2010年09月12日

海寧と金庸旧居

岡崎由美先生と行く中国の旅
横店影視城と金庸ゆかりの地を訪ねる 2

 嘉興から海寧へ向かう。海寧は銭塘江の河口の町だ。杭州湾の北岸であり、有名な海嘯の見学地といった方が判りやすいかもしれない。
 ここに金庸の子供時代の住まいがある。
 観光バスは、道を訊いたりしながら進む。ようやく小さな「金庸旧居」と矢印の表示が見つかる。細い道に入り、「金庸旧居」に至る。現地の人もあまり知らないローカルな観光地だ。金庸自身は資料館になってからはここには来たことがない。「資料館にするため、大勢の人を追い出すことになったので……」ということらしい。大きな家だ。

P9023365.JPG
 観光バスはクーラーが効いている。外に出るとカメラのレンズが曇ってしまう。
 もう時間が遅く閉まっていた。現在は人は住んでいなくて、資料館「金庸旧居」として、金庸さんの弟が管理している。隣に住んでいるのだろう。事前に連絡しておいたので、まもなく来て開けてくれた。
 入り口以外はこの白い塀で囲まれている。

P9023367.JPG
 似たような家がならんでいて、横にも連なっている。
   
P9023348.JPG
 中から。
 車の向こうに隠し塀が見える。入り口の外にあるので照壁か。(この壁については大智禅寺でふれます)

P9023350.JPG
 入って正面

P9023354.JPG
 出生したベッドという。ただし、後に複製したもの。
 中国のベッドはこのように大きな家具となっている。場合によってはベッドを先に造り、後から家を建てる。家を建ててからではベッドが入らないからだ。
 床は大分弱くなっていて、力を入れると踏み抜きそうだ。数カ所破損している。
 特別に部屋に入れてくれたが、一般には隣からガラス越しに見る。

P9023358.JPG 資料 大陸での出版状況
P9023362.JPG 資料 紀元前676年以後の査氏の家系図
 金庸とは筆名であり、本名は査良(zha liang yong)。
 最後に書かれているのが海寧を本拠にした海寧査氏の祖。この海寧査氏の有名人として査継佐(1601〜76)などがいる。
 雍正帝のとき、文字の獄があった。岡崎先生が大まかに解説してくれたが、細かくは次のようだ。
 ウィキの引用(確認を取ってない、の意味)
 1726年(雍正4年)、江西省で行われた科挙の初期段階の試験である郷試において、内閣学士で礼部侍郎(文部次官に相当)であった査嗣庭という試験官が、『詩経』の一節である「維民所止」という部分を出題した。これが、清王朝を批判するものだとして、査嗣庭は投獄され病死、死体は晒し者とされた。さらに彼の息子も死刑、一族も投獄されたり、流罪に処されるという非常に厳しい処分を受けた。「維」と「止」の上にそれぞれ、「なべぶた」と「一」をつけると「雍」「正」になる。つまり、この一節は雍正帝の頭を切り落とし、さらに二文字を「民所」で離して、雍正帝の胴を二つに裂いているという理由であった。実のところ、ロンコド派閥に属していた査嗣庭らの排除が目的であったとされる。

 「国家安康」のような話だ。この査嗣庭も海寧査氏である。「鹿鼎記」の双児のいた荘家の話はこれを基にしている。
 この時、呉六奇は査氏を弁護した。鹿鼎記の天地会洪順堂の香主「呉六奇」である。実在の人物であった。

P9023364.JPG
 一行に一番人気があったのがこの犬。かなり内気だった。

 この日は海寧のホテル「海州大酒店」に泊まった。このホテルはわたしには豪華すぎて落ち着けないほど。
 部屋に入ってまず目に入ったのは、バスルームの中のシャワールームと部屋は透明なガラスで区切られていて、部屋からシャワーが丸見えなのだということ。タンスの戸をスライドするとふさぐことができるが、タンスの中が丸見え。どういう思想で設計されたのか。
 添乗員が言っていた。
「大都市から外れるとホテルに困るンです。普通のホテルでは各部屋に問題があってその対応に追われ、しかもホテルの人が少なく対処しきれない。自分の部屋に入るまで数時間かかってしまう。ろくろく寝ることもできない。ここならそのような心配がなく、安心してお客様を案内できます。このような過剰に豪華なホテルと、問題ばかりのホテルしかなく、その中間の普通のホテルがないンです」

P9033380.JPG
 浴室からベッドが見える。
 バスにはシャワーの設備がなく、シャワールームに行くことになる。ドアーは足ふきタオルをはじいてしまい使いにくい。

kaishuuyuushoku.jpg
 夕食はホテルで。ビールは石梁ビールだったか。碧血剣のヒロイン「夏青々」の故郷だ。ついでに言うと、ドラマでは袁承志と温家五老が千島湖の浜で決闘するが、千島湖は近年発電のために作られた人工の湖。もちろん明代にはない。

 次の朝、同室のソラさんと朝食前に散歩に出た。

P9033383.JPG
 ホテルは新しい。できて2年ほど。

P9033384.JPG
 ここは革製品で有名な土地。革製品を求めて各地から人が集まる。

P9033386.JPG
 川に映った海州大酒店。

P9033387.JPG
 公設広告板?

P9033388.JPG
 この様子でもかなり豊かな人たちの住まいであることが感じられよう。十匹近い犬が集まって吠えられた。ここでは犬は珍しくないのだ。

P9033392.JPG
 これはなんだろう。

P9033393.JPG
 このあたりは新興の市街で道は広い。手前は自転車専用道路だ。
 ホテルに帰る。
posted by たくせん(謫仙) at 15:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 江南 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっと私も旅日記を書き始めました。なかなか進まないと思いますが。

海寧で朝の散歩をされたのですね。
赤いのはヤマモモ(楊梅)みたいな感じですが時期が違いますね。
でも蓮の花もまだたくさん咲いていたし、異常気象のせいかもしれません。

金庸書城での取材の動画も発見しました。
http://v.youku.com/v_show/id_XMjA0NTY2NzY4.html
大きなカメラのほうではなく小さいカメラのほうで撮ったもののようで、テレビとかでは使われていないみたいです。
Posted by 八雲慶次郎 at 2010年09月13日 23:52
八雲さん
この実が赤くなったのが楊梅みたいですがどうでしよう。検索してみました。楊梅なら美味しいらしい。

見てみましたが、確かにテレビ用のカメラではありませんね。映像が粗すぎます。テレビは完成の報道の時などに使われるのでしょうね。

旅行記事は毎日とはなりませんが、なんとか記憶のあるうちに早めに書きたいと思っています。なにしろ今回は話題が多すぎで、まるで金庸小説(^。^))。
写真も多くて、選ぶのに苦労しています。
Posted by たくせん(謫仙) at 2010年09月15日 05:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/162375670
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック