2006年05月29日

碧血剣

 これは桃花島旅行のおりに買ったVCDだ。この形式はDVDとは違うので、DVD機でも、地域コードの心配をしなくてもよいが、CDもみられるのかな。どうなのだろう。わたしはパソコンなので全く気にしなかったのだが。
        hekiketuken.jpg
 CD15枚68元、日本円にして1000円くらい。
 このVCDなどはどのようにして作られるのだろうか。予告編などが入るのはいつものことだが、ときどき「CH1」という文字が出てくる。海賊版だという説も聴いたことがある。極論を言えば、中国に存在するこのてのものに完全な本物というのは存在しないらしい。全て海賊版で、それでどれだけ本物に近いかで値段に差が出るというのだが、わたしには検証する術がない。

 黄日華の碧血剣といえば誰でも判るらしい。
 時代は明朝末期、清軍は長城の外まで押し寄せて、今にも明王朝の中国に革命がおころうとしていた。
 明朝では守りの要となっていた袁崇煥を王朝内の勢力争いで殺してしまう。宋の時代の岳飛に似ている。その袁崇煥には忘れ形見がいた。子どもの袁承志である。この袁承志の成長物語である。
 ただテレビ映画の特徴でかなり改変しているようだ。
 受けた印象は女優陣に花がない。香港という狭い範囲の俳優を使うためか、人材も限られているのだろうか。時代劇には時代劇らしい化粧方法があるのだが、これはそれを無視して、どこかの化粧品会社の撮影当時の流行らした化粧法で化粧したらしいのだ。花がないのはその化粧法のせいではないかと思われる。阿九は美女なのだが画面が暗いせいか、男か女か判らなかったほど。
 夏清清は男装しているとはいえ、化粧した顔はどう見ても女。それをまわりが男と間違えるのは、どうしようもない違和感がある。

 などとマイナス面を言ったが、それを飲み込んで見ていると、それでもけっこう面白い。金庸作というストーリーがしっかりした物語なので、改変してもその面白さは変わらない。
 ただ、その剣は写真のように蛇の形をしていて、ただの棒であるのが滑稽。原作の挿絵は金庸に載せたように棒ではなく剣である。
 終わり近くに出てくる陳円円は、一目見て魅了されるような美人ではない。この箱の女は阿九であるが、これなら一目見て魅了されてもおかしくない。

 なお、判っていながら金庸はわざと無視したことがある。宋から清まで、上流家庭の女は纏足であった。そのためまともに歩くのさえ難しかった。だが武侠小説に登場する女たちには纏足はいない。ありえない設定である。それを言うと武侠小説のほとんどは成り立たない。また、立ち回りは歌舞伎のように型がある。そのため雑技を見ているようだ。そういうことを承知の上で見なければならない。
 というわけで、時代考証は無視しよう。わたしは見てよかったのだが、他人に勧めるのはちょっと躊躇してしまう。

 なお、武侠ものを見るときのわたしのこだわりについて。
 ありえないことでも、物語の設定であればよい。だが設定以外のことは矛盾があってはならない。
 たとえば、春秋時代に鉄砲があってもかまわないが、同時に鉄砲や弾をつくる技術がどこかになければならない。
 主人公たちが空中を飛ぶのはかまわないが、敵に囲まれたときに、空中を飛んで逃げることができないのは困る。
posted by たくせん(謫仙) at 11:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 碧血剣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック