もちろん原作は金庸。しかしかなり改編されている。他の雪山飛狐と区別するため、いくつか記しておく。
監督:王晶
胡斐:聶遠
苗人鳳:方中信
胡一刀:黄秋生
袁紫衣:朱茵
小説の「雪山飛狐」と「飛狐外伝」を合わせて一本のドラマにした。
外伝は飛狐の少年時代。その始まりより更に前、飛狐の生まれたときからドラマは始まる。小説とは異なり振り返ることができないので、判りやすく最初に持ってきたのだろう。そのためミステリー性が薄れる。
胡斐が誕生し、数日後、胡一刀が死ぬ。
以下は、小説との違いを中心にして説明します。小説通りのところはほとんど言及しません。小説のあらすじは別に書いてありますので、そちらを参照してください。
この地図は小説雪山飛狐のもの。ドラマとは決闘場所が違う。
第一集
はじめ、遺体を運ぶ大勢の村人。胡一刀の住むと思える雪山に向かって、仇を討ってくれと叫んで頭を下げる。いったいそこはどこだ。どこから来たのだ。雪の原野なので、遠くまで見渡せる。
頭を上げると胡夫人がいて、話しかける。いつの間に来たか。そしてあたりが爆発し、空を飛んで胡一刀が登場。いつものことながら、バカバカしい設定。
この山のどこに住んでいるか判らない。が一瞬に空を飛んでここまできた。胡夫人は空を飛ばず瞬間移動したので、腕は上かも知れない(^。^))。
間もなく胡一刀と苗人鳳の戦いが始まると、なんと空を飛ばない。飛べない説明はない。空を飛べるのなら、この戦いでも苦労しないはず。
苗人鳳の言葉の伝言は「胡一刀が中原に来るまで殺し続ける」という。村人はその伝言はどこで聞いたのだ。中原から千キロも死体を持ってきたのか。麓の村なら、苗人鳳は近くに来ていることになる。そして胡一刀は臨月の妻と共に苗人鳳に会いに行く。
苗人鳳の住まいはどこだ。後に寧古塔(地図参照)に引っ越すようだが、現在は関内(長城の内)のはず。
実際は手紙を受け取り、長白山に向かって旅立つ。
一方田帰農は乾隆帝の命令を受ける。「胡一刀と苗人鳳を殺せ。胡家が守る宝を探し出せ」その手始めにふたりを戦わせることを企む。そして苗人鳳は7日後、長白山で戦うことにし、手紙を託す。
苗人鳳の悪事を聞いた胡一刀は苗人鳳はそのような人ではないと思い、実情を知ろうとする。しかし、胡一刀も田帰農にはめられていて、胡一刀と苗人鳳の戦いになる。場所は長白山。戦い始めるのは12月2日。五日後に胡一刀が死ぬ。小説では場所は北京の南東にある唐官屯で命日は3月15日。
戦いは宿で始まり、雪山に舞台を移す。そこは巨大岩壁があり、雪崩が起こる。このシーンは極地で海に崩れ落ちる氷山のよう。で、雪崩と共に急斜面を滑り降り、崖下に転落。それなのに胡夫人の視線は変わらない。
この始まりの部分は、外伝では思い出として数行、雪山飛狐では回想だがすこし詳しい。もちろん唐官屯は雪山ではない。
胡斐の育ての親である平阿四を高虎が演じている。少年役はちょっと無理。何歳の設定だろう。
「飛狐外伝」では苗人鳳の住まいは洞庭湖の白馬寺の南、洞庭湖からは馬で二日の距離。読んでいるときは、恒久的な住まいというより、仮の住まいという感じだった。
「雪山飛狐」では寧古塔、そこは北京の北方約千四百キロのところ。回顧では胡・苗・范・田のうち胡家のみ関外(万里の長城の外側)に住んだとある。だから苗人鳳の根拠は関内。苗人鳳は洞庭湖の南方から寧古塔に引っ越すことになる。
さてドラマではどのあたりに設定してあるのか。
乾隆帝のいう宝とは、もとはフビライの残したものだ(小説では李自成が北京で集めた物)。それを李自成の将李岩が探し出したが、使う機会もなく、4通の密書に残した。それを胡・苗・田・氾家が持つ。
流石ですね!
「雪山飛狐」というタイトルだから、
とにかく雪山の映像を出したかったのでしょうか?
特にここが気になった、ということを中心に書いています。
だから順調だと書くことが無い(^。^))。
なんでも雪山、なんでしょうね。わたしの見た感じでは金庸作品は冬が多い。碧血剣では夏のシーンでも吐く息は白い。神G侠侶でもそうだった。
これは撮影の利便のためという気がします。夏ならば下草が生えて、山野を走るのが難しくなる。それで下草のない冬で済ませてしまう。
今回は洞庭湖付近でも、落葉松林のような下草のないところが続きましたね。無理があるなあ、と思いながら見ています。
旧作は、香港で作られた物らしく、戦いの場所には雪がありません。
ドラマの始まりに、胡一刀と胡夫人が出会う場面がセットで作られた雪山です。そして何故か雪山の上に桃の花が満開?このシーンは、玉筆山みたいです。胡夫人とこの山の主はいとこになるのかな、だから雪山飛狐(小説)の中のあの山の上の戦いにへの布石かな。
雪山のシーンは、阿四が胡斐を育てる為に、玉筆山の杜希孟の所で身分を隠して下働きとして住んでいるシーンでも登場します。
だいぶ、脚色されていますが、二つを比較してみると面白いです。
説明によると、零下20度とか30度とかいうような寒い所だったようです。ホンモノの迫力ですねえ。しかし真夏のシーンまで、そんなところで撮る必要はないと思いますよ。
雪山の迫力は出たけれど、夏山は滅茶苦茶、しかもそれで平気。
俳優は大変だったと言うが、割り引いて考えてしまいます。夏山のシーンは暖かくなってから撮れば済むことですから。
玉筆山の杜希孟は胡斐の母である胡夫人の父ですね。平阿四はそんなことは知らなかったと思いますが、そちらの設定ではどうなっていたのかな。なにか縁があったのでしょう。
香港映画で雪山シーンは…、難しいですねえ。鹿鼎記でもロシアに行って活躍するシーンは、雪がなくてまるで迫力がありませんでした(^。^))。
桃の花が満開。似たようなシーンは神G侠侶のラブラブ武術とか、碧血剣の阿九のシーンでもありましたね。