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喬峯は謎の巨漢に助けられ、山奥の洞窟に連れて行かれ、ここで二十日ほど養生をする。(ドラマでは普通の道の脇の岩陰で、吹き出してしまった。それでは簡単に見つかってしまうではないか)
そして雁門関に行くとなんと阿朱が待っていた。薛神医に治療され、そのあと逃げてきたのだった。これが二人の運命の出会いになる。ここで宋兵の蛮行を目にすることになる。契丹人というだけで兇悪ということはないと悟るわけだ。
それでも仇を討ちたい喬峯は阿朱と二人で、経緯を知っている徐長老の所へ行くと、徐長老は殺されていて葬式が行われている。さらに趙銭孫と譚婆の二人も殺され、譚公も後を追う。
この後は、喬峯は簫峯といわれる。
ではと単正の所に急ぐと惨殺されていて家は火事だった。全て犯人は簫峯と言われる。こうして事情を知る人が少なくなる。
思いあまって、江南の天台山の智光を訪ねる。そこで、事件の経緯を知るが、智光も亡くなり、かしらの名は知ることはできなかった。残るは信陽の馬夫人のみ。
そこで阿朱が白世鏡に化けて馬夫人に会い、かしらは段正淳と教わるが、じつはこの白世鏡は偽者と見破られていた。当然、段正淳説も怪しいが、二人はこのときはまだ気づいていない。
ところが信陽の街で、偶然手傷の段正淳の臣を知り、段正淳が近くにいることを知る。
小鏡湖へ急ぐと、釣りをしている段正淳の臣と争う阿紫を見ることになる。
そこは阮星竹が一人で住んでいる所であった。そして阮星竹は阿朱と阿紫の母親であった。父は段正淳。
ここで誤解から、かしらを段正淳と勘違いし、阿朱が身代わりになって死ぬことになる。阿朱の最後を看取り、その妹阿紫の保護することを約束する。
それにしても、阿紫はどうしてここに来たのだろう。ここでも偶然が三つくらい重なっているか。
段正淳たちが出立したあと、秦紅棉母娘がここに来る。一悶着の後、阿紫・阮星竹・秦紅母娘・簫峯の順に段正淳のあとを付けることになる。阿紫が最初なのは軽功が得意だからで、道々印を付けていく。数日旅をして信陽の城につき、馬夫人の家に行く。
あれっ、小鏡湖は信陽郊外三十八里半(二十キロ弱)の所にあったはず。軽功なら一時間だ。
そして馬夫人の家では馬夫人と段正淳が親しそうに酒を飲んでいる。なんと馬夫人も元愛人だったのだ。
馬夫人はとんでもない人物だが、子供のときのエピソードには、思わず目頭が熱くなる。
馬夫人に限らず、たいていの悪人も、同情してしまう。逆にほとんどの善人もけっこう裏ではいい加減なもの。正邪が定かでないのが金庸小説の特徴だ。
で、酒には毒が入っており、段正淳は殺されそうになる。それを聞いていた簫峯は馬大元殺害の犯人は白世鏡と馬夫人であることを知り、馬夫人に嵌められたことを知る。だが白世鏡は謎の人物に殺され、段正淳たちは去り、馬夫人も亡くなる。
簫峯は雁門関の外へ行こうとする。阿紫がついてきて、途中の飯屋で星宿派に見つかる。阿紫が持ち逃げした鼎の争奪と、星宿派の序列争いをかねて一騒動。
念のため、この阿紫は金庸小説の中ではもっとも悪女といわれる。しかも少女。
簫峯が阿紫を置き去りにしようとしたため、阿紫が毒針を簫峯に用いた。よけるとき、思わず阿紫に掌打を浴びせてしまい重傷をおわせる。