2006年07月08日

蘭嶼8 ヤユ(椰油)

 イラタイからヤユに向かう。
 飛行場を過ぎると、道は海から隔たる。距離的には遠いわけではないが、荒々しい岩が続き、海に下りることができない。
 岩石には詳しくないので、正確に伝えることはできないが、千切れたパンがそのまま巨大な岩になったと思えば、表面の危険な状態を想像できよう。更に植物が密生している。
 雨が降ってきた。登山用の合羽を着てしばらく歩いていると地図にない広い横道を見つけた。そこを入っていくと小さな集落がある。建物は比較的新しいが、しーんとしてあたりには誰もいない。中央の庭にも芋らしき苗が植えられ、大きな共同のトイレも使っている様子がない。廃村のようであった。
 山に抱かれたような位置にあり、海に出ることができなくては、海の民の住むところではない。別荘地としても不自然である。しばらく呆然としていた。
81-18-24.jpg
   雨中の廃村 向こうは山である。

86-17-07.jpg
この写真は別なときに撮った。岬の辺りが飛行場か。その向こうに小蘭嶼が見える。
 気を取り直して、ヤユまで歩いた。
 途中小さいが川があり、橋が架かっている。コンクリートであるが、真ん中が落ちて50センチほどの穴があいている。鉄筋が入っていないらしい。
 ヤユは行政の中心の村である。だが、わたしの記憶から、この村のことはスッポリと抜け落ちている。
 旅館が一軒あったが、名を見たのみで建物の様子は判らなかった。そして珍しいことに公園があった。その向こうは開元港である。港の見える丘であったが、その公園の様子さえ思い浮かばない。
 旅行案内書によると、この開元港に定期の客船が来ている。地元の人たちは利用しているのだろう。
 そうしてイモルに帰ったのであるが、その記憶も全くない。バスで帰ったのか、歩いて帰ったのか。
 これだけの記憶をようやく絞り出したが、実はもう一つ大切な記憶があった。
 わたしはこの島の観光記念にタタラの模型を買って帰ったが、この村で買ったのだった。
 このヤユの村で模型を作っている職人を訪ね、ホテルの半値で買い求めたのだが、どのようにして職人のいることを知り、どのように交渉して買ったのか、とんと思い出せない。
 この時は自転車を借りて往復した。
        tataramokei1.jpg
 槙の一木づくりである。
 長さ34センチ
 高さ14センチ
 幅 10センチ
 横から見るとカーブの様子が前後で異なり、模様はあまり複雑ではない。できは優れているとは言えないだろう。平らな板の上に置いても不安定であるのは、底がきれいに削ってないからだ。
 と、書いているうちに思い出したことがある。
 木は槙と、そこで聞いたのであった。そして未完成であると言っていた。舟の上が荒削りで、そこをきれいにすれば終わりであると。
 だが、ホテルで見た模型も、その部分は荒削りであり、気にはならない。
 この村の写真が一コマもないのはどうしたことか。
posted by たくせん(謫仙) at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 蘭嶼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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