2019年12月31日

唐磚

唐磚(とうせん)
日本名 大唐見聞録 −皇国への使者−

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 タイムスリップもの。
 発掘調査に救護班として参加していた雲不器が穴に落ちて、その先は唐の時代だった。
 背中のリュックは救急セットが入っている。リュックは墓標の側に埋めて砂漠の中を歩き出す。

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 砂の砂漠の中の一軒家って、そんなところに家があるのか。庭には大木が一本。砂漠に育つか。ともかくそこに入って二人の男に襲われたのを、若い女、李安瀾に助けられる。この娘は太宗の知られていない長女だった。お定まりで恋仲になる。そこには水や燃料がある。どこから持ってきたのだ。
 そこに、唐太宗の太子たちの軍が入ってきた。
 製塩して喜ばれ、点滴の要領で輸血して太子を助ける。救護班だから注射器など持っていたのだろう。一応血液型チエックなどはする。
 雲不器はすんなり唐太宗の時代に溶け込んで、太宗に重用される。

 バッタの害に、バッタを食用にすることで対処する。わずかを食用にしたくらいで、どうにもなるものでもないのに。
 食糧不足の軍にインスタントラーメンを提供する。何らかの方法で現代と交易ができたのかと思ったら、そうではない。では、そんなに大量のインスタントラーメンをどうやって作ったのか、その材料はどこから? 食料が不足して困っているのだ。材料の小麦粉があれば、食糧不足にはならない。
 そんな風にあちこちに矛盾がある。舞台設定のタイムスリップや言葉が通じるのは仕方ないとして、それ以外の普通の部分は矛盾してはいけない。トンデモ化してしまうではないか。ところがこのドラマではそこがおもしろい。
 コミック化しているが、このドラマの底には玄武門の変がある。太宗が兄と弟を殺し、父の初代皇帝を隠居させたクーデター事件だ。それを知っている太子も同じことを考える。そして失敗する。だから結構重さがある。影がある。
 李安瀾は玄武門の変で母親を殺された。殺したのは誰か。これがこの物語の中心となる謎だ。
 最後は重臣の侯君集が太子を担いでクーデターをおこす。それを雲不器の奇策で防ぐ。そして雲不器は死んだと思われる。ところがはじめの、あの現代の穴の底に、無傷で帰っていた。夢を見ていたような形だ。周りの古物には唐代に自分で使用した想い出の品がある。

 問題点が多く、タイムスリップの諸問題を克服したとはいえない。だからコミックになってしまう。インフラの不備・言葉・文字(篆書体)・衣食住の貧しさなど、タイムスリップものは、それらの問題の解決がついてまわるのだ。
posted by たくせん(謫仙) at 08:08| Comment(0) | 武侠世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月24日

蘭陵王妃

ドラマ 蘭陵王妃
日本名 王と皇帝に愛された女

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 あの有名な北斉の蘭陵王の妃だが、これは実話か。つまりモデルがいたのか。

 北斉の端木怜(たんもく・れい)は、始皇帝の時代に“天羅地宮(てんらちきゅう)”を建立した端木吉(たんもく・きつ)の血を継ぐ末裔。始皇帝による天下統一の秘密が隠されたこの建物への入宮には、三種の神器の1つ“鎮魂珠(ちんこんじゅ)”が必要だった。
 これを探りに北周の宇文邕(うぶん・よう)に嫁ぐが、事故で記憶を失ってしまう。
 この俳優は演技はうまいとはいえない。舞は本格的だった。調べたら歌手だった。物語もあり得ない設定が多い。端木怜が北周の都から北斉へ行こうとするが、荷物もなく、ひらひらの衣装で、ひとりで山道を歩いている。いったい何日かかると思っているのだろう。
 かというと、戦いの場面はけっこう迫力がある。
 初めの数回をみて、おもしろくないなと、最後を見たら意外な展開なので、中も見ることにした。
 わたしが注目したのは、宇文護が明帝を殺すがどうやったのか。宇文護はどうして自分が皇帝にならず宇文邕を武帝にしたのか。武帝は12年間耐えて、宇文護を誅殺するがそのいきさつはどうだったのか。

 念のため、北周の年代を書いておく。
556年−557年 孝閔帝 1年
557年−560年 明帝 3年
560年−578年 武帝 18年
572年       宇文護 誅殺

 573年 蘭陵王死す
 577年 北斉滅ぶ
578年−579年 宣帝 1年
579年−581年 静帝 2年


 ところが、なんと武帝が即位してまもなくの宴会をきっかけに、武帝宇文邕と宇文護が争い、宇文護が死ぬことになる。この戦いは、双方が準備して仕掛けた。12年間をパスしたのだ。ここは時間経過が曖昧。皇帝に擁立してくれた礼を改めて12年後に行った。という解釈もできる。この場合は端木怜の年齢が問題になりそうだ。

 天羅地宮の設定などおもしろいアイディアと思ったが、肩すかしをくらう。天羅地宮のからくり仕掛けはびっくりするが、中身はくだらない。「始皇帝による天下統一の秘密」などという大げさなものではない。
posted by たくせん(謫仙) at 16:39| Comment(0) | 武侠世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする