2009年06月01日

ドラマ鹿鼎記(張紀中版)1

     rokuteiki1.jpg

 第一回
 ようやく上巻が配布された。おそらく、テレビ放送が終わるのを待っていたのであろう。
 前に見た1984年の劉徳華・梁朝偉版と比べると、当然ながら迫力があって、ストーリーが自然に流れている。少年韋小宝の子役がいい。少年韋小宝は十三歳ほどだが、十歳より下に見える。少し幼なすぎるようだ。演技力は特筆されよう。いわゆる子役ではない。
 茅十八は江湖に生きる者、それなりに迫力がある。
 
 第二回
 韋小宝が小桂子になりすまし、海大富の世話をすることになる。ばれているのだが、盲目になった海大富は知らぬふり。その海大富の豪華な仏壇には、破れたつまり古い蜘蛛の巣がある。蝋燭を点けるとき邪魔であろうに。ウーン、掃除をさぼっているという意味なのか。
 横店に紫禁城をそのまま再現したというスタジオがあるそうだ。韋小宝が海大富から解放され、博奕場に行こうとする場面がある。その場面はまさに紫禁城の太和門から金水橋をえて午門に向かうところ。中国映画界の底力を感じる場面だ。後に太和殿も出てくる。
 ただし、清朝の太和殿が完成したのは1695年。康煕帝十五歳の1669年にオーバイを殺害したころは、太和殿は完成していなかった。明時代の古い太和殿があったか。
rokuteiki6-2.jpg
 韋小宝が康煕帝と屋根の上で遊ぶ。前方は近くに金水橋があり、遠く太和門が見える。これは、午門から太和門を見た景色だ。しかし、太和門の向こうの太和殿が見えない。
 実際、低いアングルでは太和殿は見えないので、それは問題ない。
rokuteiki6-1.jpg  
反対側は大和門の向こうに小さく太和殿とその前の広場が見える。

rokuteiki6-3.jpg
 そして大写しになると、大和門の右手向こうに太和殿。韋小宝と皇帝がいる屋根を境にして大和門が二セットある感じだ。
 この三枚の写真は設定では同じ位置からみた景色ということになっている。
 二人の位置を入れ替えたりして工夫して撮しているので、上の二枚は同じ方向のつもりらしい。編集ミスといえるか。明らかにおかしいので編集しようがなかったか。
 見ている方向は金水橋のある壕に特徴があるので、午門の屋根の上から、大和門を見ていることになる。
 この金水橋のある大和門前の広場は何度も出てくる。

 オープニングは大和門から太和殿を見たところ。
 エンディングで、李莫愁姉さんらしき姿がちらちらするのだが、あれは誰の役だろう。俳優に孟広美が見当たらない。演技指導かな。名も出ない端役ではないだろう。それともよく似た別な女優でしょうか。

 あらすじや登場人物は、「鹿鼎記のあらすじ」や「鹿鼎記の世界」に書いたので、説明がダブらないようにして、その上で感じたことを書いている。

 第四回
 オーバイ逮捕が圧巻、少し不自然な感じもするがこの程度は仕方ない。
 この時康煕帝十五歳。韋小宝は十三歳か十四歳。
 オーバイ逮捕の褒美に皇太后に謁見することになる。皇太后は顔をはっきりとは見せない。実はこれはにせ皇太后。
 その髪型だが、もみあげから頬にかけて、一筋の髪がある。のり付けしたように崩れない。これは1984年版もそうだった。皇族の定型か。
posted by たくせん(謫仙) at 14:18| Comment(15) | TrackBack(0) | 鹿鼎記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
入手されたんですね!こちらにコメントします。
>エンディングで、李莫愁姉さんの姿がちらちらするのだが・・
どこのシーンですか?・・エンディングはメイキングがほとんどだと思いましたが・・・気が付きませんでした。
CSでは「揚州に到着して、母親と再会するため麗春院へ・・」
この母親にしてこの子ありみたいなお母さんですね。
Posted by Toy2bkk at 2009年06月07日 12:32
Toy2bkkさん。
ちらちらすると言うより堂々と出ています。もし気が付かなかったというなら、おそらくよく似た別な女優なんでしょう。

