この物語には一般の人はほとんど登場しない。せいぜい景色の一部だ。
年代は不明。李白の詩を古詩と言っているので唐ほど古くはなく、弁髪でもない。そして混乱の時代でもなさそう。開封というので元でもなさそう。宋か明かと推測する。
狗雑種が、開封の東十二里の侯監集で「玄鉄令」を手に入れた時は十二三歳。
謝煙客は、狗雑種を崇山の摩天崖に連れて行き、騙して修行させる。この間は七八年だが、正確ではない。
鎮江「長楽幇」に来たときは二十歳くらい。鎮江は南京より海に近いところ。
ここで騒動があり、雪山派に掠われ、舟で大運河から長江に出て、二十里下り廟に入る。
そこから助け出され、長江に出るが、そこは急流ではないか。鎮江から長江を二十里下ったところに急流があるのかな。初めて読んだときは、急流なので三峡のような長江の上流だと思いこんでしまった。それから西の大雪山に行くので、記憶が混乱してしまったのだ。
それから、侠客島より使者が来て、侠客島に行くことになる。
登場人物
狗雑種 :主人公、熊耳山の奥で母と犬とで生活してきた少年。
狗雑種(のらいぬ)というが本名不明。
母と犬が消えてしまい、浮浪生活に入る。
偶然「玄鉄令」を手に入れ、数奇な運命をたどることになる。
石中堅であることは間違いなさそう。
謝煙客 :武林の奇人。持つ者の願いを叶えるという「玄鉄令」の主。
摩天崖に暮らし、摩天居士といわれる。
武術は当代では随一と思われる。狗雑種に武術を教える。
☆上清観
石清 :武林の名剣客。江南「玄素荘」の主。黒衣。玄鉄令を求めている。
妻と併せて黒白双剣といわれる。中玉・中堅の二人の息子がいた。
閔柔 :石清の妻で、妹弟子。白衣。
天虚道人:上清観の元掌門。石清夫妻の兄弟子。
冲虚道人:上清観の掌門。石清夫妻の兄弟子。
石中玉 :石清・閔柔の長男。雪山派の不肖の弟子。狗雑種に似ている。
石中堅 :石清・閔柔の次男。赤子のとき梅芳姑に掠われる。
すでに殺されたと思われている。
☆雪山派
白自在 :西域大雪山の凌霄城の「雪山派」の掌門。雪山剣法の創始者と自称。
白万剣 :雪山派の門弟。白自在の息子。
封万里 :雪山派の門弟。石中玉の師父。
花万紫 :雪山派の門弟。女性。
耿万鐘・王万仞 :雪山派の門弟。
雪山派には白自在の兄弟弟子である「自」の世代の弟子もいる。
史婆婆 :金烏派を自称している。狗雑種を最初の弟子とする。白万剣の母親。
阿繍 :史婆婆の孫娘、白万剣の娘。
☆長楽幇
貝海石 :鎮江「長楽幇」の軍師。幇主になれる器。前幇主を隠す。
陳冲之・米横野 :長楽幇の香主。香主は幹部である。
展飛 :長楽幇の香主。石破天が妻に手を出したため、復讐しようとして、狗雑種を打つ。それがきっかけで狗雑種は体調が良くなり、武術を極めることになる。
石破天 :長楽幇の幇主。狗雑種に似ている。行方不明の謎の人物。石中玉。
侍剣 :石破天つきの侍女。
司徒横 :不登場人物、長楽幇の前幇主。
侠客島からの招待を避けるため、石破天を幇主にしている。
☆侠客島
張三・李四 :侠客島の賞善罰悪使。
「賞善罰悪令」を各掌門に配って侠客島に招待する。
招待に応じない場合は一派皆殺しにするといわれている。
龍島主 :侠客島の主。
木島主 :侠客島の主。
☆その他
丁不三 :「一日不過三」といわれる。人を殺すのは一日三人以内とする。
丁トウ(王+當) :丁不三の孫娘。石破天の恋人。
丁不四 :丁不三の弟。
梅文馨 :梅花拳の使い手。丁不四のかつての恋人。
梅芳姑 :梅文馨の娘。熊耳山に住む。狗雑種の育ての母。
呉道通 :玄鉄令を手に入れたが、主を捜し当てられず、焼餅売りに身をやつして開封郊外に住む。玄鉄令争奪で殺される。
安奉日 :金刀塞の大塞主。玄鉄令を狙う。
大悲老人:白鯨島の主。長楽幇への加入を拒んで殺される。
死の間際に狗雑種に武芸の奥義を記した人形を授ける。
范一飛 :関東四大門派の一、臥虎溝鶴筆門の掌門。
呂正平 :関東四大門派の一、長白山快刀門の掌門。
風良 :関東四大門派の一、錦州青龍門の掌門。
高三娘子:関東四大門派の一、万馬荘の女主人、飛刀の名手。