袁紫衣の奪った胡斐の衣には大事な武術書が入っていた。取り返そうと、北に向かい易家湾まで来ると、九龍派の掌門が旅立つところ。そこでも袁紫衣が横槍を入れ戦いになっていた。袁紫衣の危機に胡斐が助け、袁紫衣が勝ったところで、九龍派の包囲から二人は馬で抜け出す。
間もなく雨になり古い廟で雨宿りする。深夜になると、鳳天南の一行が入ってきた。
胡斐は戦いになるが袁紫衣の邪魔で逃がしてしまう。袁紫衣も鳳天南の後を追って出ていく。
その後、怪我をしているらしい劉鶴真と若い女が入ってくる、訳ありの様子。苗人鳳に手紙を届ける途中らしい。更に鐘兆文・鐘兆英・鐘兆能の鄂北鬼見愁鐘家の三兄弟が劉鶴真を追ってくる。劉鶴真を守ろうとして戦いになるが三兄弟がいさぎよいので見逃す。その間に劉鶴真は逃げていた。
その後、劉鶴真を見つけ何日か後に後をつけて、苗人鳳のいるところに行き着く。劉鶴真が手紙をわたしたが、手紙には毒が仕込まれていて、苗人鳳は失明する。そこにもう四人が加わり戦いになる。結局謎が解け、四人は毒を仕掛けた田帰農の使いだったのでそのまま帰し、劉鶴真は自ら盲て詫びとし、胡斐は苗人鳳の娘を預かることになる。
手紙を渡した男は、毒は「毒手薬王」から手に入れたものと告げて帰った。
胡斐と鐘兆文は毒手薬王を訪ねる旅に出る。昼夜兼行で一日で目的地の洞庭湖の白馬寺に着く。
鐘兆文に「三十里以内では、飲み物も食べ物も一切口にしてはいけない」と注意される。
そこではすでに毒手薬王亡く、その末の少女弟子が、花の世話をしているところに出る。道を訊いても冷たい返事。鐘兆文は先にいってしまうが、胡斐が丁寧に再度訊くと、畑仕事を命じられる。それが済むと花をプレゼントされた上、道を教えられた。
結局遠回りして、目的の建物らしきところにはいると、毒にやられた。なんとあの花に解毒作用があって助かる。なんとか逃げて花畑の脇の茅屋に先ほどの娘を訪ねた。夜も遅かった。
食事の接待を受け胡斐が食べるが、それが毒よけであった。鐘兆文は食べなかったため、泥酔状態になってしまう。
少女の名は程霊素といった。胡斐と程霊素で出かけると兄弟子二人と姉弟子の奇妙な愛憎の争いになる。しかも目的は少女の持っていた、師匠の「薬王神篇」である。上の三人の人格を信頼せず、末の程霊素に託したのだった。なんとか二人は助かり、程霊素と三人で苗人鳳のところに戻ることができた。
戻ると家は田帰農の一団に襲われていた。これをなんとか退ける。そして目の治療ができた。話で、苗人鳳が父の仇と判ったが、目が見えず首を差し出す苗人鳳を討つことができず、 胡斐と程霊素はその家を飛び出す。いった先で、胡斐はお大尽の扱いを受ける。義堂鎮の荘園が胡斐の物だという。誰がその手配をしたのか不思議だった。
何日か後、飛馬鏢局の一行を助太刀することになる。幼い二人の子を連れた徐錚と馬春花の夫婦であった。だが敵は、徐錚は殺してしまうが、馬春花には丁寧だった。敵は福康安の配下だった。しかもこどもはなんと福康安の子であり、徐錚と馬春花の夫婦の仲は冷えていたのだ。福康安の配下に商宝震もいたが、これは戦いで死ぬ。こどもを奪われた馬春花は説得に応じ、徐錚と商宝震を埋葬し、都に行くことになる。
胡斐と程霊素は、ようやく旅の当初の目的地である北京に到着した。
北京ではその日の内に汪鉄鶚と再会し博奕場に連れて行かれる。そして一万両以上勝ってしまい、広大な屋敷を手に入れた。明らかにいかさまであり、誰かがそのようにし向けたのだ。
翌日、その屋敷で宴会を開く、そして判明した。その家屋敷も義堂鎮の荘園も鳳天南の差し金だった。それで許しを請おうとしたのだ。
しかし、許さず戦いになるが、またもや袁紫衣に邪魔される。袁紫衣は更に三門を加え六門の掌門になっていた。ここで更に三門を加え九門の掌門となる。
そして客人が帰ったあと、胡斐と程霊素に自分の過去を語る。
母は鳳天南に暴行され、妊娠してしまった。その後も酷い仕打ちをされたがなんとか女の子を産んだ。十九年前のこと。それでも殺されそうになりなんとか逃げ延びたが、間もなく亡くなる。赤ん坊は紅花会に引き取られ、育てられた。
師父の助言により、親子の縁があるので三度だけは助けたが、これで義理は済んだ。こんどあったときは、母の仇を討つと。