歌詞
ただ黙って傍観するしかない。
いささか気落ちして…
の二カ所。

もっと先まで見て、実際に登場したら、違いが判ると思います。
わたしの書き方も悪かったので、少し訂正しておきます。

韋小宝のお母さん、立派とはいえませんけど、いろいろと苦労していますね。気も使っています。初めのころの韋小宝を折檻しているシーンなど、引きつけられました。
Posted by 謫仙 at 2009年06月08日 09:03
謫仙さん、お久しぶりです。

やっと入手されましたね。ご感想から見ると、ほぼ満足しているようで、少しほっとしました。^^

中国語版では少年韋小宝の吹き替えに問題があって、耳障りになってしまうほど不自然です。素晴しい演技は台無しになって残念でした。逆に日本語版が見たいですね。

「李莫愁姉さんらしき姿」というのは、もしかして黒衣を着ているからでしょうか。黒衣の女性役なら、方怡か洪夫人のどちらかと思います。

以降の感想も楽しみにしています。
Posted by zhtfan at 2009年06月13日 01:30
zhtfanさん。

>中国語版では少年韋小宝の吹き替えに問題があって、耳障りになってしまうほど不自然です。

中国語版は吹き替えなんですか。日本語版も字幕が出るだけで、音声は中国語のままなんです。これが実に快調。評判は上々です。
李莫愁姉さんらしき姿というのは顔をみて、あっと思いました。スタイルからではありません。方怡は顔がまるで違うので方怡ではない。洪夫人なら似ているので、角度によってはそう見えるかな。
画像は取らないようにしているのですが、これだけ切り取って、「ドラマ鹿鼎記(張紀中版)2」に張っておきます。

今回は原作に忠実なので、気になるような所は出尽くしたように思えます。あと一週間で前半を見終わるのではないかと思いますよ。
Posted by 謫仙 at 2009年06月13日 07:42
李莫愁ねえさんそっくりさんは、陳阿珂でした。ドラマに登場してもしばらく判らなかったほど。判ってみてもエンディングは李莫愁に思えてしまいます。(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2009年06月14日 11:10
韋小宝と皇帝が屋根の上で遊ぶシーン。写真を追加して、説明も訂正しました。
説明だけでは判りにくかったのが、ようやくすっきりしました。
Posted by 謫仙 at 2009年06月17日 15:59
謫仙さん、こんばんは。
毎日遅かったので、ずっと返答していなかったのです。本当にすみませんでした。

李莫愁ねえちゃんの謎が解きましたね。めでたし、めでたし!

少年韋小宝の声は子役本人のものではありません。発音と口の形が合わなかったり、笑い声等もちょっとうるさいですね。今二度目見ていますが、やっぱり吹替え以外は文句なしですね。まったくの余談ですが、韋小宝と康煕の関係はどう見ても怪しい・・・

神G侠侶では、確か楊過の吹替えはとっても有名な声優さんにやってもらったらしいです。基本には日本語に吹替えされていると思っていたのですが、そうではないですか。

追加の写真と解説を見てすっかり感心しましたよ。張Pが読んだら「まいったな」という感想が出るに違いないでしょう。^^
Posted by zhtfan at 2009年06月20日 20:27
韋小宝少年は、吹き替えなんですね。わたしは気に入りました。

>神G侠侶では、確か楊過の吹替えはとっても有名な声優さんにやってもらったらしいです。
今回の黄暁明が吹き替えだとは聞いていましたが、楊過の時も吹き替えだったんですね。
過去の話では、日本語の吹き替えはもちろんあるンですが、わたしは中国語の音声で、日本語字幕にして見ていました。日本語の吹き替えも聞いたことがあります。しかし原則は中国語音声です。
今回の鹿鼎記は、日本語音声はなく、中国語音声だけです。

