2024 追記
説明だけでは判りにくいと思うので、桃花島の地図を入れます。
地図の上の方に上陸した港があります。
バスに乗り桃花塞に行く。
このバスはタクシーとバスを兼ねている。
停まっているバスに行き先を告げるとそこへ行ってくれる。ところが途中でお客を拾って下ろす。
全てのバスにこの絵が描かれている。
左は射G英雄伝の黄蓉と郭靖、黄蓉は桃花島主黄薬師の一人娘である。この時は16歳くらい。金庸世界の中で最も好まれるカップルであろう。
右は神G侠侶の小龍女と楊過。神G侠侶は放映が始まったばかり。二人は黄蓉郭靖の子どもの世代である。このカップルは金庸世界では最も壮絶な愛を貫く。
小龍女に劉亦菲を当てただけでもヒットが約束されたといえよう。劉亦菲は今年(06)20歳になる。世間知らずだが強烈な意志を持つ美人のイメージにぴったり。天龍八部の王語嫣を演じた。
いよいよ桃花塞に入る。このあたりを桃花峪景区といい、桃花塞休閑村として利用している。入園料35元。
門柱には、右に桃花影裏飛神劍、左に碧海潮生吹玉蕭とある。
桃花影裏飛神劍は桃花島(黄薬師)の剣技の名である。碧海潮生吹玉蕭は碧海潮生での潮の響きをいうのか。これについては碧海潮生のところで詳しくいう。黄薬師は笛の名手でもある。
門から入るとこの道を通って、峪に降りて行く。この右側には自動車道があり、帰りはそこを通った。なにしろ荷物が重い。
受付で部屋割りをもらう。
園内にこのような小さな建物が続いている。これは「蓉児苑」であるが、わたしたち男三人は「欧陽府」であった。毒物じじいの部屋だ。
こうして金庸小説の登場人物の名が使われ、それに苑・府・閣・屋・寓・院・軒・舎・室がつく。その部屋の形を表すらしい。ちなみに閣が一番大きいようだ。
それぞれ自分の部屋に荷物を置いて、園内の見物である。
まず目につくのが小高いところにある「試剣亭」である。これは大河ドラマの撮影に使われた。ここを目指して歩き出す。
その前に絶景、弾指峰を見る。
驚くほどに高い。こここそ、この地域の最高の絶景であろう。黄薬師はここで修行したという。英語の説明文にはMr Wangと書かれていたが、Huang であろう。 uが先頭にくるとWと書く。
試剣亭に至る。
園内が一望できる。真ん中あたりに見える建物群が「黄薬師山庄」。向こうの丘の上に目立つのが「積翠亭」、見にくいがその左が園の入り口。
黄薬師山庄のうち蓉児房。房は部屋のこと。
黄薬師山庄の文字は簡体字で書かれている(^_^)。
これが門になり、奥に見えるのが書斎である。
手前に八角のあずまや八卦堂があり、その左後ろが門、その奥が書斎、右に曲がって歩いていくと正面に見えるのが2階建ての黄薬師の住まい、左のここからは横壁が見えるのが黄蓉の住まい蓉児房である。
設定では大勢の召使いがいるはずだが、その部屋はない。
次の日に行った射雕英雄伝旅游城にも二人の住まいがあり、撮影にはそちらが使われた。そちらには台所もある。
ここは欧陽克が求婚に来たとき、黄蓉を求めて郭靖と争ったあと、話し合いの時に使われている。八卦堂で話があり、そのバックにはこの黄薬師山庄の全体が写っている。また反対側から見た海のシーンもある。その前に部屋の中のシーンがあるが、ここの建物を使ったようだ。
なおその前に黄蓉が郭靖と島に戻ったとき、黄蓉が寝泊まりしたり黄薬師と会ったりするのは射雕英雄伝旅游城の黄薬師山庄を使っている。建物の様子がまるで違う。特にその前の道や植物がことなり、山の中腹であった。こちらは見たとおりの平地である。
海岸を歩いているとこんな奇岩があった。
左上「碧海潮生」(へきかいちょうせい)門のところでちょっと触れた。
右上「含羞観音」バンフレットから取ったので色合いがおかしい。
左下「東海神珠」近くに龍女伝説がある。
右下「煉珠洞」 名前負け?
