映像の美しさは、絶品といえよう。回想シーンで出てくる桂林・広大な宮殿・戦場の砂漠・衣装、いずれも印象的な美しさ。お馴染みのあの章子怡(zhang zi yi)も出ている。
秦の始皇帝暗殺をテーマにした、おとぎ話といえよう。おとぎ話といえ迫力はものすごいものがある。従来共産中国では、始皇帝を高く評価することはなかった。その価値観が逆転したのか。
大軍
大広場や戦場を埋め尽くす大軍は人民解放軍が協力した。この大軍が一斉に矢を放つとまるでイナゴの大群襲うように空が暗くなる。趙の国を襲う秦軍のすさまじさ。
余談だが、中国では現在でも軍にはいると戸籍は抹消される。
内力
暗殺者たちはみな強力な内力の持ち主で、水面を走ったり空を飛んだりする。演技過剰な決闘もみもの。なんと始皇帝も内力の持ち主で、暗殺者と決闘する。始皇帝はいつ内力の修行をしたのだろう。
砂漠
秦の都を一歩出ると広大な砂漠地帯になる。敦煌あたりで撮影されたようだが、「グリーン・デスティニー」と同じで、あり得ない設定だ。そのようなところではあの大軍は養えず、宮殿を建設することは不可能。
不気味
始皇帝が、暗殺に失敗した暗殺者を許そうとする。それを部屋を埋め尽くした臣が、声をそろえて殺すよう請願する。これは不気味であった。マスゲームではない。とっさの会話である。それを数百人の臣が一斉に同じ言葉を声をそろえて言うのだ。鳥肌が立った。
というわけで、最後に書いたことを除けば美しさを堪能した映画でした。