こんなことがあります。
返事をするとき「御意」などと字幕に出てきます。原文はなんだろうと中国語字幕に変えて見てみると、その部分の字幕がありません。気になります。
小桂子もxiaoguizuと思いますがzuが「ザ」と聞こえます。
これもわたしの聴き方が悪いのか、北京なまりか。
こんな些細なことが気になってしまいます。
Posted by 謫仙 at 2009年06月21日 10:36
謫仙さん、こんばんは。

コストを考えると、日本語の吹替えをやるほうがむしろ少ないでしょう。

2点の疑問をお答えしてみます。

1、「御意」が字幕に出るのは皇帝に返事する場合が殆どなのでしょうか。それに発音が「ザ」に近いでしょうか。そうであれば、それは満族語で中国語の「是」、日本語の「はい」と同じ意味です。あえて漢字を当てれば、「査」(左に「口」がある)になります。

2、人を呼ぶ時、語尾に「阿」(左に「口」がある)を付けることが多いです。「小桂子」は実は「小桂子阿」です。「子阿」を連読すると、「子」の「z」+「阿」の「a」で「ザ」となるわけです。日本語の「それは→そりゃ」と同じ理屈です。
Posted by zhtfan at 2009年06月21日 22:54
zhtfanさん。
テレビを見る人も慣れてきて、配給会社も、吹き替えはなくても見てくれる、と判断したのでしょう。
これらを買い付けた会社の係りの方に会う機会がありました。武侠部門は大赤字で、次の買い付けに行くのが申し訳ないほど、というようなことを言っていました。吹き替えがなくなっただけでも、かなり経費の節約になったことでしょう。
今年も「第5回武侠迷大幇会」がまもなく開かれます。岡崎由美先生も出席してれます。去年はあまりに参加者が多く、個々の人とは話す機会がなかったのですが、一昨年は参加者が30人ほどだったので、上のような話を聞く機会がありました。

さて、
1 返事の言葉ですが「zhe」と言うように聞こえましたので、納得しました。皇帝への返事ばかりでなく、他にも使われていたようですが、形式張った答えの時のようです。
2 人を呼ぶとき「a」をつけて「小桂子阿」。こんな風に阿を使うんですね。海大富などが使っています。
自分で言うときはもちろんですが、女性たちはほとんど使いません。目下や同僚の時に使うのでしょうか。

謝謝、以后請多多指導。
Posted by 謫仙 at 2009年06月22日 06:57
不客気、不客気、我才応該向謫仙先生多多請教。^^

「阿」を付けると、確かに無礼のように聞こえますね。目上と上司に使わないほうが良いでしょう。ただ、親友の間でふざけて呼び合うことがよくあります。(当然、小○子という名前は中国ではめったにないので、普通は下の名前の1文字を取って前後「小」と「子」を付けて呼ぶのです。)
ちょっと離れた場所にいる人を呼ぶ時に「阿」を付けますし、多くの場合は「私があなたに話したい、指示したいことがあるから、よく聞いてくれ」という相手の注意を喚起するニュアンスもあります。

>「第5回武侠迷大幇会」
へえ、こんな会もあるのですか。梅花杭を刺して武術競技はやらないでしょうね。(^0^)なんか面白そう!誰でも参加できるわけではないでしょうね。

>武侠部門は大赤字
悲しいです。。。やっぱり「武侠」はマイナーですか。可能性はあまりないでしょうが、NHKで放送されたら大ヒットになるでしょうか。
Posted by zhtfan at 2009年06月29日 00:20
今思い出したのですが、日本でも最後にyaをつけて、相手の注意を喚起するニュアンスの話し方があります。今では使わなくなりました。
「太郎や、ちょっと手伝っておくれ」
というように使います。わたしも、もう40年以上聴いたことがありませんが、古典ではあります。zhtfan さんの説明を読んでいて、同じだなと思いました。
武侠迷大幇会
はわたしは第三回から参加しています。その様子下でみて下さい。
http://takusen.seesaa.net/article/98007866.html
http://takusen.seesaa.net/article/28802493.html

今年はもう締め切ったのかな。ただ会場選びが難航しています。
少人数ならともかく、人数が多いので、適当な場所が見つからないようです。
幇主をはじめ役員の方は関西の方、ところが人数は関東が多いので、新宿で開く予定です。関東の役員の方が場所探しに苦労しているようです。
丐幇の幇会のように飲んで騒ぐだけなンですが(^_^)。