碧海潮生は潮が引いているが、満ちてくると中の二本の柱のような岩の下の部分が隠れる。このあたりの波の音が、玉蕭を吹いているように聞こえるのであろうか。
黄薬師は当然だが剣の名手で、その剣技は「桃花影裏飛神剣」という。しかし弟子たちには伝えたものの、自分は剣を持たず、常に長い縦笛を持ち歩く。それを剣の代わりにして適当にあしらうのだが、実は笛そのものが武器。笛の音で相手を倒す。ただし、西毒(は琴の音が武器だが、得意は毒物、故に毒物じじいという)など高手には通じない。
その笛の曲の中に「碧海潮生曲」というのがあり、これは聞くものに淫欲を起こさせ苦しめる。奇岩「碧海潮生」を見て納得しました(^_^)。わたしのような凡人は曲を聴かずとも淫欲を起こしそう。
なお郭靖は曲を聞いても苦しまない。子どもだから。しかし間もなく18歳だぞ(^_^)。
含羞観音は、岩に挟まれた、人一人が入れるくらいの狭いところ。その奥に縦に細長く観音像が見えるというのだが、名前から考えて…、そばに煉珠も有ることだし…。思わず横を向いてしまう(^_^)。
積翠亭、ここも撮影に使われている。黄蓉が旅行中の話を黄薬師にしたのはここ。この屋根の上で郭靖と毒物じじいが争い、欧陽克と洪七公が争った。
この島は黄薬師たちだけが住んでいたのであり、奇門五行の術によって仕掛けが施され、樹木は諸葛孔明の八卦陣に植えられ、余人にはうかがい知れないところである。周伯通(老頑童)が閉じこめられているわけではないのに、洞窟から出られなのはそのためである。老頑童の元恋人が長年高等数学の勉強をしているのも、この島に入って老頑童を助け出すためであった。
そんな島でいちいち名前など書く必要はないと思うが、中華の習慣に従ったのか、原作ではなかったものを観光客用に書いたものか。
なお、諸葛孔明は軍事的には無能な人物で、その八卦陣などたいしたことはないと思うが、黄薬師が考えて、孔明の名を付けたのでしょう。
黄蓉はアイドルにして、主人公ともいえよう。主人公郭靖からは「蓉児」といわれる(翻訳ではお蓉)。洪七公のあとを継いで乞食党の党首となる。この時16歳くらいだった。
武術をはじめ、戦略・料理・数学・音楽・書・画・詩詞・薬学・語学・物理に秀でる。
残念ながら碁は出てこないので、打てるのかどうか。黄薬師は碁を打てた(知っている)。お蓉ちゃんも打てたはず。それからお蓉ちゃんは動物の生殖は不知(^_^)。黄薬師は一年中桃花島に桃の花を絶やさないほど生物学に詳しい。
夕食は蓉児餐庁で食べた。ここの唯一のレストランである。
黄蓉は特に料理が得意で、この蓉児餐庁の名はそこからきている。
宮廷料理さえ食べ飽きるほどの洪七公が、黄蓉の料理に誘惑され、郭靖に降龍十八掌を教えるほど。もっとも洪七公は承知の上で騙されても知らぬふりをするのだが。
写真の黄薬師は紹興酒の銘柄。料理は海産物が多い。右上は太く腰の強いうどんのようだった。海老は殻を剥いてないので食べにくい。どういうわけか中国では海老は殻ごと料理する。調味料でべとへとになった海老を手を汚して剥かねばならない。この海老はべとべとになっていないのでよかったが、小さくで剥くのがめんどうだ。
他にも大勢泊まっているはずなのに、わたしたち以外で食事にきたのは二人だけだった。
魯達さんは、「中国人は、自分で食べ物をもってきてそれで済ますのが普通、カップラーメンで済ますことも…」、と言っていた。
翌20日の朝、朝食前にもう一度「試剣亭」まで登ってみた。弾指峰の方角だが、どれかはっきりしない。
岩の上に黒い点が見える。じっと動かないので、岩が黒いのかとも思ったが、パソコンに移して見ると鳥だった。
神Gではなさそう。
ここは「危険」なのだが、別に危険ではなさそう。左の岩山には防空壕が掘られている。入り口の壁に「1986年1月11日桃花営」文字があったが、そのころの軍事基地の跡か。
3日目、朝食後に桃花塞から例のバスに乗って桃花飯店に向かう。
休閑村の事務所と桃花潭。ここでチェックアウトをする。
何人か、竹製の筏舟に乗って内力で動かそうとしたが、修行が足りなかったようだ。
桃花島 3 に続く