朝のうちに桃花飯店にチェックインし(できなかった部屋もある)、大きな荷物を置いて、バスで射雕英雄伝旅游城まで来る。バスは返した。普通は待っていてくれるらしいが、我々は時間がかかる。待たせるわけにはいかない。
ここは射G英雄伝の撮影のためにつくられ、そのままテーマパークとなっている。もっとも好きな人でないと面白いところではない。平日でもあり空いていた。
ここはテーマパークみたいなものだが、僻地とは言わないまでも田舎にあるので、ディズニーランドを思っては困る(^_^)。
射G英雄伝の撮影所の跡というのが正しい言い方だろう。もちろん桃花島は自然景観は前から観光地であり、金庸さんもそれを利用したわけだな。
田舎とはいえ、島内にはホテルも多くあり、外国人にも困らない。
一応入場料は取るが、アトラクションがあるわけではなく、案内人がいるわけでもなく、ファンが勝手に楽しむ。逆に言えば知らないと何も面白くない(だろう)。これらの建物も、あのシーンで使われた、このシーンであちらから撮ったのでは、ここはワイヤーアクション。なんてことをいいながら歩いている。
射雕英雄伝旅游城では、わたしたちは四時間ほど見学していたが、普通は一時間もあれば一回りするらしい。
お金を使う所は、弓を射たのと、コスプレ(わたしはしなかったが(^_^))、それから昼時には、軽食くらいはできるようだ(門外)。土産物屋でお蓉ちゃんのキーホルダーを買った。十五元だったか。
金庸作品一作のため、専用の撮影所をつくり、観光地にする。たいしたものだ。
射G英雄伝−桃花島− 射雕英雄伝旅游城や桃花塞 など
天龍八部 −大理市− 大理天龍八部影視城 など
神G侠侶 −浙江省− 浙江象山神雕侠侶影視城(九塞溝は撮影所はない) など
この中で大理天龍八部影視城と神雕侠侶影視城はアトラクションなども行われているようだ。
まず門を入りその二階に上る。写真では判らないが例のごとくGの代わりに雕の字が使われている。
ここは入園料が38元。
門前の左側にある案内板。ちょっと高低差を強調し過ぎている。
左下「コ」の字形をしているのが門である。そこから入って、牛家村の門。そして、曲三酒店や楊鉄心の農家などがある。続いて蒙古パオ。
池の畔に東邪船埠。池に沿って左に歩くと杭州(臨安)市街、右の方に水(しゃ)、帰雲荘(右の方の中庭のある家)など。
右山上は黄薬師庄。その右に少し離れて小さいものが、黄蓉のお母さんのお墓、ここも舞台としては重要だ。
左山上は寺なのだが、撮影用。南帝禅寺といい、南帝といわれた元大理国皇帝一灯大師の寺。ちなみに「天龍八部」の段誉の孫になる。
山の上を手前に来て、積翠亭。桃花塞の積翠亭と同じつくりである。
まずは牛家村の門のようなもの。正しくは門ではなく村の中心らしい。射G英雄伝の物語はここから始まる。
この右手に的場がある。
江湖の英雄たちは、ここで弓を引いてみた。10元で12本。
日本の弓は弓の右に矢を据えて構えるが、ここの弓は左に矢を据える。そのせいか12本のうち10本が的一個分左にずれてしまった。2本あたった(^_^)。
牛家村の門を入ると曲三酒店、黄薬師の弟子曲三(曲霊風)が不自由な足で営む。足が不自由でも、皇宮に入って優れた芸術品を見つけると、黙ってここの秘密の部屋に移す。師黄薬師のためだ。その秘密の部屋は確認できなかった。曲三には知恵遅れの娘が一人。
続いて、楊鉄心家の作業場。農家なので農作業の道具である。
楊家といえば槍の名門を思い出す。楊鉄心も槍を得意とする。楊康の両親の家だ。楊鉄心の妻の名は包惜弱といい、趙王完顔洪烈(ワンヤンこうれつ)に掠われ、王妃となって楊康を産み、王子として育てる。農民でありながら、飼っている鶏を潰すことができない。あまりに心の優しいのも罪だという人もいる(えまのさん)。
郭嘯天(かくしょうてん=郭靖の父)の家はなかった。
ついでに言うと、郭嘯天の妻は李萍というが、夫の名前も知らず嘯夫と呼んでいる。文字も知らない。ドラマでは位牌に郭嘯天と書いてあったので、一応名前は知っていたことになる。文字も知っていたことになる。烈婦だ。
村はずれに蒙古パオ。
この壁はコンクリートであったが、もちろん本物の蒙古パオは移動可能である。
下はパオの中。チンギスハーンが座った席か。
池の脇の岩に金庸先生の揮毫がある。なおここでは一年中桃の花が咲いている。
岩の色までが桃色(^_^)。
下の東邪船埠の桟橋は板が新しく情緒がない。ここから帰雲荘まで水上を走っていくのが本来だが(^_^)、できる人は残念ながらいなかった。
東邪とは黄薬師のこと。
杭州(臨安)市街とその後ろの小高いところには黄薬師庄。
市街を池側から見た様子は帰雲荘か。帰雲荘は太湖の畔にたつ。それも当然で帰雲荘は湖賊の屋敷。
帰雲荘の建物の一部、この右手に母屋がある。なお奥の建物は仏堂で礼拝した人もいる。
水、これは天龍八部の「あ碧」の水か。
「しゃ」の字は地図のところでいったが木偏+射。この文字を入れると、全文文字化けしてしまう。これだけひらがなを使っているのに、その一字で中国語コードになる。(有問題) ここでは作字して入れてある。
臨安の街で、貸衣装を着ての太極剣の演武。
右手は剣。刀より剣が高貴とされた。身分の高い人は剣、兵は刀が普通。日本の刀は細身で剣に近い。
左手の構えは剣訣という。
下は勢揃いした江湖の英雄たち。
桃花島の名のもとになった(?)桃花石。化石だがあちこちにある。石の階段までこの石が使われていたりする。
帰雲荘は黄薬師の弟子陸乗風の屋敷。陸乗風も足が悪い。
黄薬師には弟子が4人いた。曲霊風(曲三)・陸乗風・陳玄風・梅超風。
陳玄風と梅超風が駆け落ちし、そのとき九陰真経を持ち出してしまった。二人を心の内では認めていた黄薬師も、それを怒って、曲霊風と陸乗風の足を折って追い出してしまう。
曲霊風と陸乗風にとってはとんだとばっちりだが、なんとか黄薬師に許してもらおうとしている。そんな理由で足が悪いのだ。
なお湖賊であるが、なんでも襲うというわけではない。
射G英雄伝の続編「神G侠侶」では、4人の弟子のほか、馮黙風・武天風という二人もいたことになる。
馮黙風は鍛冶屋として登場する。江湖の交わりを断って30年、その間の江湖の事情を知らない。
馮氏(ふうし)の墓。桃花島の島主黄薬師の妻であり、黄蓉(お蓉ちゃん)の母である。馮氏は暗記能力が優れ、武芸はできないのに「九陰真経(下)」を一読して暗記してしまう。これを筆記したので、桃花島に「九陰真経(下)」があるのだった。
陳玄風・梅超風が駆け落ちするとき、これを持ち出してしまう。馮氏はもう一度再現しようとするが、時間もたっていて、完全に再現できず、その苦労で体をこわし亡くなることになる。
なお梅超風は若くはないはずだが、大河ドラマでは若くて(俳優の実年齢は近いようだ)美貌の、目が見えず足が悪い恐ろしい女として登場し、人気が出た? 黄蓉との出会いのシーンでは「桃花島のお嬢様」と低頭。
この俳優の本職はダンサーで、世界的な有名人。日本でも公演した事があるが、知らず見に行きそびれた。
黄蓉は幼くして、母とは死に別れ、父と聾唖の召使いによって育てられた。
この扉は動かすことができ、こうして中に入れる。ここで郭靖の師匠江南七怪のうち5人が死ぬことになる。
ドラマとはかなりイメージか違う。ドラマでは墓の前は広々としていたし、山の下であった。中ももっと広かった。実際に撮影に使われたのとは違うようだ。
下 八卦堂であろう。桃花塞の「碧海潮生」が「碧海潮聲」となっている。正面の階段を登ると碧海楼。
上 碧海楼
ここは黄薬師の住まいになる。
黄薬師は建築家としても優れているのだが、財力もさりながら、工事する人はどうやって集めたのだろう。家ばかりでなく、島全体を巨大なからくり庭園とするのだが? これは訊かないのが江湖の仁義だろうな。
碧海楼の正面。
黄薬師は古今の名品を集めた。その鑑賞眼も確か。その薫陶を受けた黄蓉も鑑賞眼を持つ。曲三が皇宮の名品を盗み出したのも、黄薬師に献上するため。
碧海楼の脇に建つ黄蓉楼、2階建てであった。
下の写真中の写真はあちこちにあるが、ガラスが反射してなかなかきれいに撮れない。
わかりにくいが、お蓉ちゃんの筆の持ち方に注意。日本では筆先は指の方向だが、中国では手首の方に向ける。
左は黄蓉を演じた周迅が黄蓉楼の前で。撮影の合間だろうか。
上 一階正面。ここは公式な場所であり、多少厳めしさもある。来客は来るはずがないが、建前として来客を予定しているか。
中 黄蓉楼の一階右側。趣味のよい調度が並んでいるではありませんか。
下 これは二階だったかな。こう見てみるとやはり女の子の部屋ですね。
ここは台所。がらんとしていて、とても料理できる雰囲気ではない。上の写真はお蓉ちゃんが台所を覗いたところか。
普通、料理は召使いがやるのだが、黄蓉は自分でもできた。しかも名人。
中国料理の特徴は鍋一つ器一つでなんでも作れることであろう。
前に聞いた話だが、中国とソ連の間に国際列車が走っていた。そこの食堂車は中ソ2輛あった。中国車はわずかの料理用具で、狭いところでいろいろつくるが、ソ連車は車輌の半分が食器置き場だった。そのため頼んでから出てくるまでかなり時間がかかったという。今ではどうなったことか。
積翠亭への路。こう見ると日本の野原と変わらない。
積翠亭から見下ろす。
左の建物は帰雲荘。これは(物語では)焼け落ちる。後に別な場所に再建するが、それは続編の神G侠侶での話。
池はかなり水が少ない。右が水、左が船着き場。もちろん湖水の上にあるべき。
積翠亭から外に目を転じると江南の春。まるで日本を思わす菜の花畑。
海に面した堤防の内側は養殖場のようだ。
桃花島 4 に続く
ファンなら、もう少し深く読みましょう。お蓉ちゃんは決してわがままじゃありませんよ。
気配りができて、他人を思いやる気があって、その場の状況を的確に判断できる。
頭がよいので、つねにリードしようとする。それがわがままに感じられるかも知れませんが、わがままとは違いますね。
それからあなたが本当に中2なら、もちろん大人でもそうですが、初めての書き込みに「俺」はいけません。僕または私を使うべき。それでは語調が会わないなら、語調を変えるべき。
親しい知り合いならば、これでもかまいません。
基本的な礼儀ですよ。
中2とは、おそらく「中2病」のことだし、それなら俺でもかまわない。
わたしの文の内容に漂う雰囲気に合わせて書いてくれたようなのに。