NHKでやってくれたら…、かなり難しそう。決して中国ものだからというわけではありませんよ。
日本でも昔、同じような話があり、「立川文庫」といえば誰でも判るほど人気がありましたけど、主流にはなりませんでした。
地雷也・猿飛佐助・霧隠才蔵など、本を読んだことがない人でも名前だけは知っています。それなのに一般の人は真面目にとってくれませんでした。そんな人からは武侠を「こんな荒唐無稽な話をやるな」と抗議が殺到しそうな気がします。もっと酷くなると、
「中国人はまだこんな話を信じているか」(^。^))(^。^))
日本でSFが流行ったころも、そんな反応だったンです。

でもそろそろ、こんな話を受け入れてくれるのではないかと思います。
Posted by 謫仙 at 2009年06月29日 20:42
大幇会は7月25日(土)、新宿の中華料理店です。
広い場所が予約できたので、余裕があり、まだ参加者を受け付けています。

もし、参加の希望がありましたら、下記に連絡してみて下さい。

https://ssl.form-mailer.jp/fms/973290ac38970

第2回大会では、太極拳の演武を行い、それから宴会場へ、となったと聞いています。
今回は演武はなさそうです(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2009年07月01日 14:45
謫仙さん、こんばんは

わざわざご案内なさっていただきまして、本当にありがとうございました。今福岡に住んでおり、仕事のこともあって今回はちょっと難しいと思います。(中華料理店なのに・・・)

リンクの記事を拝見しました。コスプレもやっているようでとっても面白いです!場所といい、道具といい、それほど趣向が凝らされることに感激しています。いや、ぜひ一度でも参加させていただきたいです。来年は早々準備して、何とか参加できるように頑張ります。

>「立川文庫」といえば誰でも判るほど人気がありましたけど、主流にはなりませんでした。
そうですね。中国でも、武侠やミステリー等はいくら作品のレベルが高くても、人気があっても、「通俗文学」と位置付けされ、地位も非常に低いものです。金庸先生のおかげで、近年は武侠への注目度が少しずつ高まってきて、一部有名な作家や評論家も真面目に研究しはじめました。それもかなりの抵抗に遭遇し、批判や軽蔑も浴びせられるほどですよ。

>「中国人はまだこんな話を信じているか」(^。^))(^。^))
信じてはいませんが、確かに憧れています。もし自分が小説中の三流武術家の実力でも持っていれば、なんとかっこういいだろうと妄想したことはよくあります。(^o^)
子供だと、信じて危険なまねをしてしまう恐れがあるでしょう。昔、李連傑主演の映画「少林寺」が上映された後に、武術学びに少林寺へ向かう少年が結構いたそうです。

>わたしも、もう40年以上聴いたことがありませんが
謫仙さんがなかなかの有名人であることはたくさんの記事より薄々読み取れています。今これを見ると、もしかしたら自分の親の年齢と同じくらいの長者ではないでしょうか。
稚拙な若僧である私と長い間にお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。

よろしければ、「大幇会」参加の皆さんによろしくお伝えいただくようお願いできませんでしょうか。私は張と申します。
Posted by zhtfan at 2009年07月06日 00:06
大幇会は毎年開かれるわけではないのですが、できれば毎年開こうとしています。
岡崎先生が参加できる日を選んで決めています。
幇主も普通の人で、業界の人ではありません。
わたしも金庸小説が好きな普通の市井の人に過ぎませんよ。

アニメ育ちが社会の実権を握るようになると、武侠もNHK放送されるかな。アニメばかりで漢字か読めなくては無理ですけど。
子供の錯覚はどこでもありますね。仮面ライダーの真似をしてとか、スーパーマンの真似をして高層ビルから落ちたとか。
なぜ空を飛べるのか、という質問に、岡崎先生が一所懸命説明していたのが神G侠侶城の楽しい想い出です。
Posted by 謫仙 at 2009年07月06日 09:11
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