2009年07月16日

ドラマ鹿鼎記(張紀中版)5

今回は、省略された場面を中心にして考えてみる。

第三十一回
 韋小宝たちが雲南から帰る途中、一度東に逃れ、途中の柳江で碧血剣を思わせる筏舟上の決闘が行われる。小説では大河だが、ドラマは漓江のよう波のない浅い小さな川だ。それがいきなり大波の打ち寄せる海岸に変わる。そして海からひとっ飛びで川に戻る。無茶だ(^。^))。
 まあこれは中国の川がそれほど広いと言いたいのであろうが、それなら初めから海岸にすればよさそう。すべて川での戦いで済ませられなかったものか。
 その海の…もとい広い川の様子が桃花島の海岸というのは、撮影の都合上しかたないかな。
 それにしても、こんなメチャクチャなシーンがあると、文句を言いながら面白く思うわたしは天の邪鬼か。ついでに言うと、海のシーンはいつも桃花島のラブラブ海岸(^_^)。郭靖と黄蓉のラブラブな様子がちらついてしまう。
    chizu3-600.2.jpg   地図参照
 実際に見たり歩いたりした、桃花塞やこの海岸が舞台になると、背中がかゆくなる。

 ところでなんで韋小宝たちは柳江を下ったのか説明がない。小説では本来の道は伝書鳩で連絡して集めた呉三桂軍が待ちかまえている。その襲撃を恐れて、険しい道だが広州に向かう。この説明がないと、柳江を下った理由が判らない。
 柳州でもいろいろあるが柳江の戦い以外はほとんど省略。今の地図で見ると柳江の川幅は三百メートル以上ありそう。
 
第三十二回
 天地会の実力者で洪順堂の香主である呉六奇と双児が義兄弟になる。普通ではあり得ない状況のようだ。小説ではきちんと説明している。将来、出身が卑しい双児が韋小宝に嫁ぐとき、肩身の狭い思いをしないように呉六奇の妹とした。つまり呉六奇の思いやりだ。この説明が欲しい。

第三十四回
 神竜島攻撃の失敗から双児との雪原の逃避行。このあたり設定をかなり変えたらしい。それはいいのだが、船から飛び降りて、泳いで陸に行き、雪原を逃げて、牡丹江の街まで行く。そこで馬蹄銀を山ほど出す。そんな重りを抱えてよく泳げたものだ。小説では小舟だった。その前に神竜教に捕まっている間に、よく取りあげられなかったもの。
 中国語が通じ、後ろには西湖龍井茶の店がある。してみると清朝支配の街。その後のロシア編はすべて省略して、北京に戻ってしまう。そうなると、韋小宝がロシアに詳しく、ロシア語を話せる理由が判りにくい。小説ではロシアの首都まで行き、活躍するのだ。
 それから揚州に行き、ドタバタするのはほぼ原作通り。韋小宝が母を呼ぶとき、「小宝娘」と言うのが興味を引く。前回の「孩子」と同じような中国の習慣かな。

第三十九回
 荘家(双児が前にいた家)の仇である揚州の知事呉之栄を陥れ、呉之栄を荘家へ連れて行く。間もなく荘家というあたりで、帰辛樹夫妻と一人息子に出会い、悶着を起こし、そのあと双児が荘家に先行し茶に毒を入れる。
 小説では、水に毒を入れるのだが、その毒は平凡で帰辛樹夫妻には効かない。それを見ていた何タ守がわけを聞いて、帰辛樹夫妻にも効く毒を提供する。このシーンは楽しみだったが、このドラマでは何タ守が登場しない。残念。
 そうなると、韋小宝が双児に渡した毒でも帰辛樹夫妻に利いたことになる。
   …………………………

 原作小説もそれなりに読まれているが、読まずにドラマだけ見る人も多いと思う。小説の場面が省略された場合、小説を読んでいない人に意味が判るのだろうか。もちろんなくても問題ないシーンもある。何タ守が登場しなくても辻褄はあう。帰辛樹が双児の技を華山派と見抜くシーンも入れにくくなった。何タ守が荘家の身の振り方を指示するのは、荘家の奥様が考えたことにすればよい。では双児はどうして凄腕になったのか、それは謎のままになってしまった(わたしが見落としてなければ)。韋小宝が何タ守から貰う暗器は、荘家の奥様から貰った、というようにいろいろ変更されている。
posted by たくせん(謫仙) at 06:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 鹿鼎記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しました。いつも大哥の鹿鼎記を読ませていただいてます。
前回のお話、私も碧血剣の『阿九』さんの変身振りにビックリしました。
そして、李岩さんの息子さんが、生きていて李自成への敵討ちを仕掛けるシーンは印象的でした。

さて、今回のお話の「小宝娘」と言う呼び方は、私も気になりました。
私の中では「おいらの母ちゃん」と言う感じに解釈しました。
そして、小宝が双児の事を「好双児」って呼ぶのがとても好きです。

Posted by xihuan at 2009年07月19日 21:43
「小宝娘」は「おいらの母ちゃん」か。なるほどですね。
中国では名前を呼ぶのが挨拶だったりしますから。
「おばさま」「おじいさん」と同じように、自分で自分のことを「小宝」。ン、ホントに言うのかな(^_^)。で「小宝母ちゃん」。

>小宝が双児の事を「好双児」って呼ぶのがとても好きです。
そうそうありました。双児もそう呼ばれるのをとても喜んでいるようでしたね。
李岩の息子の仇討ち。李自成が生きているという設定も奇抜でしたが、生きていれば当然ながら李岩の息子が仇討ちをしようとする。長平公主(阿九)も生きていれば、仇討ちは自然の流れ。そちらは出家したことがさらに意外性を出していますね。
李自成が生きていることについては、雪山飛狐で説明していますので、それとも関連しているのでしょう。

こうして時々、中国語が耳にはいることがあり、つまりほとんどは耳に入らないという意味なんですが、中国語が耳にはいると興味がつのります。(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2009年07月20日 07:53
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