2006年05月16日

笑傲江湖

スウォーズマン−笑傲江湖−  妖人東方不敗  楽園の瑕
04.9.18
 スウォーズマン−笑傲江湖−
 わたしのは好きな金庸の笑傲江湖である。4巻並んでいたので、その第一巻を内容も見ずに借りた。前に「スウォーズマン−女神伝説の章」を見たことがあるが、同じかもしれないと思いながら。(妖人東方不敗 参照)
第一回 黒木崖の崩壊
 黒木崖は日月神教の中心地であり、東方不敗のいるところである。東方不敗は小説ではかなり後になってから出てくるが、このこのビデオでは、始めに登場する。
 日月神教で、教主「任我行」へのクーデターから始まる。それから黒木崖から聖少女任盈盈(教主の娘)が誘拐される。そしてその12年後、聖少女が見つかり、そこに主人公令狐冲などが登場し…、と話が進む。
 東方不敗は最大の悪役で江湖では最強の男なのだが、今回も女優がなっている。そして刺繍針で剣と太刀打ちする。
 なお、ビデオではまだ判らないが、小説では、君子剣という立派なふたつ名を持つ令狐冲の師が、なんと一番腹黒い。
 どうやら、基本設定は小説通りで、ストーリーはかなり変えてあるようだ。
最近著者は、いままでの著作を改稿していると聞いた。新ストーリーがこうなっているのかもしれない。
 名前が中国語読み、日本語版でこれでは誰が誰だかなかなか判らない。もちろんこれが正しいのだが、日本語なのに、そこに突然中国語読みが出てくると、なぜか不自然。慣れでしょうな。わたしなどは小説を読んでいるので、そして小説では原則として日本語読みなので、音ではなく漢字で地名・人名を覚えている。故に中国語読みの登場人物が誰だか判らないうちに話が進行する。(小説の誰に相当するか?)
黒木崖  ヘイムーヤ    (地名)
東方不敗 とうほうふはい  (人名)
日月神教 にちげつしんきょう(団体名)
任我行  レンウォーシン  (人名)
と、固有名詞も日本語読みと中国語読みがある。これなら、中国語版の日本語字幕の方が判りやすいかもしれない。(あればの話だが)

 スウォーズマン−笑傲江湖−2
 では、黒木崖に帰った聖女が東方不敗の様子を見て、緑竹翁をつれて家出をしてしまうまで。曲洋と劉正風が秘曲笑傲江湖を演じてその後死んでいくところとか、見せ場はいろいろだが、主人公の令狐冲は脇役で、曲洋と聖女が中心になっている趣がある。とくに聖女の存在感が大きい。
 このビデオは台湾のテレビ劇で、1999年放送の、全54話を、総集編のように再編集したらしい。雁書によれば、作者の金庸はお気に召さず、まだ作成中なのに、同時に大陸でも作らせたという(2001年)。年は、始めなのか、完成なのか判りませんが、参考として。
 個人的な感想としては、いまひとつストーリーが判らず、小説とつなぎ合わせて理解している部分が多い。おそらく、全54話を通してみるとはっきりするのではないかと思うが、はかない夢。このダイジェスト版で足りない部分は、小説で、となりましょうか。
 調べた限りでは、1984年以後少なくとも七回は映画化されている。ただ、93年版「スウォーズマン女神復活の章」は問題。92年に「スウォーズマン女神伝説の章」というのがあって、これが大人気。それにあやかって、復活の章が作られた。解説によると、「もはや金庸原作とは謳いたくても謳えないほど「笑傲江湖」からかけ離れた、別物であった」。「スウォーズマン」と「スウォーズマン女神伝説の章」は合わせて一回と数えています。
 笑傲江湖−2では、東方不敗の苦悩も描かれている。
 武林最高の秘伝書があり、それを習得すると誰でも名手になれる、という前提があって、その秘伝書の争奪戦なんだが、それを最初に実現したのが東方不敗。
 その昔、秘伝書を書いた者は宦官であった。それで、秘伝書の中にどうしても宦官でなければできない技があって、しかもどうしても習得したい魅力的な技……
 もはや、人としての幸せは望めず、決断したとき、愛妾たちを殺してしまったことを思い出して涙を流す。殺されてしまった女たちのことを思えば、とても同情する気にはならないが、思わずしんみりしてしまった。
 小説では前教主任我行は東方不敗が教主の座を狙っていることを知って、知らぬふりをして秘伝書を東方不敗に与え去勢させる。任我行は、それを上回る技を知っていたので、秘伝書はいらなかったのだ。
 そもそも、この世界のおかしさは、たとえば黒木崖をはじめ華山にこもる大勢の人たちの生活費はどうなっているかという問題である。人に知られない山の中に、宮殿かと思えるような大邸宅をたてて、上層部は豪華な生活をしている。下の者は人として扱ってもらえないほど悲惨な生活だが、それは時代を考えれば仕方ないとしても。
 ともかく、何百何千の人が武術訓練をしていれば、お縄を頂戴するのが当然だが、それはともかく生活費は? 旅をしても、宿屋に入って大酒を飲みご馳走を鱈腹食べて、大金をぽんと払って出て行くのだが、その金はどこで都合したんだ? たまには金を得るシーンもあるが、比率からいうと大赤字だ。
 そして、それは「訊かない約束です」
 楽しく読めれば……、ということでしょう。
 別なシリーズですが、開封の劉のお嬢さんというのが、会話に登場しますが、伏線かと思いきや、そのまま音沙汰なし。もっとすごいのは、お茶を飲んでいるとき、情報が必要になって、お茶を持ったまま偵察に行く、置いて行けばいいのに(^_^)。こんな話がわんさかあります。
金迷。
 迷の字、これは中国語でなんとかファンという意味にも使う。金庸ファンは金迷である。
 ところが金の場合は「お金に迷う」つまり拝金主義者を意味する。「武侠小説指南」を読んでいたら、中国人はこうして言葉で遊んでいる話があった。
 わたしの場合は「金庸迷」、間違いませんよう。つまり金庸オタクですな。
 で、金庸の作品をいろいろ分析することを「金学」。たとえば、主人公は親がいなく、師が代わりになることが多い。ヒロインは、まるで、有能なオフィスレディだとか。
 武侠小説は、推理小説・冒険小説・純愛小説というような一つのジャンルですね。ヒロイックファンタシィの一種です。

