于万亭の西域での暗躍は続いている。
杭州ではようやく文泰来を助け出した。そして西湖での花魁の状元選びとなる。このあたりは時間を取る割には内容はあっさりしたもの。
舟は宝の山と思いきや何もない。
左の方の男たちの先頭が肝煎りの袁枚(えんばい)。まだ若い、40歳くらい。「今年の花魁の状元は…」
乾隆帝の出した物によって、玉如意が状元となる。それでいながら、袁枚たちが乾隆帝の出した物を鑑定するシーンがない。この中に今上(乾隆帝)の御筆があり、万一を心配した袁枚たちは早めに切り上げることになるのだ。それがないと尻切れトンボ。
このあと玉如意は、乾隆帝に文を届ける。「…明日重ねて来れば花床に満つ」。これで参ってしまった乾隆帝は、すぐに帰ってしまう玉如意を追いかけると、玉如意から赤い布に包まれた礫が来る。とっさに白振が受け止めて、乾隆帝に手渡す。
砂糖漬け蓮根(糖藕tang2ou3)と百合(bai3he2)の花。意味は佳偶(jia1ou3)と好合(hao3he2)で、恋人と秘め事。
現代中国語発音ではあまり似てないが、当時はこれで判ったのかな。それとも常套句か。乾隆帝は理解したため、このあととんでもないことになる。
参照: 書剣恩仇録 六和塔の料理
玉如意の琵琶は曲の流れと手の動きが合わない。奏でているのは周邦彦の「少年遊」のはず。
六和塔のつもり(^。^)。上の参照の写真は本物の六和塔
紅花会が乾隆帝を掠って六和塔に押し込めたが、その日か翌日に西域の于万亭に伝わっている。通信手段はなんだろう。狼煙は于万亭には自由に使えないだろう。伝書鳩なら杭州から西域(敦煌あたり)まで何日かかるのだろう。于万亭の登場シーンは引っかかることが多い。
しかも、天山双鷹といわれる陳正徳と関明梅が、その日のうちに西域から杭州六和塔まで駆けつける。二人が西域で登場しなければ問題ないのに。
参照では、皇帝をいじめるのは二日にわたるが、ドラマは一日だけのようだ。周綺の猫も出てくるだけで何もしない。なんのために出したのだろう。
紅花会と乾隆帝(陳家洛の実兄)は盟を交わすが、結局裏切られることになる。
清朝もすでに百年以上続いている。乾隆帝が一人漢人だからといって、清朝を変えて漢人の王朝にすることなどできるはずがない。国体組織とはそんな柔な物ではない。たとえ皇帝が赤ん坊でも国は保てるし、乾隆帝がそんなことをしようとすれば、皇帝を換えてしまうこともする。
陳家洛はそれが判らない。郷試には合格している官的な人物で、江湖的な人物ではないのだ。
そのあと、皇帝は北京に帰り(早すぎる)、やっていることは約定を守らなず西域を侵略する計画ばかり。紅花会は徐天宏と周綺の婚礼騒ぎになる。(その後に紅花会は散り、小説では、北京に向かった者が乾隆帝より先に北京に着く)
于万亭の西域での暗躍。皇帝と陳家洛の会話。北京に帰った皇帝のあれこれ。紅花会の今後の計画。会話シーンがやたらに長く続く。原作にないことを取り入れて、それを説明しようとするとこうなるのかな。