先の横店などの旅行のおりに買ったDVDである。張Pものとは異なりかなり改編されている。中文字幕・普通話音声で日本語がないため、わたしには半分も理解できないが、なんとか判ったところを書いてみる。
一枚目
雍正帝の崩御から物語が始まる。乾隆帝の即位がある。続いて海寧陳家では当主が殺される。これだけ見ても小説とはかなり構成が違いそうな予感。
文泰来と駱冰が官兵に襲われ、文泰来が重傷を負ったところを陳家洛が助ける。なんでここで陳家洛が出てくるんだ。
で、陳家洛は家に帰り、于万亭に預けられることになる。時系列はどうなっているんだろうと思っていたら、文泰来の傷は小説とは関係ない傷だった。
即位した乾隆帝
1711年生まれ1735年即位。そのときは24歳ほどである。それなのに首筋などに年が現れ、どう見ても50歳は超えている。
陳家洛は于万亭と西域に行く。そして袁士霄に師事することになる。小説では名前だけしか出てこない人物。
三年後、ホチントンの練兵を見て話をする。その後、ホチントンと練習試合をしたりして、かなり親しくなっている。設定が違いすぎる。
ホチントンは、ホ姑娘とかトン児とかチントン小姐とか呼ばれているが、ホは名字ではない。トンもチントンも名ではない。漢字表記で、漢語で会話するため、こうなるんだろうな。
于万亭は紅花会作りをしている。例えば余夫婦を殺し、親切面して子供の面倒を見る。その子供が余魚同で紅花会に入れる、というやり方。
この于万亭は九爺と言われていて、皇帝の叔父。宮廷にも時々密かに顔を出す。
反清組織紅花会をつくりなにやら画策している。−宮廷を追放されているがもとに戻せ−、といったところか。
翠羽黄衫と呼ばれるホチントン
ここでは頭の翠羽がないがいつも黄衫を着ている(はず)。
天山双鷹の陳正徳など、とても武林の高手とは思えない体つき、儲かっている小さな商店の主といったところ。西域の高手三人、袁士霄と天山双鷹は喜劇の人物。昔の香港武侠。
ようやく本題に戻り、李沅芷が手習いの師匠陸菲青を武林の高手と知り師事することになる。
七族盟書が清に盗られホチントンたちが取り戻すが、これは小説ではコーランだ。
ここまで変えられると、整合性が保てるか心配になってくる。すでに同じ名前の登場人物を使った翻案ものといったおもむき。もう「書剣恩仇録」というより「新説書剣恩仇録」とか「異説書剣恩仇録」だ。
いま第五集だが、ここまで見ただけで、日本語版を買う気がしなくなった。
どうもわたしは、ドラマを小説の補助としてしか見ていないようだ。他人事みたいな言い方だが、独立した作品とは考えられないらしい。
登場人物1
陳家洛・福康安 −喬振宇(鹿鼎記−鄭克爽)
乾隆帝 −鄭少秋
于万亭 −劉徳凱(小説では故人、このドラマで九爺ともいわれる現役)
ホチントン(霍青桐)−周麗淇(日本語小説はカタカナ名だった。演員表では「霍青銅」字幕は霍青桐。小説原文はどちらか。回族名を漢字表記したのでどちらでも良いのだが、統一して欲しい)
文泰来 −劉乃芸
李沅芷 −路晨 (倚天屠龍記−楊不悔)
陸菲青 −菫志華
駱冰 −斉芳
余魚同 −呉浩康
周綺 −李呈媛
袁士霄 −梁家仁 (陳家洛の師傅(shi1 fu)=小説では師父(shi1 fu))
関明梅 −元秋
陳正徳 −黄一飛
張召重 −李東霖
従者の心硯がいないがどうしたのだろう。
…………………………
乾隆帝と福康安(乾隆帝の庶子、非公開なので名字が異なる)が碁を打っているところ。これを見ると中央志向。
福康安が得意になっている時に、乾隆帝は、「よく見なさい、お前はここに打ったが…」布石がどうだとか、このスミはお前が入ってくるのを虎視眈々と待っているとか、ひとスミばかりに留まってはいけないとか、兵はこの碁のようなものとか、将は全局を見渡せとか。碁にかこつけて将帥のあるべき立場を説教している。
福康安は「陛下(皇上)と呼ぶのはやめて師匠(師傅)と呼ぶことにします」という。
乾隆帝が白、福康安が黒を持っている。この盤上の様子ではそんな講釈をたれるところまでは進んでいないように思える。前に紹介した2002年版 占か碁か では 別なシーンだが、乾隆帝が黒を持っていた。白か黒かの意味まで考えているかなあ。それからいつもいうが当時はタスキに置いてからはじめた。
もう一度碁のシーンがあるが、これもかなり中央志向。
碁を打っているときに、緊急の連絡が入る。この時は、碁の話はない。