このテレビ映画は2002年作成であるが、わたしの行く貸しビデオ店では去年の12月に、DVDとして貸し出しを始めた。
ただ題名が「レジェンドオブフラッシュファイター」という、いつものごとく訳の判らない題名だったので、気が付かなかった。
6巻(枚)そろっているが、6巻で終わりではない。配役に出ている砂漠の花カスリーがまだ出てないし。ただ続きはまだ見ていない。
「カスリーがまだ出てないよ!」
「あれは看板です」
なんてことのないよう祈る。原作小説とはかなり違っている。
反清組織紅花会は頭領が亡くなり、天山にいる陳家洛を2代目として安西(敦煌の近く)に迎える。
清朝は紅花会の西域の本拠を潰そうとし、安西書院を壊滅させる。皇帝の秘密を知っていると思われる文泰来の逮捕が目的でもある。
また清朝の高官が回族に重税を課し、武力で従わせようとする。回族の大勢が捕まるが、新たに族長となったホチントンは一人で(総兵の娘李沅芷も協力する)それを助け出そうとする。そこへ紅花会が応援に来て、回族と協力する。なお、李総兵(総兵は地方長官名)は常識人で、ホチントンに好意的。
官軍は回族の聖典コーランを盗み出す。それを取り返そうとする、ホチントン率いる回族軍。陳家洛を頭領に迎えて中原に戻る紅花会。安西から江南に移動する李総兵の一行。中央から派遣された官軍。これらが前後して東に向かう。
官軍の代表は張召重であろう。位は最高位ではないが、武術は超一流。陳家洛の対抗馬である。
ホチントンがコーランを取り返したところまで。
文泰来・駱冰・余魚同の三人が、三道溝に来たところで、文泰来は重傷を負う。ここで鉄胆荘に頼るが、鉄胆荘の主人周仲英の留守中に張召重らに襲われ、文泰来の隠れ場所を、周仲英の息子(10歳)がしゃべってしまったため、文泰来は掠われる。三道溝は安西からそれほど遠くない。嘉峪関の近くになる。
帰宅した周仲英は、怒りのあまり誤って我が子を殺してしまう。そこへ駆けつけてきた陳家洛らと争いになるが、誤解が解け、娘周綺とともに周仲英も文泰来救出に同行する。
陳家洛と皇帝が、琴を奏でて対話するシーンがある。原作では杭州での出来事だが、それをなんと三道溝の近くにしている。そこまで乾隆帝が出張っているではないか。ちょっとムリがあるなあ。このあと杭州に舞台は移る。
地図を見ると判るが、位置は別方向。原作とは事件を前後させたために、こうなってしまったようだ。
日本にたとえれば、青森から始まって弘前あたりが三道溝、乾隆帝はそれから東京に寄らず大阪まで行くのだが、その間事件はないのだ。
徐天宏は三道溝近くの戦いで傷を負い、周綺に治療してもらって、一緒に東を目指すが、途中で周綺の母親を助け弟の敵を取らせるが、これは前後の関係から三道溝から遠くないはず(仇は三道溝のやくざ)。間もなくだからと先に出発するが、次の場面は杭州。そこまでは間もなくではないぞ。
ところで、わたしが一番印象に残っているのは、乾隆帝が出生の秘密を確認するために牢にいる乳母に問うところ。乳母は言葉が話せないようにされている。牢の中は二人だけで、乳母は乾隆帝の話に頷くだけ。乾隆帝はこのあと、涙を流しながら牢から出てきて、牢番に命ずる。
「葬ってやれ、手厚くな」
その間の説明シーンは一切なし。まるで文言文小説のよう。
杭州でついに四兄(文泰来)を助け出す。そこで余魚同は大火傷をおい、命がけで皆を助けて、駱冰の信頼を取り戻す。
乾隆帝と陳家洛は、協定を結んで別れるところまで。この続きがあるはずなのだが、出ていない。エンディングにカスリーなどが出てくるが、本編にはまだ登場していない。
原作では四巻本のうちの第二巻の終わりころ、つまり約半分である。
紅花会の人たちが協力して乾隆帝を拉致し、六和塔に閉じこめ、協定を結ぶのだが、わたしはここに旅行したことがある。
製作
中国電影集団電視製片公司
新加坡(シンガポール)報業控股伝訊公司
台湾中国電視事業股有限公司
演員
陳家洛 趙文卓
ホチントン 関咏荷
カスリー 顔顆思
李沅芷 孫莉
駱冰 陳孝萱
乾隆帝 陳昭栄
回族の族長となった少女(?)ホチントンと陳家洛
二人の初めての出会い。ただし、陳家洛の従者心硯を間にして、二人とも相手のことをよく知っていた。
反清組織、紅花会(こうかかい)の十一番差配「駱冰」と十四番「余魚同」
駱冰は四番差配文泰来の妻、夫妻は久しぶりの再会で、すねて甘えているところ。このあと三人は本隊とは別行動をとる。そこで文泰来は重傷を負うことになる。
原作では主人公たちが安西から東に向かう途中の宿で、重傷の文泰来を看護している駱冰として登場。つまり文泰来は重傷者として登場。
余魚同は駱冰が好きなのだが、駱冰を見るのがつらく、離れていようとする。重要な登場人物。
李沅芷 男装の少女、原作では十九歳。
武術もかなり使える。一流の武芸者たちが、見抜けないのがおかしい。わたしのような凡人は一目見て女と見抜くことができます(^_^)。
安西の総兵の娘、父は安西から江南に転勤になる。三巻まではその移動の途中、まだ黄河に到達する前の出来事が中心。
以下は囲碁ネタです。
陳家洛が一人で碁(?)を並べているところへホチントンが来る。それが一番上のツーショット。
十五路であるが、それでも碁はできる。しかし、この石の並びはもし碁ならば、ど素人。とても観賞に堪えるものではない。
ホチントンが興味を持って覗く。会話は碁のようだが、不可解。占いかもしれない。
たとえばこの段階で「一の一」に三個も石が来ている。碁ならばありえない。
これは乾隆帝。白石をつまんで置く。日本では人差し指の上に中指を重ねて、その間に石を挟む。
当時は身分の高い人が黒を持ったはずだが、その伝統は崩れていたかも知れない。
石の形が一面は平。日本の碁石は両面とも同じように膨らんでいる。
乾隆帝と皇后の碁(?)。この時は乾隆帝が黒である。
なお、碁ならば、ここまで進んで向こう側三分の一ほどに石が全くないのは不可解。
これらの画面でははっきりしないが、当時の中国ではタスキ星に石を置いてから始めた。