島。イモルからはこのようには見えない。どこで撮ったか記憶にない。
posted by たくせん(謫仙) at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 蘭嶼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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