2008年10月26日

ドラマ雪山飛狐 その6

 前にも書いたが、ドラマはオリジナル。原作にはない話だ。場面だけ見れば金庸作品に似ているようでも、どこか冷えを感じる。全体の構成力が欠如するため、整合性が無くなっているせいだ。

第十七集
 三石荘では苗人鳳が刺客に襲われる。それは追い返したが、その刺客の長は、重傷のまま支えられて田帰農のところに失敗したと報告に行く。だから北京の近くだ。
 田帰農は盤上ゲームをしている。碁を打っているといいたいのだが、碁盤碁石を使いながら、碁とは似ても似つかぬゲーム。
   hikogo-2.jpg

 ここで田帰農は勝利宣言をする。投了を促したのだが、なんだろうな。明らかに碁を知らない人が形だけまねようとしたが、真似もできなかった、というお粗末であろう。

 田帰農の豪邸は北京城内ではない可能性もあるが、福康安が何度も訪ねてくるのでそれほど遠くないはず。三石荘はどんなに短く考えてもその日のうちに行ける距離ではなさそう。
 田帰農は南蘭の葬儀を行うという噂を流す。若蘭は焼香したいと家出してしまう。胡斐と程霊素は若蘭を保護するが、街の騒ぎの間に若蘭は田帰農に捕まってしまう。
 田帰農は若蘭に「父様のいるところを教えろ」。おいおい、お前が刺客を放ち、失敗の報告も受けたんだろう。見張りが飛ばした伝書鳩で詳しい報告も受け、それで若蘭が家出したことを知ったのだろう。それで若蘭を捕まえたのだろう。それなのに教えろとは話が合わないぞ。居場所がわからず、どうして襲撃できたのだ。
 田帰農は、菓子を出し宝石を出し、若蘭の機嫌を取ろうとするが、「母様にも同じ手を?」で激怒してしまう。急所を突いたなあ。
 小説では、田帰農は一門の総帥でありながら小物。ドラマでは乾隆帝に取り入る大役。
   …………………………

第十八集
 胡斐と程霊素は若蘭を助け出す。帰る途中また襲われ、偶然通りかかった袁紫衣に助けられ、苗人鳳のところまで連れて行く。
 苗人鳳は程霊素に三日間包帯を取るなと言われており、まだ包帯をしていた。三日間で帰ってこられたということ。そんなに近いところか。
 程霊素と袁紫衣と胡斐の三角関係はメロドラマ。若蘭は何度も程霊素に助けられ、父親の目を治してもらい、程霊素は大恩人だろう。それなのに恩を忘れて程霊素に意地悪をする。それで袁紫衣には好意的。もっとも、もし程霊素がいなかったら、袁紫衣に好意的になるかどうか。女心は判りません(^_^)。
 袁紫衣は母からもらった二個の翡翠の蝶の片方を、愛の証として胡斐に与える。それを胡斐は程霊素の前で落としてしまい、程霊素はそれを拾って、袁紫衣に見せてしまう。誤解して袁紫衣は出て行ってしまう。偶然が重なりすぎ。そんな大事なものをどうして都合よく(悪く)落とすのだ。翡翠って重いんだぞ。
   …………………………

第十九集
 袁紫衣は罠にはまり、福康安に捕まる。
 一方、馬春花は福康安の妃によって牢に入れられ、福康安に助け出される。福康安には大事にされているようだ。子は妃の下にいて会えない。子はひとりのようだが小説では双子。
 苗人鳳の目は治った。胡斐は父と苗人鳳の決闘の様子を聞き、若蘭のために七年待って、仇討ちに来るという。そして程霊素と一緒に出ていく。
 苗人鳳は今いる家から出て行くことを決意。寧古塔へ引っ越しするのか。
 袁紫衣は福康安が好意を持ったため、簡単に逃げることができた。
 乾隆帝は「香妃が死んで20年」という述懐がある。その前にも田帰農に「財宝探しを命じて20年たつ」。つまり20年と考えていいだろう。小説では10年である。この10年の差は大きい。
 また、「陳家洛と鉄花会は公私にわたり朕の生涯の敵なのだ」という。してみると、乾隆帝が陳家洛の兄であるという設定は崩していないようだ。
   …………………………

第二十集
 胡斐と程霊素は冬木立の中を北に向かって歩き出す。北京を目指すという。してみると今まで北京の南にいたのか。それなら小説通りだが、長白山の位置が…。辺りの景色は落葉樹林の冬景色。この「北に向かう」以外は、いまいるところが北京の南と思われる情景はない。「南に向う」と言うべきだったか。
 その途中、程霊素は妻になりたいのだが、それを拒否されたため別れることに。しかし、胡斐は放っておけず、同行することになる。そこで胡斐は義兄妹になろうという。誓いの時に程霊素は、はっきり言わない。妹と言うところを胡斐に聞こえないように妻といったのかな。
 掌門人大会を目指して北京にきたはずの袁紫衣が、母親に会いに衡陽まで戻る。
 同じく、鳳天南も田帰農を頼ってきたが、袁紫衣の素性を調べれば…と言われ、衡陽まで戻る。そして胡斐と程霊素も行く。胡斐は袁紫衣の変心の理由を探るため。
 尼寺では尼たちは皆殺しにされ、もちろん袁紫衣の母も殺される。袁紫衣は鳳天南に騙され点穴され、身動きのできぬまま福康安の屋敷へ連れて行かれる。
 北京から衡陽まで、まるで日帰り旅行扱い。
 そして胡斐と程霊素は福府から袁紫衣助け出そうと忍び込むが、程霊素を待たせて、胡斐は袁紫衣を助け出し、そのとき、毒薬「桃花霧」を吸ってしまうが、ともかくふたりで逃げてしまう。敵地に置き去りにされた程霊素はひとりで逃げ出し、胡斐たちを探す。袁紫衣は毒消しを探しに行き、程霊素は胡斐がひとりで苦しんでいるところを探し当てる。この毒は異性を求めるものだった。福康安が袁紫衣に使うつもりだったのだ。
posted by たくせん(謫仙) at 09:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 雪山飛狐・飛狐外伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の見た、旧作品も結構改変されたドラマでしたが、今回のも舞台になる場所などは、本のそれと似ていますが、若蘭の性格がなんと言ってよいか解らないくらい、嫌な女の子ですね。

そして、財宝の有りかを書いた書付は、小説の中では南蘭が、若蘭に渡して、髪に挿していた蝶の簪のなんではなかったでしょうか?
記憶が定かではないのですが、意外と大事な隠し場所だったような気がします。

私は、なんだかドラマ「雪山飛狐」から、大きく脱線して「臥虎蔵龍」にのめりこんでいます。
Posted by xihaun at 2008年10月28日 19:26
xi妹。
若蘭は小説では、武芸を知らないが根性の座っている、性格のいいお嬢様。それが11歳の若蘭はとんでもなく性格が悪い。小説ではこのころ6歳ですから、名前をだすだけですね。
それでね。うふっ、わたしは好きなんですよ。この若蘭が。オリジナル部分でよかったのはこれだけと言っていいくらい。
宝のありかの書き付けは、玉筆山荘で若蘭が刺していた簪の中ですね。だからどうなるかと思っていたら。ガックリ、無関係でした。
それどころか、さんざん伏線を張っている、宝のありかも、伏線とは無関係に見つかる。あの伏線はなんだったのだ。しかも田帰農は死なず大活躍。
もっとも困るのは地理の出鱈目さ。衡陽まで往復三千キロを日帰り旅行程度の扱い。
興ざめしてしまいました。
Posted by 謫仙 at 2008年10月29日 08:20
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