2009年08月07日

天龍八部のあらすじ1

金庸   訳 土屋文子    徳間書店  02.2

 雲外の峰−書庫で、天龍八部を紹介したが、その詳しい内容であるわたしの個人的メモを公開する。あらすじとしては不完全であることをお断りしておく。あまりにも複雑で書ききれなかった。
               tenryuhachibuchizu.jpg
                 参考地図

第一巻 剣仙伝説
        tenryuhachibu1.jpg
 北宋の哲宗の時代、大理の王子段誉が家出をして、江湖の世界を知るところから物語が始まる。
 段誉は大理の保定帝の弟鎮南王のひとり息子である。しかも皇帝には子がいない。つまり、次の皇帝となるべき立場の人物である。それが武術が全くできず、親に武術を習うよう強制されて、それがいやで家出をする。
  
 仏教国の皇帝に武芸は要らないが、大理段氏は中央武林の出、武林の伝統は受け継がれていた。
 段誉は路銀を使い果たし、馬五徳の世話になったが、大理無量山で無量剣の東西の試合があると知り、馬五徳に同行し見学に出かける。
 ここで窮地に陥るが、少女鐘霊に助けられる。一度は逃げ出したものの、段誉のお節介から、神農幇に捕まってしまう。
 段誉たちと神農幇はお互い毒の体になり、助かるために、毒消しの交換が条件になり、段誉が鐘霊の両親のいる万劫谷へ行くことになる。
 その途中で、絶壁から落ちてしまう。地の底で出口を探しているうちに洞窟を見つけて入ると、その中には天女像がある。そしてある武術書を見つける。その武術書は特異で、普通の武術を身につけた者は、それを捨ててから学ばないといけない。ところが段誉は武術を身につけていないので、そのまま受け入れることができた。ここで「凌波微歩」と「北冥神功」の技を知る。
 このあたりは偶然が五つくらい重なっているが、ここの諸々がすべて伏線になっている。
 たとえば書棚には武林の百科事典ともいえる書があったらしいが、今はない。後に出てくる姑蘇慕容家や王語嫣が読んだ武術書は、ここにあったものだろう。
 さて、洞窟を出て、万劫谷に行ったが、鐘霊の父は大理段氏を憎んでいたので一騒動、結局鐘霊の両親は助けに行くことができなくなり、段誉は鐘霊の母の友人木婉清の馬を借りて、父の下へ助けを求めに行くことになる。ここでも余計なことをして、行けなくなる。その木婉清も美少女。
 結局、本来の目的は遂げられず、段誉と木婉清は神農幇を騙して、鐘霊を助けることになる。
 この間に、凌波微歩の訓練をしたり、毒蛙を飲み込んで、いかなる毒にも耐えられる体になる。
 このあと、段誉は四大悪人に掠われ、万劫谷に閉じこめられる。それを段一族は武林のルールで救い出す。
 段誉は鐘霊と木婉清を好きになるが、なんとふたりは腹違いの妹であった。それが問題だが、もう一つ、そのふたりの母親と段誉の母が武林の強者であって、二人対一人で段誉の父親を巡って争っていたのである。
 四大悪人の筆頭の悪貫満盈(段延慶)は本来皇帝となるべき地位の人だった。大理に来た目的は大理の皇帝になるため。

 こうして、当時の国際情勢を巡る複雑な動き。
  鎮南王を巡る愛憎劇。
  四大悪人の暗躍。
という三つの話が複雑に絡み合う。これらは全てのちの物語の伏線である。
posted by たくせん(謫仙) at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 天龍八部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック