宋青書が周芷若の夫と紹介され、動揺する張無忌。
ここまできても、張無忌は場の空気が読めず状況が判らず、とんちんかんなことをしている。趙敏という参謀がついているから、なんとかなっているのだ。
このあたり黄蓉と郭靖のコンビに近い(^。^)。郭靖の場合はそれでも自己は確立していた。張無忌は状況に流されてばかり、騙されてばかり。趙敏が謎解きをして、ようやく納得している。その趙敏をも味方とは思えきれない。
小説にある明教の示威行動は行われない。
いよいよ、屠龍刀と謝遜を巡る少林寺の戦いの場になる。
戦いの場は少林寺の大雄宝殿前。
一応周芷若が勝ったことになる。負傷した張無忌は自らの傷を治し、峨嵋派の宋青書を治すことによって周芷若に謝遜救出の協力を申し出る。
趙敏には「女の気持ちを判っていない。宋青書を治療してやっても喜んではいない」といわれてしまう。
第三十八集
裏山の三人の長老が守る謝遜のいる地下牢の場所。あたりの景色はとても裏山とは思えない。念のため、
少林寺、この右の山道を登ったあたりのはず。そこは高原の村だった?
表門があれだけ厳重なのに、三神僧のいる裏門は、村はずれの広場なみ。
ここに黄衫の女(楊)が下から登場。
小龍女と同じようにこの薄い布を滑って降りてくる。
丸腰だが、トップレベルの強さ。得意技は軽功。
張無忌は戦いに勝ち、謝遜を救い出す。謝遜には変装している成崑が声で判る。謝遜は成崑との戦いを終え出家する。
黄衫の女(楊)が張無忌と趙敏に倚天剣と屠龍刀の秘密を話す。
滅絶師太の遺言を周芷若が思い出す。第二十三集で書いた内容に追加がある。
屠龍刀と倚天剣は中空になっていて、鉄片が入っている。それには「岳飛の遺書」と「降龍十八掌と九陽真経」を書いた書物の在処が書かれている。
小説では、岳飛の遺書と九陽真経は薄い絹布に書かれている(第五巻P318、ただしこれは模写かも知れない)。
また、P329には、屠龍刀に納められていた武穆遺書(岳飛の遺書)は「薄い黄色の紙束」とある。それでは刀剣を作るとき焼けてしまうと思われるので、ドラマの方が合理的。
第三十九集
屠龍刀と倚天剣は峨嵋派が持っていたが、二つに折れていて、中身は取り出されている。
修復して、倚天剣は峨嵋派に返し、屠龍刀は少林寺に贈ろうとする。
その挨拶をしている間に少林寺の僧と後ろの建物が突然出現したり消えたりする。
まわりの景色は黄山だろうか。前に出た少林寺の景色と矛盾しそう。
周芷若は殷離を見て幽霊と思い、おびえて張無忌に「屠龍刀と倚天剣を盗んで、殷離を殺した」と白状する。
右は武当派の提灯、左は明教の提灯、これでなんと少林寺。施主は周芷若で殷離のための供養。それならなんでこの提灯なんだ。
第四十集
張無忌は周芷若に趙敏を愛していると言って、関係をはっきりさせる。また殷離が生きていたことが判かる。殷離は子供のときの張無忌の幻を求めて去ってしまう。精神に異常をきたしたのか、張無忌が趙敏を愛していると知ったので身を引いたのか。このあたりの判断は微妙。
この後、元軍が少林寺を攻め、総力を挙げた戦いとなる。この時多くの大砲を撃つがこれが爆発する。
あちこちの報告が全て劣勢。皆が集まっていて、何らかの断を下すべきなのに、総大将の張無忌がいきなりたった一人で突撃してしまう。そんな馬鹿な。
張無忌は倒れてしまう。そして趙敏が父に命乞い。汝陽王は張無忌を殺さず引き揚げる。
このあたり、かなり変更されている。
小説では援軍が間に合って元軍を撃退する。
ドラマは趙敏の願いで元軍が引き揚げたことで、なんとか少林寺は守れた。ここで一応ドラマは終わる。
付け加える。
この後、元は草原に引き揚げ、中国は明教中心の漢民族の国になる。このとき、明教は朱元璋に騙され、朱元璋が皇帝となる。国号は明とせざるを得なかった。朱元璋は皇帝になると明教を弾圧し、建国の元勲たちを粛正し、建国の功臣たちはいなくなってしまった。
陳友諒は地方政権ながら独立し大漢皇帝となる(在位期間1360−1363)。朱元璋に滅ぼされる。
…………………………
さて、いつものようにメイキング映像がある。これが楽しみでDVDを買う人もいる。
わたしももちろん楽しみにしている。が、本来これは外に出すべきではない。その矛盾を思いながら楽しんでいる。
これも冬の映像だ。スタッフや俳優は、凍える身体で水に入り風に耐える。大変だと思うものの、それなら暖かくなってからやればいいことなので、あまり同情しない。冬のシーンはともかく、夏のシーンまで冬に撮影し、寒くて大変だったと言われても…。吐く息は白いことが多い。
それから見物客も多く、本番中に画面に入ったり写真のフラッシュを発光したりする。この整理も大変。
全体的には、改編したところはあまり面白くなく、どこか矛盾していたりする。そうは言っても、小説通りにするのは必ずしも面白いとは言えないし。
メイキングも、あまり面白くない。そうですかで終わってしまった。
登場人物
張三豊 于承恵(笑傲江湖−風清揚、神G侠侶−黄薬師)
兪岱巌 張衡平(神G侠侶−魯有脚、笑傲江湖−陸伯)
張翠山 張智尭
殷素素 王媛可
謝遜 臧金生(笑傲江湖−不戒和尚)
常遇春 喬宇(碧血剣−羅立如)
張無忌(少年) 史磊
張無忌(青年) ケ超
趙敏(ミンミンテムール) 安以軒(雪山飛狐−苗若蘭)
殷離(蛛児) 張檬(エンドの演員表には張萌とある)
周芷若 劉競
小昭 何琢言(鹿鼎記−双児)
楊不悔 路晨
ティギス 馬羚(鹿鼎記−韋春花(韋小宝の母))
楊(黄衫の女) 劉詩詩
滅絶師太 王菁華 (峨嵋派の三代目掌門)
汝陽王(チャガンテムール) 涂們(笑傲江湖−左冷禅)
韋一笑 李明(神G侠侶−裘千尺、碧血剣−胡桂南)
説不得 周剛(神G侠侶−ダルバ、あの巨漢だ)
成崑 譚非リン
陳友諒 周暁濱(碧血剣−洪勝海)
空聞(少林寺方丈) 王衛国(射G英雄伝−大理皇帝)
火薬を使った大砲は、北宋の頃から使われはじめ元のころにはかなり普及していたはずです。
最初は音で驚かすだけでしたが、南宋末期には炸裂弾が実用化されていたようです。
黄衫の女の劉詩詩は劉亦菲とはなんの関係もないはずです。劉詩詩は回族の方です。
張檬は芸名で、張萌が本名だそうです。
いつもありがとうございます。
鉄片が入っているのが合理的ですよね。でも桃花島でしたか。ドラマでは襄陽城。そのどこかは判りませんが、焼け野原になって、あるいは城の造り直しがあったりして、判らなくなりそう。まあ、そうならないところにあったのでしょうね。
火薬の入った砲弾がこのころにありましたか。びっくりです。日本では明治時代ですからね。
劉詩詩は確認しようとしても資料は全くなく、疑問形にしておいたのですが、やはりガセネタでしたか、本文も訂正しておきます。
張檬と張萌は悩みました。張萌という別人もいるようでした。仕方なく両方書いておいたのですが、これですっきりしました。
あちこちにある原作との差は、もしかしたら改訂版にあることかも知れません。
もともと原作はSFですから、それなりに合理的にできていればいいようなものの、わたしにはどうしても持っている本を中心に考えてしまいます。
これでドラマの話は終わるわけですが、他にも気がついたことがありましたら、いつでもご教示願います。(^_^)。
全体的に見ますと、前評判が悪かったのに、わたしはかなり高く評価しています。この差はどこから来ているのだろう。おもしろさの点がわたしはずれているのかな。