![yitiandulingji.jpg](https://takusen.up.seesaa.net/alisan/yitiandulingji-thumbnail2.jpg)
地図
三人は助けられ、兪蓮舟とともに武当山へ行く。その途中で張無忌は掠われ、兪蓮舟は重傷を負う。
なんとか武当山にたどり着くが、少林寺を始め武林の諸派が、謝遜の行方を尋ねて集まっていた。
張翠山が龍門鏢局を71名殺しにしたことを追求してきた。犯人は張翠山ではないが、張翠山は殷素素が兪岱巌を傷つけた犯人と知って、結局自決してしまう。張無忌が戻ってきたが、玄冥神掌で重傷であった。殷素素も張翠山の後を追う。
二人の自決によってその場は解散となる。張無忌の傷は二年経っても治らず、張三豊は少林寺の助力を得ようと二人で出向くが断られる。帰る途中で元軍と戦う明教の常遇春と遭遇する。また、その時の戦いで死んだ船頭の娘周芷若を武当山で引き取る。常遇春は蝶谷医仙といわれる胡青牛の所へ行くので、張無忌もいっしょに行って手当を受けさせたいと申し出る。
金庸小説にはいつも偏屈な名医が登場する。さようこの蝶谷医仙も見殺し医者と言われる偏屈な名医であった。
この偏屈にはわけがあった。偏屈なふりをしていたのだ。
常遇春(1330−1369)は実在の人物で、朱元璋の下で活躍した。自他共に厳しい人だった。
苦労して胡蝶谷の蝶谷医仙の所に行くが、結局治療してもらえたが、完治しない。胡青牛は完治したら張無忌を殺すつもりでいる。
張無忌は治療の方法を聞き、胡青牛の書いた医学書を読み、2年経つと名医の仲間入りをする。ただ体は完治していない。胡青牛も自慢の医学を教えたがっていたのだった。
ある日、胡青牛は天然痘にかかり、動けなくなる。そんな時にいろいろな致命傷を負った江湖の者が大勢押しかけてきた。
張無忌が症状を話し、治療法を聞いては施す。その中には張無忌も知っている殷利亭の婚約者紀暁芙もいた。娘の楊不悔を連れていた。これらの傷は金花婆婆によるものだった。
金花婆婆は咳き込んでいてよれよれでいながら、江湖の凄腕だった。胡青牛は金花婆婆が来ることを知り、天然痘のふりをして、その妻毒仙といわれる王難姑と対策を練っていたのだった。
問題はこの夫婦の関係。毒仙は医仙より上になりたがる。そして、無辜の人に毒を盛る。医仙はそれを治療してしまう。毒仙はそれが悔しくて更に毒の研究。医仙はそれをやめさせるため、治療を拒むことになったのだった。張無忌は毒経も受け取り、後に毒にも詳しくなる。
夫婦は逃げ出す。張無忌が江湖の者を治療して返したあとで、張無忌と紀暁芙は金花婆婆に襲われるが、紀暁芙の師父滅絶師太に救われる。滅絶師太は倚天剣を持っている。しかし、滅絶師太は楊不悔の父が楊逍と知り態度が激変。密計を紀暁芙に授けるが、拒否され紀暁芙を殺してしまう。とても出家のやることではない。
張無忌は楊不悔を助けて、二人で崑崙山の楊逍の所へ向かう。谷を出ると、医仙毒仙夫婦の死体があった。金花婆婆から逃げることはできなかったのだ。
二人は途中で飢えた人たちに会う。その中には後に明朝を興す朱元璋や徐達もいる。再会を約束して先を急ぐ。このころ十五歳。
かなりたって、蘇習之と崑崙派の・春(せんしゅん)が争っている所にでた。二人とも毒で死ぬところだった。その二人の毒を消し四人で崑崙に行くことになる。長い日数をかけて崑崙にたどり着いた。そこでは何太沖(鉄琴先生)の五人目の妾が病で大騒ぎになっていた。毒蛇によるものと原因を突き止め、病を治す。
その祝いの席で酒に毒が盛られていた。盛ったのは本妻だったのだ。張無忌を犠牲にして、他の人たちは助かろうとする。・春にしろ五人目の妾にしろ何太沖にしろ命を助けたのになんと冷たいこと。五人目の妾に毒を飲ませたふりをして、逃げ出すことになる。だが本妻に捕まってしまう。そこを楊逍に助けられる。楊不悔の父親だ。そのどさくさで腕を折られてしまうが楊不悔を預けて別れる。
十日ほどして犬の群れに襲われ大怪我をし気を失ってしまう。朱九真の飼っている犬だった。助けられ紅梅山荘で養生することになる。
主は朱長齢、娘は朱九真、「射G英雄伝」の朱子柳の子孫だ。
武烈は武三通(射G英雄伝)の子孫。武青嬰は武烈の娘。衛璧は武烈の弟子。
これらの人が、二ヶ月もかけて大芝居をして、ついに広大な屋敷まで焼いてしまう。張無忌を安心させて、謝遜の行方を教わるためだ。本当の目的は屠龍刀を手に入れ、武林に君臨するため。
張無忌は逃げ出し、朱長齢と共に崖から落ちる。途中で木に掴まって助かるが上にも下にも行けない。張無忌だけは狭い穴から逃げ出すことができた。朱長齢は崖の中腹にそのまま取り残される。
それにしても、一灯大師の弟子たちの子孫はできが悪い。満足することを知らない。栄華を極めた屋敷を燃やしてまで、武林の盟主になりたいのか。これはどの物語でも思うことだが。
いま屠龍刀を持っている謝遜が、15年経っても盟主になれないことを、どう解釈しているのだろう。
三 盟主の条件 に続く