笑傲江湖3,4 を続けてみた。これは中国語版で日本語字幕付き。
 ストーリーが判りにくいどころが、全く判らない。というのはいきなり話が飛んでしまう。たとえば、聖女が東方不敗にとらえられて、一緒にいるところに、令狐冲が助けに来たと思いきや、東方不敗は別なところで任我行などと戦っている。明らかに途中が抜けている。たとえば、令狐冲がいつの間にか恒山派の総帥になっている。たとえば、いつの間にか五嶽剣派が滅んでいる。小説なら七冊のうち一冊分省略した感じ。こんなところがあちこちにある。
 それから人の名前が、令狐冲も林平之も「リン」。これも分かりにくい。漢字にしてほしかった。
 小説を読まないでこれを見ても、意味が判らないと思う。
……………………………………………………

04.1.4
 妖人東方不敗
 金庸の「笑傲江湖」の第6巻「妖人 東方不敗」を読んだ。再読である。東方不敗は登場すると同時に死んでしまうのだが、存在感は主役級。この武林最強の男はなんと妖人なのだ。妖人を辞書を引くと「妖術を使う人」とあるが、普通は女形などのイメージらしい。
「スウォーズマン−女神伝説の章」というビデオを見た。副題が「東方不敗」、そう笑傲江湖の東方不敗を主人公にした映画である。主役(東方不敗)は林青霞(ブリジットリン)という美女がなった。これが最強の男(?)なのだが。原作とは全く違った展開になっている。
 金庸小説には日本人は登場しない。しかし、この映画には忍者団が登場する。しかも結末は、令狐冲と任盈盈が、江湖の争いから逃れるため、日本に向かうところで終わる。この映画が作られた1992年ごろ、香港では日本をそのような目で見ていたのだろうか。
 なお、このての香港映画は、観客が原作を知っていることを前提として作られる。そこで、どうアレンジするかが話題となる。いきなり見ると、ストーリーが判らず、???で終わる可能性があるそうだ。わたしも、今ひとつストーリーが?
 わたしが金庸小説を好きなのは、正邪が複雑で一筋縄ではいかないところなのだ。イラク戦争に譬えてみよう。
 アメリカはテロの報復として、イラクに進軍した。そして、短い時間で、イラクを占領した。その時、アメリカのあるところでは、アメリカの石油資本が集まって乾杯していた。
「これでイラクの石油を独占できる。ビルに体当たりした飛行機代は安くついたな」
 だか、なかなかイラクは定まらず、石油の独占が進まない。
 スイスでは死の商人たちが集まって、いかにイラクのテロ組織に武器を手渡すかを協議していた。
「早く戦争が終わってしまっては、もうけが少ない。しかも廃棄すべき旧式の武器が、まだアメリカ国内に残っている。爆撃という形で、無料で処理してしまいたい。まだ終わっては困る」
 メンバーは、アメリカ大統領やイラク大統領側近を含めた、安全保障理事国代表や武器の商人たち。どうも北朝鮮も一枚噛んでいるらしい。
「なに、費用が少ない? そんなもの小泉を脅かせばいくらでも出す」

 不謹慎な譬えで申し訳ないが、金庸の小説は、そのくらいのスケールで正邪が入り乱れるのだ。
……………………………………………………

03.6.21
 楽園の瑕(きず)  原題 東邪西毒
 金庸小説「射chou19.jpg英雄伝」の登場人物の東邪・西毒・北丐・南帝のうち、東邪・西毒・北丐の三人の若き日の物語である。だが原作にはなく、映画のための新案である。
 まるで黒沢映画のような、西部劇のような、難解にして複雑な背景を持っており、二回見たが意味がよく判らない。
 ところは砂漠地帯のオアシス、そこで殺し屋の斡旋をする西毒、毎年春に訪ねてくる東邪というのは判るのだが、ここで二回とも眠くなってしまう。
馬賊との決闘など映像が流れて、よくわからずに決着がついてしまう。
 豪華キャストだが、お奨めとは言いがたいビデオでした。
posted by たくせん(謫仙) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/17880228
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック